それ違法です!
舞台は現代の日本。
2018年8月11日(日)3時20分。
鉄筋コンクリートで建てられた築42年のボロアパートに彼は居た。
「あつい」
リモコンポチ
「え、起動しないじゃん。。。どうなってんのー」
彼の名前は黒田真。23歳の大学院生。
リモコン ポチ ポチ
「マジ使えねー」
ごん
隣の部屋から大きな物音が聞こえてきた
「隣に暮らしている人いたかな?まあいなくてもいてもどっちでもいいけど」
真は壁ドンをした
「助けて・・」
「うん?今助けてって・・・」
真は壁に耳をつける
しかし隣からは何も聞こえない
「なんだ、気のせいか。最近は論文の執筆で忙しかったからストレスで耳鳴りがしただけだよな」
午前7時5分
時計 ピピ、ピピ、ピピピピ
「うぅ、眠い」
訪問ベル ピンポーン
「(ドキッ)びっくりした、朝っぱらからなんだよ」
玄関ドア
「すみません、警察です」
「(え、警察?)もしかして・・・バレた・・・」(真は違法アップロード者)
真はドアののぞき穴から外の様子を見る
一人の男性がいた。身長は160cmあるかないか、小太り、白色のtシャツ、黒色のチノパン、サングラスを着用。
「(なんだかラフな格好やな)すみません。今忙しいので用件を教えてもらえますか?」
「はい、今朝お隣の102号室の方が変死体で発見されました。昨日の午後8時から午前7時までに何か不審な出来事はありませんでしたか?」
「(あーあの声かな)いえ、何も聞こえませんでした」
「そうですか・・・わかりました。ご協力ありがとうございます」
「(変死体・・・なぜ・・・それより今の俺の返答おかしかったな。あれじゃあ何かあったって言ってるようなもんだよな・・・) 」
時計7時20分
「まあ、いいや。今日は図書館に行って帰りにスーパーに行かないと」
真は身支度を済ませドアを開けた。
ドン
真は先ほどの警察官にバットで頭を殴られた・・・
真は目を覚ます。
場所は真の部屋の前。時間がかなり経過しているようで夕方になっている。
「(痛い・・・くらくらする)」
真のおでこには大きなたんこぶができていた。
「俺はどうして・・・そういえば・・・(あの警察官が・・・それより救急車を呼ばないと・・・)」
ドサ
真は立ち上がれず横になる
「死ぬ」
バン
隣(女性の声が聞こえた部屋)のドアが開いた。
「(え・・・)」
真の心臓の鼓動は大きくなる。
「(逃げなくては・・・あの警察官だ・・・)」
しかし、真には立ち上がれる体力、気力は残っていない。
「(終わった・・・俺殺されるのか)」
真は嘆く。思い返せば酷い人生だった。小学生でがり勉とあだ名をつけられ、私立の中高に進学しても陰キャラ扱い。大学では一人ぼっち。
ドアが開き靴音が聞こえた。真は目を閉じた。
「暑いなー」
真は目を開けた。警察官ではなかった。代わりに麦わら帽子をかぶった黒髪ストレートヘヤ―の女性が居た
「え」
真は驚く
「え」
女性も真の声に反応し驚く
「あなたは誰ですか?見かけない人ですけど・・・」
「え・・・ここの住民ですけど?」
「し、死んだんじゃ・・・」
「えーと、昨日引っ越してきた加藤です。前の住民の話ですか?それともナンパのつもりですか?」
「いえ、そうでなく」
「ふーん、そんなことより貴方大丈夫ですか」
「あ、すみません。救急車、お願いします」
その後、加藤は言われた通りに救急車に連絡し、真は病院に搬送された。
8月12日
医者の診断を受けた真は昨日起こったことを医者、警察官に伝えた。
警察官によると一人暮らしを狙った強盗ではないかと言われた。
その夜
お見舞いに来た両親が帰ったあと、真はpcで論文の執筆作業に勤しんでいた。
コンコン
ドアのノック音
「(え・・・まさか・・・あの偽警察官?」
ドアが開く。
真はナースコールボタンを押す準備をした。
「こんにちは~おからだは大丈夫ですか?」
「あ、加藤さん。昨日はありがとうございました。おかげさまで明日には退院ができそうです」
「それは良かったですね。お饅頭を持ってきたので良かったら食べてください」
「あ、ありがとうございます。」
「ところで黒田さんは学生さんですか?」
「まあ、そうですね」
「やっぱりそんなんだ。あのアパートは学生さんが多いですよね。引っ越しの挨拶をしていたのですが、皆さん学生さんばかりで・・・」
「あのアパートはもともと学生向けのアパートなのでうるさいですよねw」
「それもありますが、挨拶に行っても誰も出てくれないのです」
「それはしかたないですね。知らない人の訪問は出ては行けませんから。最近物騒ですし」
この後も加藤と黒田の世間話は10分続いた。
「あ、そろそろ帰らないと・・・」
「ほんとだ。下まで送りますよ」
「え、大丈夫ですよ。お大事にしてください。」
「あーもうちょっとお話がしたかった・・・」
「えーうれしいなーじゃあラ○ンの交換しませんか」
「本当ですか、じゃあお願いします」
加藤は病室を後にした。
「やったーメアドゲット!早速送ってみよう」
加藤視点
私の名前は加藤めぐみ。25歳の警察官です。
先月から警察官となりました。
1か月前
「あなたはなぜ警察官になりたいのですか?」
「(警察官になるきっかけ・・・)
「私は高校生のころに10回以上痴漢をされたことがあります。けれども、当時は痴漢免罪の認知度があがりつつあり、痴漢者を通報しても逆に疑われるため私は黙っていました。それから、4年。
一般企業についたころ、私はまた痴漢をされました。私はそのとき警察官になって私のような人を救える人間になりたい、弱い人間を救いたいと思いました」
RHINE
くろ助(黒田真):こんにちは;
加藤めぐみ:こんにちはw;
加藤めぐみ:先ほどあったばかりですよ♡;
くろ助(黒田真):加藤さんとの話が楽しくて(汗);
「黒田真・・・私が警察官になって初めての被害者。私が必ず犯人を捕まえてやる
加藤めぐみ:あの。どうしてあんなところにいたのですか??:
くろ助(黒田真):それはですね;
黒田は加藤にすべてのことを話した。
加藤めぐみ:なるほど。ただの偽警官が襲った事件ではなさそうですね。確認しますけど本当に私の部屋から聞こえてきたのです?
くろ助(黒田真):はい・・・あの偽警官も隣の部屋と言ったはず、102号室だって・・・私の部屋は103号室、加藤さんは102号室でしょ;
加藤めぐみ:ん?私の部屋は104号室ですよ;
くろ助(黒田真):あれ・・・;
加藤めぐみ:実は102号室と104号室のプレートが入れ替わっていたんです。たぶんいたずらんじゃないかな?;
くろ助(黒田真):え・・・僕は4か月前に引っ越してきたのですがすでに入れ替わっていました。本当の102号室の方の宅配便は届いていたのでしょうか;
加藤めぐみ:うーんたぶん大丈夫ですよ。挨拶に行きましたが誰もいなかったです。それよりも私の部屋から声が聞こえたのはおかしいですね。それだと偽警官と真さんの意見に矛盾が生じます;
くろ助(黒田真):どういうことですか?プレートが変わっていたなら矛盾なんてないと思います;
加藤めぐみ:私がプレートを変えたのは引っ越してきた三日前です。なので、偽警官は本当の102号室のことをいっています。それに私は助けてとは言っていないのです。;
くろ助(黒田真):そうですか・・・;
加藤めぐみ:もしかしてその夜は本当の102号室から聞こえたのでは?;
くろ助(黒田真):え・・・まさか(笑)それだと、昨日の午前3時頃には声の主が暮らしていたということですよ?;
くろ助(黒田真):やっぱり私の聞き間違えだったかもしれません。そもそも偽警官が適当な嘘で私にすきを作るわなだった可能性もあります。すみません。;
黒田真視点
22時40分
「加藤さんみたいな推理オタはよくいるけど仮説と仮説で推理するやり方は好きになれない。それに彼女の話が全て本当なら今、あのアパートはとても危険だ。そして死体が転がっている・・・」
翌日
真の携帯電話の着信が鳴る
「もしもし」
警察からだった
犯人を捕まえた、できれば顔を確認してほしいとのこと。
電話を切りRhineを開く。
“新着メッセージ“Rhine
加藤めぐみ:ごめんなさい;
「(どういうことだ)」
黒田:突然どうされたんですか?;
黒田は警察署に向かった。
警察署(受付)
「こんにちは、黒田と申します。」
「黒田さんですね。あちらでお待ちください」
それ犯罪です! 違法配信撲滅キャンペーン
「(うわ・・・)」
「お待たせいたしました。黒田さんこちらへどうぞ」
「はい・・・」
黒田は取調室の隣にある部屋に案内され、マジックミラーごしから犯人を確認した。
「この方です。間違いありません。」
「そうですか、わかりました。」
「あの……なぜ、こんなにも早く見つかったんですか」
「うちの警官が帰宅途中に遭遇して逮捕したそうです。逮捕した本人は安達巧(犯人の名前)ともみ合いになったらしく、病院に搬送されたと連絡がありました」
「その方は大丈夫なんですか」
「命にかかわるものではないみたいなので心配になさらなくてもいいですよ」
「そうなんですね。でもお礼はしたいのでその方のお名前と病院名を教えてください。」
「そうですね。。。今連絡してみますね」
「ありがとうございます」
「お待たせいたしました。本人が会いたがっているらしく今から慶南病院の333室に来てくださいとのことです。加藤めぐみさんと言えばわかると言ってました」
すぐさま真は加藤の病室に向かった。
「加藤さん!」
「あ、黒田さん・・・」
加藤は別の警察官と会話をしていた。
「大丈夫ですか、一体どうなってるのですか」
「あ・・・すみません。立場が変わってしまいましたね(笑)実は私警察官なのです」
「そうみたいですね・・・」
「騙すとかそういうのじゃありません。それでもすみません」
加藤は深く頭を下げた。
「アハハハ、大丈夫ですよ。気にしないでください。それで何があったのですか?」
「今朝、大家さんに聞いたのです。102号室は空室なのか」
「まさか、本当にいたんですか」
「はい。大家さんの合鍵で部屋に入らせていただきました。そこには彼女の姿はありませんでしたが、日記帳がありました。それには上司からストーカーにあっていたこと、部屋番号のプレートを入れ替えたこと。私は日記を見たとき、私が捕まえなければならないと思いました。だって、彼女は私のせいで殺されたのですから・・・」
「えっ、ちょっと待ってください。話がよくわからないです。3つの質問に答えてください」
加藤はうなずく
「まずは一つは彼女つまり102号室の方は殺されたのですか?」
「ここで話したことは他言無用でお願いします。」
「分かりました」
「殺されていました。彼女はの遺体は近所の土手で発見されました。部屋にあった髪と死体の髪のDNAが一致したので間違いないです」
「2つ目、犯人は一体誰だったのです」
「それは、彼女の会社の上司です。おそらく、あなたが見た偽警察でしょう。」
「では最後の質問、なぜあなたは病院に搬送されたのですか?」
「それは、私が貧血で倒れたから・・・」
「え・・・」
「てへへへ まったく大丈夫ですよ(笑) ほらピンピン! いたたた」
「全然大丈夫じゃないですよ!」
「まあ、いいじゃないですか。それよりチョコバークリーム食べたいなー」
「分かりました(笑)ちょっと待っててください」
「ありがとー」
END
はじめまして、しろあんと申します。
初投稿です。今回の小説は半年前に書いたものです。当初のタイトルを「変わらない世界」でした。犯罪がなくならない世の中ということです。『君の名は。』の違法アップロード、ストーカー、国会議員の政治資金の公私混同等々、ブラックな世界です…