受付のお爺さん
said龍弥
龍弥は図書室である程度満足のいく予備知識を付けると図書室を後にした。
(受付の爺さん寝てるが警備は平気なのか?)
龍弥はイルとの接触を再開し城内を歩いていると、窓から花畑が見えた。
(庭の一部だけが花畑なんて変だな。
ん?あそこにいるのは)
龍弥が花畑を見ていると城から綺麗な金髪をした人物が花畑に入っていく。
イルのことだった。
(丁度いいな)
龍弥はイルのいる花畑へ向かった。
龍弥は外に出て花畑に向かって歩いていると、それに気付いたイルが声をかけてきた。
「これは勇者様こんにちは。会見の時は平気でしたか?」
「こんにちは第3王女様、すこし話をしたくらいなので平気ですよ」
「勇者様そんなに堅苦しい話し方をせずに、気軽にイルと呼んでください」
「・・分かったイル。お前も龍弥でいい」
「はい!わかりましたタツミ様!」
それから、龍弥とイルはお互いの国の文化や食べ物、自分の好きなことを話している内に、お互いが魔法の事について話し合い話しは弾んでいった。
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昼食時に近づき龍弥は逃亡の話を振り出す。
「ところでイル、話したい事かあるんだがいいか?」
「はい!」
「近いうちにこの国のを出ていくことは聞いているな」
「・・・それをどこで」
イルは警戒をしながら龍弥に聞いた。
「心配するな、密告なんかしない、ミレルに聞いたんだ」
「ミレからきいたんですか、その通り私は近いうちに私とカール兄様とミレルでこの国をでます。
でも何故タツミ様が?」
「あぁ、俺もこの国に居ようと思えずに出ようと思ってな。
ミレルに声をかけられ一緒に出ることになった」
「タツミ様も?!」
「すまないな」
「いえいえ!そんなことはありません!タツミ様と話している時間はとても楽しいですし、カール兄様ともきっと仲良くなれますよ!」
「そうだといいな」
「はい!」
「そろそろ昼食時だな」
「そうですね。タツミ様!御一緒どうですか?」
「俺は用事があるから無理だな」
「そうですか・・・」
「近い内に一緒に食べよう」
「はい!」
暫くするイルのメイドがイルに昼食の準備が出来たと報告に来た。
「ではタツミ様!」
「あぁ」
イルはそう告げると城の中に戻って行った。
「・・・・さて、行くか」
龍弥は再び図書室へと足を進める。
実は図書室には立ち入り禁止の立て札が掛かっていた部屋があったのだ。
そして、昼食時ならば警戒が少しでも緩まっているのでは、と考え昼食時まで待っていた。
龍弥はそこに発動禁止の魔法や古代魔法、この国の裏の歴史書が保管されているのだと推測している。
(まあ、見た所警備はあの爺さん一人だし平気だろ、念のために隠蔽スキルで気配は消すがな。)
龍弥図書室の入り口の外に来るとお爺さんがまだ寝ている事を確認してスキルを発動した。
(これでよし)
そのまま龍弥は受付のお爺さんの前を通過出来る筈だった。
「坊主受付はここじゃぞ?」
「?!」
龍弥は寝ていると思っていたから驚いているのではなく、寝ている上でスキルが看破された事に驚き警戒していた。
「爺さん何者だ?」
「ホッホッホッ、そんなに警戒せんでも平気じゃ」
龍弥は警戒と同時に暗殺者スキルの中の『鑑定眼』を使った。
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NAMEーロイ・ラムナイト
JOBー国立魔法図書館司書(仮)
LEVELーerror
HPーerror
MPーerror
STRーerror
INTーerror
AGIーerror
SKILL
・肉体強化LV5
・近接格闘LV5
・error
・error
・error
ユニーク
・error
・error
・error
TITLEー超人
冷徹者
完璧人
孫LOVE
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龍弥は即座に警戒を解いて戦意がないことを示した。
「ホッホッホッ潔いのぉ」
「勝負以前の問題だからな」
「今のは鑑定眼を使われた感じかの、久しぶりじゃの〜」
龍弥は頭の中で冷静を保とうと必死だった。
(スキル暗殺者LV3の鑑定眼でステータスが覗けないと言う事はそれ以上のレベルの隠蔽系のスキルを所持しているということだ。何より驚くことはユニークスキルの数だ3つは多すぎるし、まず今の俺では相手にならない)
「正直に言おう。敵対する気はない、立ち入り禁止の部屋にはいりたい」
「よいぞ〜」
お爺さんは即答だった。
「そんなに簡単に許可していいのか?」
「いやのぉ、さっき孫が来ておぬしを自由に行動させてあげるように言われたんじゃよ」
「そうか」
龍弥は思わぬ返答と理由に呆れていた。
「ただし、持ち出しは禁止じゃぞ〜」
「分かった」
龍弥は返事をすると図書室に入っていった。
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