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浪人時代
2年目の入試が目の前に迫っていた。じたばたしても仕方ねえと開き直つたものの、不安で夜も眠られず
、夜中にがばっと起き上がって東の方を向いて合掌したり、北の方を向いて逆立ちしたり
して、精神状態は異常で、これはもうキ狂であった。
第一志望はなかった。第二志望もなかった。大学と名の付くところは片っ端から受験した。
合格通知はなかなか来なかった。気を紛らすために飲みに行きたくても金がなく、寂しさを紛らすために
ガールフレンドを求めるも与えられなかった。
精神的には最悪だった。男の悲哀をじっと噛みしめながらほうじ茶を飲んでいるとき一枚のハガキが舞い込んだ。奇跡が起きたのである。合格通知であった。