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平和と安全

説明回っぽいです。

 レトネックに着くと、俺は東の島エリフノに送られ、そこのD地区に建っている建物に連れてこられた。特に必要なものも思い入れのあるものも家にないし、俺は常にバックパックを背負っていて、大切なものは全てそこに入っているから、特に問題はない。生活必需品は支給されるとのことだった。

 清潔で快適そうである。もちろんここに1人で住むわけはなく、ルームメイトが来るのだが、まだ来ないらしいので、少し部屋でくつろぐことにした。俺はベッドに腰掛け、テレビをつけた。

 まだニュースをやっている。

 正直もううんざりだ。ここは常にこういった事態に備え警備体制が敷かれていて、何年か前に作られたシールド技術によって守られている。国に関しては、広大な土地を持っているということから全てにシールドはつけられず、小さな国だけつけるとそれはそれで不公平だ。さらに、戦争が長引いたりするというデメリットもあるため、大量破壊兵器と同じく、国際条約でシールド兵器は使用できないことになっている。だが、ここは別だ。

 とはいえ、考えてみればここが襲撃されないのはおかしい。最先端技術を持っているというのに、なぜロボットはここを襲わない? さっき先進国ばかり狙われてないかと言ったが、つじつまがあわないんじゃないか?

 そんなことを考えて俺は時間を潰した。


 ルームメイトがやってきた。アメリカ出身のジャレッド・フェザーと、ドイツ出身のアベル・クリーガーだった。

「俺はジャレッド・フェザー、アメリカ出身だ」

「俺はアベル・クリーガー、ドイツ出身」

「俺は熱井励路、日本人だ」

 俺たちは簡単な自己紹介をした後、各々ベッドに座り込んで寝たり、本を読んだりし始めた。不思議と皆落ち着いている。

 俺の家族は、他界している人か、ロシアにいる人で構成される。さっき身内の安否確認を、トランスポーター内でしたが、問題はなかった。

 アナウンスがなり響いた。

『午後6時から集会を行います。場所はレトネックC地区にあるホールです』

 現在時刻午後2時であり、昼食もとっていなかったので、昼食をとることにした。なぜこんなに皆落ち着けるのかわからない。自分も落ち着いている。トランスポーターの中では、泣き叫ぶ人たちもいたが、少なくともこの部屋にいる3人は落ち着いている。俺は話してみることにした。

「何でそんなに落ち着いてるんだ?」

 ジャレッドとアベルが同時に顔をあげた。

「なぜって、騒いでも仕方ないだろ」

 ジャレッドが答えた。

「なぜ落ち着けるんだ?」

「俺は昔旅行先で紛争に巻き込まれてな。何とか助かったが、それ以来取り乱すことはなくなったんだ」

 ジャレッドは至って普通な感じで答えた。

「ご家族は?」

「全員無事だった。オーストラリアに行ったらしい」

「なるほど。アベルは?」

「俺は昔危ないやつらの事件に巻き込まれてね。危ないやつらと渡り合ったんだ。まあ逃げたけど、あの時の命が奪われるって感覚を思い出すと、今でも寒気がする。こんな襲撃、正直俺にはどうってことないよ」

「家族は?」

「無事かどうか以前に一緒にトランスポーターに乗ってきたんだ。あいつらはレスガルにいるけどね」

 レスガルとは、ラストロフ島の1つの島である。

 正直、日本人としては、5つの島が集まっているのだから、ラストロフ島という名前よりはラストロフ諸島とかのほうがいいと思うが、人工島なのでそういうことは気にしてはいけないらしい。

「そうか。皆余裕だな」

「ああ。あんたは?」

「俺はもう失うものは何もないなって感じさ」

「日本人って皆そうなのか?」

「さあな」

 俺はベッドに寝転がった。お湯を沸かしている。

「午後6時から何の話だろうな?」

「さあ、今後の方針とかじゃないのか」

 そうして俺たちは他愛もない話を繰り返し、午後6時までの時間を過ごした。

次回からは怒涛の展開

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