襲撃と蹂躙
思いつきです。何かいろいろなものから発想のアイディアをもらいました。
BREAKING NEWSの12文字(スペース入れたら13文字だが)が、テレビに躍り出るのを俺は見た。テレビで、アメリカでやってるニュースとかってんで流れている。
これは映画か、と思わざるを得ない。
過去にもたくさん、ロボットが襲撃するような話はあった。むしろそれは、宇宙人の襲来や、超能力バトル並みに使い古されたネタである。こんな映画まだあるのか、しかし予告編は凝っているなと思いつつ、俺は炭酸飲料を口に含む。
とはいえ、映画の予告なら日本のコメンテーターもここまであわててはいないだろう。実はこのニュース、3日前に放送されたものだそうだ。今アメリカは、危険な状態にあるらしい。
『これはゆゆしき事態です。恐らく、どこかの国がアメリカにロボットの兵器を送りつけたのでしょう』
実際、22世紀の現代では、ロボット兵器はほぼ主流である。人間同士の戦いはやめ、とうとうロボットとロボットが争い、人間は画面越しに傍観する、ビデオゲームになってしまった。どうせなら戦争なんて無意味なことやめてしまえよとも思うが、人間の歴史に争いは付きものなのかもしれない。
『アメリカは深刻な打撃をうけている。しかし、どの国もこのロボット兵器について関与しておらず、知らないの一点張りだ。合衆国は現在、総力をあげて応戦、調査中だが、何も成果は得られていない』
ふーんと思いつつも、俺には関係のない話だと時計に目を向ける。
8時45分。
やべえ、今日はバイトがあるんだった。
俺は熱井励路。25歳のフリーターだ。
自己紹介はこれだけである。強いて言うなら、何も特徴がないってことが特徴だろうか。
「失礼しました!」
俺は今コンビニでバイトをしている。店長に簡単な謝罪をして、制服に着替えてレジに立つ。店長はまだぶつぶついっている。
手慣れたものである。差し出される商品のバーコードを通して、料金を計算して、金を払ってもらう。昔あったらしい、お釣りというものはない。なぜなら、今は通貨は電子マネーに統一されているからだ。現金なんてかさばるものは使わず、給与もお小遣いも何もかも全て、電子マネーである。これがいいことなのかはわからない。現金には現金の良さがあるのだから。
12年前に行われた、電子貨幣統一の時、現在の現金は全て電子マネーに変えられた。それまでに持っていた札や小銭は回収され、デジタルバンクにチャージされる。思い出のためにとっておく人は結構いたけれど。
そんなことを考えながら仕事をしていた時だ。
コンビニの後ろの壁にかけられたテレビに『臨時ニュース』の文字が出るのを、俺は見た。
ものすごい轟音と共に、コンビニの横にとめられていた車が吹っ飛んだ。
「!?」
人々は驚愕を抑えきれず、一斉に外へ飛び出した。その時に多分、ただでパンを持ってったやつがいると思う。
しかしそんなことはどうでもよかった。
そこには、多分合衆国を壊滅状態に追い込もうとしているあれがいた。
ロボットだ。
これから続けられるか不安です。