異世界召喚と女神ちゃん
side龍弥
目が覚めた、そこは何時も起きたら見える自分の部屋の天井ではなかった。
「知らない天井だ、と言いたいが天井が無い?」
こんな時、一度は言ってみたいと思っていたが言えなかった。
改めて周りを見回すと真っ黒な空間だった。
『目覚めたか』
しかし、何も見えない、見回したと言ったが周りが黒すぎて実際には何も見えない。
『ここが何処か知りたいか?』
そういえば、自分がさっきまで何をしてたか思い出せない。
『教えてやろうか?知りたいか?』
まぁ、夢だろうし寝ればベットの上だろう。
「ふぅ〜」
『おい!妾を無視するでない!聞こえれおるのじゃろう?』
さっきから、無機質で男とも女とも判断しずらい声を無視していたが正直鬱陶しい。
「うるさいなぁ!なんだよ、人が寝ようとしてるんだ!静かにしろよ!」
ここは、少し強気で言って舐められないようにしようとしたが・・・
『はぅ・・・・・・・うぐ・・・・うぐ・・・・うぇ〜〜ん、せっかく、あのおなごと、お前様の友を助けたとゆうのに〜、うるさいって〜、うわぁ〜ん』
完全に失敗だった。
「友?・・・ そうだ!俺は教室で、真奈は!真奈は何処だ!」
『ひくっ、ひくっ、ぼがのがびのどころにいだ〜』
「何言ってるかわかんねーよ」
『だっで、だっで〜』
「わかったよ、怒鳴ったりしてごめんな?教室での事を思い出して取り乱してた、すまない」
少しづつ話をそらしていくことに成功した龍弥だった。
『・・・・大丈夫なのじゃ、お前様のおなごと友は他の神のところにいるのだ』
「神?」
『そうなのだ、妾は女神ウェヌス、お前様は異世界のウールという世界のある国の勇者召喚で呼ばれたのだ、そのタイミングでピンチだったお前様のおなごと友も一緒に送ろうと思ったのだ』
「話しを聞く限りかなり助けられたようだな、ありがとう、それと出来れば姿を現してくれないか?」
そう、この真っ黒な空間では声は聞こえても何も見えないのだ。
『う〜、恥ずかしいのだ、いつもここからお前様を見ていたけど、いざ会うとなるとのぉ』
「いつも見ていた?」
『そうじゃ!妾わお前様のことならなんでも知っておるぞ?身長、体重、足のサイズ、ウェスト、ヒップ、首回りもな、生まれた時からみておる・の・じゃ、あ』
「ストーカーだな」
『ち、違うのじゃ、ストーカーなどでわない、妾は純粋にお前様のことを気に入っておるのじゃ!』
「なのに、姿も見せられないのか?」(うわぁ〜、ヤバイ、コイツはヤバイ、生まれた時から見てるって、しかも、首回りなんて俺でもしらねぇーよ)
『わ、わかったのじゃ、姿を見せるのじゃ。』
スーと真っ黒な空間から、黒髮で深い蒼の目を持ち、所謂ゴスロリ服といのを着ている、西洋人形のような女の子が出てきた、見た目は9歳位だろうか。
『な、なんなのじゃ!そんなにジロジロ見るでない、恥ずかしいではないか』
「あぁ、すまんな、まぁ、早速なんだが聞きたいことがある」
『なんじゃ?』
「さっき、いっていた異世界っていうのは?」
『なんの事情かは(お前様しか見ていなかったから)知らないが、異世界ウールのアルダビール王国というところで勇者召喚の儀式が行われてその勇者になったのが、お前様ということじゃ、ちなみに、あちらの世界には魔法やステータス、スキル、レベルなどがある』
「魔法?魔法ってゲームである手から火を出すとかのか?」
『まぁ、そんなところじゃ』
「その、ステータスとかは確認出来るのか?」
『頭の中でステータスと念じれば見れるはずじゃ』
「わかった」
(ステータス)
頭の中でそう念じると目の前に透明な画面が出てきた、不思議と視界の邪魔にならない。
内容は
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NAMEー真場龍弥
JOBー最悪神の使者
LEVELー1
HPー1200
MPー500
STRー400
INTー300
AGIー550
SKILL
・肉体強化LV2
・近接格闘LV4
・闇魔法LV1
・無音LV3
ユニーク
・暗殺者LV3
TITLEー女神に溺愛されし者
ストーカー付き
冷徹者
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「見えた、お前の言っていることが本当だって信じるよ」
『信じていなかったのか?!』
「あぁ、ストーカーだしな」
『ストーカーではないと言っているでわないか!』
「称号にストーカー付きってあったぞ?」
『妾でわない!』
「じゃあ、誰だよ、お前以外いないだろが」
『は、葉月とかいうおなごじゃ!あやつがストーカーなのじゃ!』
「真奈なわけないだろ?小さい頃から一緒に居るのになんで、ストーカーになるんだよ」
『知らないのじゃ!ともかく妾はストーカーなどてはない!』
「わかったわかった、で、まだ聞きたいことがあるんだが」
『ふんっ、なんじゃ!』
「ほら、あっちの世界の言語とかステータスの平均はどれくらいなんだ?あとは、異世界行くんだし王道みたいに、チート能力をくれるとか無いのか?」
『はぁ〜、順に説明すると、まず言語は勇者召喚の魔法陣に理解できるように設定されておる。
次に、あちらの世界のステータスの平均は各値が50に届いている位じゃ、例外として冒険者など魔物をよく狩る者たちは皆値が高い。
最後に、そのチートは、まぁ、達人級までのスキルを3つやろうこの中から選ぶのじゃ』
そう言うと頭の中にスキルの名前が書いてあるスキル一覧表見たいのが浮かんだ。
『ちなみに、魔法やジョブなどには段階がありはから順に
神級
世界級
王級
達人級
上級
中級
初級
そしてこれとは別にユニークスキルがある。
普通のスキルは威力や範囲、規模で級がきまるのじゃ
ユニークスキルは特殊で普通のスキルに当てはまらないものじゃ』
「わかった、選ぶのに制限時間はないよな?」
『まあの』
「ならじっくり見させてもらうぞ」
・ ・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・
・・・
・・
「よし、決まったぞ」
『やっとかの、して、何を選んだのじゃ?』
「気にするな」
『いやいや、それはおかしいじゃろ』
「はぁー、俺が選んだのは
・技術複製ー達人級
・天運ー達人級
・盗人の心得ー上級
だ」
『ふむ、お前様は勇者をやめる気かの?』
「いや、そんなつもりはない、ただ、あっちの世界の人間が信用できるか分からないからな」
『まあ良い、そろそろ、あちらの世界のお前様を引っ張る力が強くなってきた、行くのじゃ』
「そうなのか?わかった
それと真奈や裕司はあっちの世界では一緒に召喚されるのか?」
『そうなるの』
「わかった、ありがとうな」
『よいのじゃ、妾は堕落した女神になってからそれほど強い力が使えぬからあちらの世界では助けにはなれないからの』
「わかった、それより堕落した女神って?」
『まぁ、いろいろあるのじゃ、もう、あちらに送るぞ?』
「・・わかった、よろしく頼む」
『ではな』
「あぁ」
・
・
・
『行ってしまったのぉ・・・』
暗い世界に少女の声が虚しく響いた。
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