表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おれ2児の父親、金髪少女になる  作者: 東山スバル
第一幕 第二の思春期の始まり

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/9

006 入学への手続き

「体格差がありすぎて困るな」

「しゃーないだろ。おれは193センチで、オマエは150センチくらいだし」


 ウィットは苦笑いを浮かべる。少し前まで、ポールモールのほうがやや高いくらいの身長関係だったが、今となれば40センチ以上離れている。これでは、親子と勘違いされても致し方ない。


「さて、〝平和島〟に戻ろうか」

「あぁ」


 アンゲルス連邦共和国は島国だ。その本島は平和島と呼ばれる。今ふたりがいるのは、その平和島から数十キロ離れた無人島である。その距離をワープできるのだから、ポールモールはやはり優れた魔術師だと感じる。


 *


「父さんのおかえりだ、子どもたちよ」


 しーん……と静まり返る豪邸。やれやれ、とウィットは溜め息をつく。いくら父が美少女になったとはいえ、まだまだ家族関係が直ったとは言い難い。


「さて、MIH学園の入学方法でも調べるか」


 スマホで、『MIH学園 後期入学』と検索する。膨大な検索結果が出てくるも、一番上にあるMIH学園公式ホームページを見てみることにした。


「どれどれ……、一般試験と魔力試験? 魔力試験のほうが良さそうだな」


 どうも、魔力の濃さや多さで入学できるか否かが決まるようだ。一般教養はさっぱりなので、こちらのほうが良いだろう。ホームページから応募できるようなので、ウィットはあっさりフォームを入力しようとする。


 しかし、ウィット・ヴァイパーという名前をそのまま使うのは変だ。この名前は裏社会で知れ渡っているし、そもそも男性名でもある。ウィットは少し考え込み、そしてある結論に至る。


「妻の名前を借りるか」


 ウィットは名前欄に、『メイベル・ヴァイパー』と入力する。あとは生まれた年代と性別などを入力せねばならない。今は2025年。本来の生まれ年の1980年と入力するわけにもいかないので、15歳の子どもということにして、2015年にしておく。

 性別は、ある意味当然だが女子。ジェンダーレスが流行る時代だというから、その欄があると思っていたものの、その申請は学園に直接しなくてはならないようだ。


「これだけか。いや、後見人か親が必要だな」


 親か後見人。学校なので当然ではある。ここは正直に〝ウィット・ヴァイパー〟と記しておく。子どもたちの入学の際にもそう書いた……いや、そのときは妻の名前を使ったか? まぁともかく、これで問題ないだろう。


「父さん」


 そうしてフォームにすべて書き終えると、タイミング良くルカスが現れた。


「どうした?」

「父さんと話すのに理由が必要? それじゃ寂しいね」

「あぁ、悪かった」

「MIHへの入学届け、もう出したの?」

「そうだな。今しがた、提出した。あとは魔力試験? を受けるだけだ」

「父さんなら、まず落ちないだろうね。でさ、姉ちゃんと話し合ったんだけどさ」

「なんだ?」

「父さん、学生服買ったほうが良いよ。姉ちゃんのヤツは一着しかないし」

「それもそうか。なら、家族水入らずで買い物でも行くか?」

「そうだね。ウィング・デパートへ行こう。あそこなら、MIHの学生服が売ってるからさ」

「分かった。けど、運転はできんぞ」

「分かってるよ。タクシーで行けば良いでしょ。どうせ父さん、カネ持ってるんだし。悪いことで稼いだお金を」

「……まぁな」


 どこか少し、ルカスもウィットのカネが汚れていることを嫌っている節がある。本当は、多少貧乏でも良いから、父に真っ当な仕事をしていてほしかったのかもしれない。友だちに語れるような、普通の仕事を。


「パパ、行くよ」


 先ほどゲームで暴言を吐き散らしていたアルスは、もうすでに着替えて降りてきていた。変わり身の早さは、ある意味すごいものがある。


「あぁ、行こうか」


 こうして、ヴァイパー家は総出でウィング・デパートという富裕層向けの百貨店へと向かうのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ