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対面と嚆矢

戦闘パートの始まりです

 俺の隣にはアベルがいる。俺もアベルも緊張でガチガチだ。コーヒーを持つ手は少し震えている。

 この部隊に先輩というものはいないのだ。全員新兵である。このような状況で戦って勝てるのかどうかはわからない。俺は気を紛らわそうと、近くにいるやつに話しかけた。

「俺は熱井励路だ。お前は?」

「俺はカルロス・ガルシア。メキシコ人だ。よろしくな。お前は日本人か?」

「そうだ。で、少し気になったんだが……もう襲撃から数か月たってるが、最も早く襲撃されたロサンゼルスなんかにいるのか? その……生存者が?」

「いないかもな。だが、数人のグループなら生きているかもしれない。食料はいくらでもあるんだからな」

「まあ確かにそうだが、そんな小さな希望のために大部隊を派遣するのか? 生存者がすごい人材なのならまた違ってくるが」

「わからんが、多分生存者の捜索と救出なんて言うのは建前で、しょせんはこの技術が実戦で使えるのかっていうのと、ロボットの特徴を掴むことが真の目的だろう」

「なるほどな」

「もうすぐ到着か」

 頭の中に声が響いた。

『こちら司令部だ。これから作戦行動を開始する。まず遠隔操作でこのトランスポーターをあのビルの屋上に着陸させる。そこを拠点にしろ。このトランスポーターは何があっても守れ。いいな』

「了解」

 俺たちは口をそろえて言った。

『5つの小隊のうちアルファ、ブラボー、チャーリーはこのトランスポーターの護衛だ。デルタとエコーは生存者の捜索と救出にあたれ。その他のことはその都度連絡する。また何かあれば連絡してくれ。以上』

 俺たちは立ち上がり、装備をすぐに整える。トランスポーターが着陸すると、俺たちはトランスポーターの外に急いで出た。そして俺たちブラボー小隊は、アルファやチャーリーと分担してトランスポーターの周りを囲んだ。アルファ、ブラボー、チャーリーの3つの小隊のうち成績の良かった計5人が、トランスポーター内で指示と情報伝達を行なう。

 隣に立っているのはロベルト・メンデス、ブラジル人だ。彼はピッチングマシーンである。

「ロベルト、お前の本領が発揮されるな」

「ああ、こういう仕事のほうが向いてるだろう。逆にお前は近接のほうが向いてるんじゃないか?」

「そうだな、間違いなくそうだ。まあお前は頑張ってくれ」

『デルタ小隊より連絡します! ロボットの集団が接近中です! 現在応戦中ですが一時撤退します! トランスポーターへと避難してもよろしいでしょうか!』

『了解。許可する』

 司令部とのやり取りの中で、事態が緊迫していることを実感した。今の声はカルロス・ガルシアだった。

「ロベルト、あそこにロボットどもがいるぞ」

「OK、俺の出番だな。石をくれ」

「がれきが大量にある。これを使ってくれ」

「了解」

 俺は石を投げあげる。ロベルトはそれをキャッチし、凄まじいスピードで投げる。曲線を描いた石は綺麗にロボットの首を貫いた。

「その調子だロベルト! よし、全力でサポートする」

 こうやって人に任せ、俺はできるだけ戦わないようにした。

 何せ使い物にならない能力だから……。

次回はテンポよくいきます

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