冒険者ギルド
said詐欺師
へっへっへ
まさか昨日のガキが辺境とはいえ貴族だったとはな、だいぶ懐が潤ったぜ。
今日も軽く騙して遊ぶための金でも稼ぐか。
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・
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ん?見た事のねぇ格好した奴だな、どうせ田舎から来たような奴だろ。
強い武器を安く売るといえば田舎もんは皆んな付いてくるからな、へっへっへ。
said龍弥
龍弥は詐欺師の店に着いた途端首に手刀を決めて意識を奪った。
男は龍弥に何をされたかも分からずに地面に倒れた。
男の店は裏路地にあったため人目を気にせず店内を物色することができた。
大金硬貨×2
小金硬貨×5
大銅硬貨×15
がこの店にある全財産だった。
この世界のお金の価値は
大金剛硬貨ー10億k
小金剛硬貨ー1億k
大白金硬貨ー1000万k
小白金硬貨ー100万k
大金硬貨ー100,000k
小金硬貨ー10,000k
大銀硬貨ー1,000k
小銀硬貨ー100k
大銅硬貨ー10k
小銅硬貨ー1k
単位はkだ。
つまり龍弥の所持金は250,150k
である。
(まぁまぁだな、店内の商品は怪しいものばかりだし置いていくか。次は服屋にでも行って目立たない服の調達だな)
龍弥はさっさと詐欺師の店を出て行くと服屋に向かった。
服屋に着いた龍弥は店内を見回った後、夜に目立たない黒を基調としたコート、黒い布のズボン、下着、黒い革のブーツ、黒い手袋を買った。
金額は全部で35.000kだった。
(思ったより高かったな)
龍弥店を出ると歩きながら次の予定を考え始める。
(次は・・・やっぱり異世界で金を稼ぐといえばゲームや本で見る冒険者ギルドか?)
そんな事を考えながら歩いていると、前方からゴツゴツした鉄製の鎧を身につけた二人組が見えた。
「へへっ、まさか森の入り口にブラッドタイガーがいるとは思わなかったぜ!」
「殆ど死にかけだったけどな」
「何であんなとこに居たんだろうな?」
「森の奥でもっと強い魔物にやられて逃げてきたんだろうな」
「まあいいじゃねぇか!さっさと剥ぎ取ったもんをギルドで売っちまおうぜ?」
「それもそうだな」
(丁度よく、冒険者らしき奴らを見つけたな、着いてくか)
龍弥は冒険者達が横をすれ違うと後を追っていった。
10分程するとこの街の中心から少しずれたところに大きな3階建の建物が見えてきた。
(木造建築で看板は盾に剣と槍を交えてるって、想像してた通りの建物だな)
龍弥は冒険者達が建物に入っていくのを確認し、暫くして自分も入ろうとした。しかし、中から気配がして右に避けた。
「グハァ!」
勢い良く扉が開き、中から龍弥とあまり歳が離れてないだろう少年が飛んできた。
少しすると中からまた男が出てきた。
「もう、くたばったちまったのか?さっさと教育料出せばいいのによ〜」
その男は2mはありそうな身長でゴツゴツした鎧を着た大男だった。
「く、くそ!小金硬貨3枚も払えるか!しかも俺はお前なんかに教育なんて頼んでない!」
「あ?お前?俺様はダギン様ってんだよ!テメェはどうせ田舎から来た新人だろ?んなのは先輩の言うこと聞いてればいいんだよ!」
そう言うとダギンは少年の腹を蹴飛ばした。
「グフッ!」
「ここまで教育してやったんだからこれは貰っていくぜ?」
ダギンは少年の懐から金の入っているだろう袋を取り出した。
「ちっ、しけてんなぁ!たった小金硬貨5枚かよ」
龍弥は面倒ごとに巻き込まれるのを避けるようにギルドの中に入ろうとした。
しかし
「おいぃ!そこのテメェも田舎もんだろ?教育料おいてきな」
「俺はお前に教わることなんてない」
「あぁ?俺様はダギン様だ!さっさと金を出せってんだよ!」
龍弥はダギンを無視しギルドに入ろうとすると後ろから気配がした。
ダギンは後ろから龍弥に殴りかかると龍弥はその力を利用して腕を掴むと背負い投げをした。
龍弥は少し角度をズラしてダギンの顔が床に刺さるようにした。
ゴキィ
ダギンの首からそんな音がした。
(死なないようにしたが一生冒険は出来ないだろうな)
龍弥を見ていた他の冒険者たちは皆恐怖の色を顔に出していた。
龍弥はダギンの懐から袋を取ると少年に投げた。
「え?あ、ありがとう!」
「気にするな」
何事も無かったようにギルドに入っていく龍弥を見て少年は憧れの眼差しを向けていた。
ギルドの中は広く、入って左側が酒場、右側が受付のカウンターとなっていて正面にギルドの依頼らしき貼り紙がある。
龍弥が入っていくと他の冒険者たちは皆恐怖を浮かべていた。
龍弥は気にすることなくカウンターに向かう。
「よ、ようこそ冒険者ギルドへ本日は初めてのご利用ですか?」
「あぁそうだ」
「畏まりました、では新規登録の際の冒険者の説明をさせていただきます」
「頼んだ」
「冒険者ギルドでは登録された冒険者の死亡や怪我に一切責任を持ちません。また依頼には無駄な死亡者や怪我人の対策として依頼にランクを付けその冒険者のランク+1までの依頼しか受理出来ません。
ランクは次の通りです
SSS
SS
S
AA
A
B
C
D
E
F
最初はどの冒険者もFランクから始まり依頼を達成し足される貢献ポイントが一定以上溜まった場合にランクアップの試験を行ってもらいます。試験があるのはCランクになるための試験からなのでDランクまでは自動的にランクアップします、ここまでで質問はございますか?」
「いや、無い」
「それでは冒険者カードを発行しますのでこの紙にご記入ください。なおクラン名はご記入出来ませんので。」
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名前ー
種族ー
属性ー
クラン名ー
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龍弥は書き終えると受付に渡した。
「タツミ・シンバ・・・き貴族様でしたか?!」
「いや違う、俺の故郷は皆名字があるんだ、それとシンバが先に来る」
「そ、そうなのね?」
「あんた口調が変わってるぞ」
「す、すいません!それと私はメリーと申します」
「あぁ、宜しく」
「それでは冒険者カードを発行して来ますので暫くお待ちください!」
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「お待たせしました」
龍弥は青い金属製のカードを受け取る。
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タツミ・シンバ
ランクーF
クラン名ー無し
所持金ー0
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「このカードは魔力を登録させるとお金を入れておけたり念じると手元に来ます、紛失し再発行の場合は料金が発生しますので」
「わかった、早速だが依頼を頼む」
龍弥は発行の時間に薬草採取と解毒草採取の依頼を取ってきた。
「畏まりました」
龍弥は依頼を受けるとギルドを出ようとして声をかけられた。
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