他の勇者とステータス
side龍弥
ウェヌスに見送られ視点は一転、周りは高い場所にいるのか、山の頂上がすぐ隣に見える。
「勇者様!」
声のした方を見てみる。
「ようこそおいで下さいました」
そこには、元気です!という雰囲気を出している綺麗な金髪と黄金の瞳の美少女と、黒に近い紫の髪と瞳を持つ落ち着いた雰囲気を出している美少女がいた。
「ここは?」
わかってはいるが聞いてみる。
「あ、はい!私は『イル・シーン・アルダビール』第3王女で、ここはウールという世界のアルダビール王国という国の勇者召喚を行う部屋です!」
(随分と細かく説明してくれる子だな)
「私は『ヴァージェル・シーン・アルダビール』第1王女です。勇者様、どうか私たちの国を救ってください」
いきなりだな、とは特に思わず周りを見回す。
周りには自分が立っている所と同じくらいの高さの塔が4つ見える、恐らくここも周りに見える塔と同じ様な塔だろう。
そう考えていると
「勇者様?」
不安気な声が聞こえてくる、返事をするのを忘れていた。
「とりあえす、詳しい話を聞かせてもらえるか?」
「あ!そ、そうですよね!」
イルの方が恥ずかしそうに言う。
「では、こちらへ」
ヴァージェルが部屋の隅にある召喚の魔法陣とは別の魔法陣に案内する。
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ひとまず国王との会見の準備の間、客室で待つようだ。
そこには俺を含め5人の日本人がいた。
「ひとまず、自己紹介をしませんか?」
眼鏡をかけ少しつり目で学校に一人はいる真面目そうな男子がみんなに声をかける。
「そうだな」
次に、身長が190はあるだろういい体格をしている寡黙そうなおっさんが同意する
「そ、それよりここはどこなのですか、家に帰りたい・・」
次に女子で身長は160に届く位の身長で多分地毛の金髪のハーフっぽい女子が言う
「そうね、それと国王の話を聞かないとわからないけど、多分無理だし帰れなくてもいいじゃない」
最後に俺と同じ位の女性にしては高い身長をもつ背中の中程ある黒髪の女性がいう
「そ、そうなんですか?うぅ〜」
「そんn「そんなことないよ、きっと帰れるさ、元気を出して?」・・」
俺が話すのに被せて眼鏡君が話す。
「そ、そうですよね?」
「そうさ!」
眼鏡君がこちらをチラッとみて口を少し釣り上げた気がした、そして続けて
「では皆さん自己紹介を適当にするのと自分のステータスを教えあいましょう!」
こいつはバカか?としか思えなかった。 いきなり、知らない世界に連れてこられて知り合いもいないし何故ここの言葉が話せているかも解らない状態で自分が持っているのは、服や携帯くらいでその中でも武器なのが、ステータスのスキルだというのに。
(ここは、誤魔化す方がいいな)
「では、まず私から。
私は『富塚 光輝』17歳で学生です
ステータスは次のとうりです」
そう言うと透明のカードを取り出した。
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NAMEー富塚 光輝
JOBー勇者
LEVELー1
HPー500
MPー800
STRー100
INTー250
AGIー200
SKILL
・剣術LV2
・光魔法LV3
・格闘LV2
・魅了LV3
ユニーク
・勇剣術LV1
TITLEー異世界人
愛の女神の愛子
救世主
正義の味方
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「これは、ステータスカードと言葉に出すなり念じるなりすれば出ますよ」
(まずいな、このままだとステータスを提示する事になるな、いや待てよ暗殺者のスキルに隠蔽があったな、どうやるんだ?)
そう思っていると頭の中にスキル隠蔽の使い方が染み込むように自然と理解できた。
「次は俺だな
俺は『北村 かおる』18で学生をしている、ステータスカードは・・できたな、これだ」
(歳が一つしか変わらない?!)
龍弥がそんなことを思っている中自己紹介は続いていく。
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NAMEー北村 かおる
JOBー狂戦士
LEVELー1
HPー700
MPー200
STRー300
INTー100
AGIー250
SKILL
・肉体強化LV3
・盾術LV1
・火魔法LV1
ユニーク
・狂力LV1
TITLEー異世界人
殺人者
悲しむ者
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「へえ、カオル君は狂戦士だね」
「あ、あのTITLEにある、さ、殺人者っていうのはなんですか?」
数瞬の沈黙の後北村は口をひらいた
「俺は弟を殺しているんだ・・」
「ヒッ」
ハーフの子が小さな悲鳴をもらす
「ただの殺人鬼じゃない」
黒髪の子がそう言うが、北村はただ沈黙のするだけだった
「このことはきっと事情があるんだよ!」
富塚がそう言う。
(事情があるのは確かだろうが、それが仕方ないかどうかは別だろうがな)
龍弥がそう思っていると黒髪の子が面倒臭さに言った。
「このままじゃ話が進まないから私が言うわよ?」
「お願いするよ」
「私は『時江 亜希 』16歳で学生ではないわ」
「学生じゃないって?」
富塚が聞き時江が心底面倒臭さそうに
「働いてちゃいけないわけ?面倒臭さいわね、ステータスカードはこんな感じよ」
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NAMEー時江 亜希
JOBー賢人
LEVELー1
HPー300
MPー800
STRー100
INTー800
AGIー150
SKILL
・水魔法LV1
・光魔法LV1
・土魔法LV1
・杖術LV2
ユニーク
・派生率LV1
TITLEー異世界人
賢い者
飢えた天使
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「アキさんは賢人・・・魔法使いの上位版みたいなものかな?
INTも特に高いみたいだし」
「その様ね、次の自己紹介はどちらなのかしら」
「わ、私がいきます〜」
ハーフの子がそう言うとステータスカードを取り出した。
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NAMEー南波 凛
JOBー癒使者
LEVELー1
HPー250
MPー1000
STRー50
INTー500
AGIー50
SKILL
・光魔法LV1
・風魔法LV1
ユニーク
・癒しの手LV1
TITLEー異世界人
癒す者
天使の愛で子
妖精の親友
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「リンちゃんはみんなの怪我を治したりする職業だね」
「MPが私より高いわね」
「えへ、ありがとうございます〜」
「さぁ、最後は君だよ」
富塚が俺に言ってきた。
(さっそく、スキル隠蔽には役だってもらうかな)
そう思いながら龍弥はステータスカードをみんなに見せた。
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NAMEー真場龍弥
JOBー戦士
LEVELー1
HPー200
MPー50
STRー80
INTー20
AGIー100
SKILL
・肉体強化LV1
・忍び足LV1
・良運LV5
TITLEー異世界人
愛で子
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「し、真場君も戦士だね」
富塚は顔は可哀想な人を見る目をしているが目が完全に人を見下していた。
「なによあんた、男なのに私よりSTRが低いじゃない」
「だ、大丈夫ですよタツミさん、一緒に頑張りましょう」
「そうだな・・・」
落ち込んだふりをしているが、皆んなの反応を見る限り隠蔽はちゃんと働いているみたいだ。
忍び足は無音の劣化版、良運も天運の劣化、この様にスキル隠蔽はスキルを隠蔽するときはそのスキルの劣化版を見えるようにするか完全に見えなくするようだ。
(さっきから、富塚は何故人を見下したりしているのかがわからんが、まぁいい、出来れば国王たちも出し抜いてこの城から出たいものだ)
そこからは皆自分たちがとこの出身などこの先どうなるかを話していた。
「勇者様がた、国王様の準備が終わりました」
しばらく話しているとメイド服を着たメイドがトミツカ達を呼びに来た。
(さて、いくか)
龍弥は城をどうやって出るかを考えながら客室を後にした。