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異世界に来た黒の勇者  作者: アマ
19/36

マリア

sideマリア


ガチャンッ

「お、おとなしくしてろよ!」


奴隷商会で下働をしている男は恐怖を押し殺した様な顔でそう言い出て行きました。

「今回のご主人様もダメでしたか。」


マリア・ディアル・アンフェールの無表情のかおに少し諦念が浮かんだが直ぐに消えた。

(必ず私が仕えるに相応しい人がいるはずです。)


マリアは心の中でそう言うと静かに眠りに就いた。

翌日、男は怯えながらやって来た。


「おい!お客様だ。さ、さっさと出てこい!」

(そんなに怯えなくてもよいのですが。)

「わかりました。」

マリアはそう言うと部屋を出た。

通常奴隷というのは当然ながら部屋は与えられない、しかしマリアが4人目の主人を殺害した時騎士を呼んだが歯が立たず、その時から部屋が与えられていた。


マリアは客が居る部屋の前で自分の面接の順番を待っていた。

(今回のご主人様は男性でしょうか、女性でしょうか。)


マリアが扉の向こうに居る次の主人になるかもしれない者の事を考えていると自分の番が来た。

「考えていても仕方ありません。」


マリアは扉を開け部屋に入り考える。

(子供・・・いえ、少年ですか。人間の貴族の子供は皆傲慢なイメージしかありません。今回もハズレですか。)


するとマリアより先に少年が声をかけた。

「お前は?」

「はい。私はマリアと申します。」

「随分と礼儀正しいな」

「はい。メイドでしたので」

「そうか、失礼だがお前の首輪は犯罪奴隷を指しているんだが、理由を聞いていいか?」

「はい。私はこれまで私の主人をした人間全てを殺害しています。」

(驚きはありますが常人に比べかなり反応が薄いですね。)

「その理由も聞いていいか?」

「私の主人に相応しくないからです。」

「・・・そうか」


マリアは少年の考える素振りを見て少し驚いていた。

(主人殺している奴隷を買うか迷うんですか。気になりますね。)


マリアは少年に気付かれないようにステータスを覗いた。


ーーーーーーーーーーーーーーー


NAMEー真場龍弥

JOBー最悪神の使者

LEVELー1

HPー1200

MPー500

STRー400

INTー300

AGIー650


SKILL

・肉体強化LV2

・近接格闘LV4

・闇魔法LV1

・無音LV1



ユニーク

・暗殺者LV3

・盗人の心得LV5

・天運LV5

・error




TITLEー女神に溺愛されし者

ストーカー付き

冷徹者


ーーーーーーーーーーーーーーー


(これは驚きました。人間でこのステータス、なのにレベルはまだ1。しかも私でも見れないスキルがあります。それと最悪神の使者ですか。)


少年は暫くマリアを見ていた。

「よく分かった、話は終わりだ」

「・・・面接ありがとうございました。タツミ様」

「?!」

「でわ」

(ステータスを見られた気配がないのにばれた事に驚いてますね。)


マリアはさっさと部屋を出て行った。

(今回のご主人様はとても面白い人ですね。)


いつも通りの無表情に少し微笑みが浮かんでいた。

翌日。

マリアはお客様が来たと聞き、また客がいる部屋に来た。

(昨日の少年は買うことにしたのですね。)


マリアは扉をノックし開けた。

少年・・・龍弥はマリアを見ると1番に

「お前を買うことにした」

と言った。


「ありがとうございます、タツミ様」

「それより、お前には確かめたいことがある」

(私が常人じゃない事は分かっているならステータスでしょうか。ですが少しからかってみますか。)

「仕える身の者です。どんな事でもお聞きください。因みに私は処女です。」

「その事じゃない、お前のステータスの事だ。全て隠さずに見せろ」

(そこまで反応が薄いと自信をなくしますね。)

「畏まりました。ですが、この建物を出てからの方が良いと思います。」

「なぜ・・・分かった、そうしよう」

「ありがとうございます。」


マリアと龍弥は契約を済ますと直ぐに奴隷商会を出て裏通りに入った。

「じゃあ、お前のステータスを見せてもらう」

「畏まりました。・・・どうぞ。」


少年はマリアのステータスを見て刹那の間臨戦態勢に入ろうとしたが入る前に止めた。

「殺さないのですか?」

「殺せないし警戒しただけだ、お前は俺の奴隷だからな。それとEXスキルは持っていないのか?」


マリアのの心には自分の奴隷だからという理由で魔人族をそばに置くその言葉が心に残った。

通常人間は魔人族というだけで奴隷にもせず殺すことが多い。

その為にマリアは驚いた。

(この人は種族に関係無く生きているものを一つ一つ平等に見るのですね。こんなお方に御仕えしたいてす。いえ、出来ているのですか。しかもEXスキル存在まで知っているのですか。)


マリアは表情には出さないが自分が嬉しいと感じていることに気付いた。

少年がマリアに初めての仕事を任せるとマリアは全力で応えようと心に決めていたのだった。





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