表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

元社畜の日常

生徒会?なんだそれ社畜なめんな!ショボい嫌がらせ編

俺が生徒会を一人でやりくりしだしてはや5ヶ月






俺のイライラは限界にたっそうとしていた

勿論生徒会の仕事を一人ですることにたいしてではない





肌寒くなり木からは葉が抜け落ち何とも殺風景になってきた11月、元社畜の彼は誰もいない生徒会室でブツブツと文句を一人で呟きながら押し付けられた仕事をこなしていた


「……あいつら…俺に…仕事を押し付けて…デートだと…!」


そう、生徒会及びヒロインの逆ハーレム(最近知った言葉だ)

達は一人に仕事を押し付けて集団デートだ


ふざけやがって…!百歩譲って俺に仕事を押し付けるのはいい!…だかな!!その理由がデートだと!?俺が前全然モテねぇのしってんだろうがぁぁあ!!もっとオブラートに包んで話せやぁぁぁぁ!!



彼は内心荒れまくっていた、そう彼はモテないのだ



顔は流石に乙ゲーの攻略対象なので整っている、しかし彼はモテない


彼は本が大好きだ、本が…大好きだ。大切ではないが二度言った、前世での社畜経験の反動でほとんど時間をかけられなかった趣味の読書に全力で時間を費やした、それこそ授業の間の休憩時間でさえ、高校に入学して二年半はたつと言うのにクラスメートと話すのは業務的な会話だけ、彼は本を読むと回りが見えなくなるし聞こえなくなる、顔がいいだけあって本を読んでいる彼には近づきがたい雰囲気が纏う、それでも話かける猛者はいた、しかし彼は本を読むと回りが見えなるつまりガン無視だ、その結果彼についたあだ名は能面読書男

彼は本を読むと無表情になるらしい、本人は気付いていないが


さらにヒロインは生徒会室に自分と生徒会メンバー以外が入るのを極端に嫌がった、乙ゲー補正でイケメンしかいない生徒会に不純物を混ぜたくないのか、独り占めしたいのか、生徒会室には男も女も入れないのだ


いくら能面読書男でも顔は整っているしかもヒロインの毒牙にかかっていない、生徒会に侵入するのは無理でも読書中に話かけることはできるだろう、と本を読んでいる彼に何度も話かける女もいた、しかし彼には見えないし聞こえない


無視されたと思った女は傷ついたと思いきやヒロインの逆ハーレムのうちひとりにメロメロである、そんなもんだ



結果、彼は高校に入学して二年半はたつのに友人は一人もいない、つまりボッチであった


モテないのは自分が原因とは全く知らない彼は今日もデートと聞いてひたすらイライラしていた


そして書類の処理をしていたその時彼は天恵を得た


一枚のプリントによって


「これは………!」


彼は素晴らしい作戦を思い付いた


日頃のストレスがスッキリ回復するほどの



━━━━━━━━━━━━━



「会長、この書類にサインお願いします」


重ねてある20枚ほどのプリントを生徒会長に手渡そうとする


「……なんだ、いつもいっているじゃないか俺は忙しいんだお前がやれ」


いつも通り俺が頼んでも会長はたいしてなにもしていないのに仕事を押し付けてくる


しかし今回はいいのだニヤリと意味ありげな笑みを俺は浮かべながら返事をする


「ふ………わかりました」


そんないつもと違う俺の反応にピクリと会長は訝しげに俺を見てくるが俺はさっさと書類にサインをするため自分の机に戻る


(ククク…成功だ…!)


書類にサインを書き込みながら俺はほくそ笑む


そう、この書類のなかに潜む一枚のプリントこそこの腐れビッチの逆ハーレム達を出し抜くための切り札だ


(クククッ…精々今のうちにイチャイチャしておくんだな)




プリントにはこうかいてある






━━町内清掃ボランティア~皆の町を綺麗にしよう!






━━━━━━




「はいはーい今日は皆さん集まってくれてありがとーございまーす、それでは清掃を始めたいと思いまーす」


地域のおっちゃんの脱力感満載の掛け声で毎年恒例の2年生による町内清掃のボランティアが始まる


今日はあまり日も照っていないボランティア日和だ


しかし集まっているのは2年生数十人、そう自由参加なのだ、昔は2年生全員参加だったのだが余りの欠席者の数により自由参加になった何とも残念なイベントがこの町内清掃ボランティアだ


勿論生徒会の姿は俺以外ない


しかしそれは俺がすべて仕組んだことだったのだ!!


ふははははははは!!


え?そんなことしなくてもあのハーレム軍団がこんなめんどくさそうなイベントに来ないって?


ふふふ甘いな今日は実は乙女ゲームで言うイベントの日だ、なぜそんなことを知っているかと言うと俺は見てしまった…あの腐れビッチがこんなことをノートに書き綴っていることをな!


11月イベント…町内清掃ボランティア、ショッピングモール


とな!奴はゲームで起きるであろうイベントをノートに記録していたのだ!ん?なぜそんなことを知っているかだって?そりゃもちろんなにか弱味がないかとピッキング…………げふんげふん…まぁその、なんだあれだあれ、気にするな指紋には気を付けたし証拠はない


ふふふ…だが俺はこのおかげでイベントをこれからいい感じに妨害してやる!


まぁ生徒会はそのまんまだけど…


え?ショボい?……しょーがねーじゃん!生徒会が潰れたら親父にバレて結局俺まであぼーんじゃん!


そしたらまた転落人生じゃん!!俺はこれからそこそこ楽してそこそこの人生を送りたいの!!会社は兄貴が継ぐし!


と、ここまで3秒、さてハーレム軍団にはこのイベントについては妨害工作をしまくって伝わってないし、これが俺の嫌がらせの記念べき第一歩だ!!ふははは精々ボランティアが終わったことにあとから気づいて悔しがるんだな!!



魅鳥みどり君、頑張ろーね」


「うぇ!?…あっ、あぁがんばろう」


どわぁー!!はずかしぃぃ!!ずっとボッチだったから対人スキルが!!


変な声を出しつつしかもどもるという失態を犯してしまった俺は顔を赤くしつつ声のした方向をみた


うん、美人だ流石ゲーム、恐らくモブだがそれでも美人だ


眼鏡をかけているが知的でクールなイメージではなく、なんというか小動物的な可愛らしい女の子だった


その子はキョトンとしていたが直ぐにもとに戻り「うん」と笑顔でかわいらしい返事をしてしゃがんで草刈りをし始めた


くぅ~この笑顔であと一年は働ける…!あぁ…彼女欲しいなと思いつつ俺も草刈りを始めた



そして、二人とも(ここ重要)顔を赤くしつつ草刈りをするのであった






そして初めて主人公の名前判明…まんまでした


魅鳥くんに春が…?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ