表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/23

7.戦いを終えて








「お、おい。本当にそんなんで、良いのか……?」

「良いですよ。というか、むしろこうでもしないと申し訳なくて」


 ――超大型ドラゴン討伐から、数日後のこと。

 僕はダンさんに例の一件は自分の勝利だと告げられ、その裁量を任された。そして今ほど、こちらの要望を伝えたのである。

 それというのは……。


「でもよ、それじゃあ俺様たちの方に利益が出ないか?」

「そうですよ。でも、喧嘩両成敗でいいでしょう?」

「それは、そうだが――」


 ダンさんは、申し訳なさそうに言った。



「仕事の半分を譲渡する代わり、こっちにリアンの技術を教える――だなんて」



 そうだった。

 僕が申し出たのは、いわゆる妥協案のようなもの。

 ダンさんの店が請け負っているギルドからの依頼を僕らも受けられるようにし、その上で僕の持っている技術を最大限、彼らに提供するという内容だった。


 言ってしまえば、僕がダンさんのチームの仮ながらも一員になる。

 そういうことだった。


「いやいやいや! 納得できねぇぞ、お前はこの街一番の加工師だろう!?」

「そんなこと、ないと思うけどなぁ……」


 しかし、彼はなかなか承諾してくれない。

 それどころかあの一件以来、僕に対しての扱いが大きく変わった。


「いいや、この俺様が認める! リアンは俺様たちの上に立つべき人間だ!!」


 これ、このように。

 延々と僕のことを持ち上げるのだった。

 それは嬉しいことなのだけれど、正直なところこそばゆい。


「……そう、ですか。それなら――」


 だが、とにもかくにもこのままでは話が前に進まなかった。

 なので、さらに妥協案を提示する。


「店の経営はダンさんに一任するので、僕の扱いは仮の店主――ということで」


 苦笑いしつつ、頬を掻いてそう告げた。

 そうすることで、ようやく相手も納得してくれたのだ。



◆◇◆



 家に帰るとフランが待っていた。

 その顔にはなにか、決意をしたような表情。


「お兄ちゃん、話があるの……」

「………………うん」


 場所は僕のアトリエ。

 そこで彼女は深呼吸一つ、こう口にした。


「お願い、お兄ちゃん――」



 少女は懇願する。



「お母さんを救うのを、手伝ってほしいの」――と。



 


ここまでで第二章です。


面白かった

続きが気になる

更新がんばれ!


そう思っていただけましたらブクマや感想、下記のフォームより評価など。

創作の励みになります。


応援よろしくお願い致します!


<(_ _)>

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ