表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/33

最恐IF 愛の残骸

世界は静かだった。

何も起きていないように。

主人公が目を覚ます。

薄暗い部屋。

窓は塞がれている。

扉は外から施錠。

でも。

本当に怖いのはそこじゃない。

部屋の中に、四人いる。

全員。

先輩は壁にもたれて座っている。

虚ろな目で笑い続けている。

「ねえ、今日も好き?」

誰も答えないのに、ずっと聞いている。

後輩は床に座り、主人公の袖を握り続けている。

力が強すぎて離れない。

「離したら消えるから」

ぶつぶつ呟いている。

幼馴染は扉の前に立っている。

鍵を何重にも確認し続けている。

「安全、安全、安全」

同じ言葉を繰り返す。

最初の少女は、主人公の隣。

肩に頭を預けて眠っている。

幸せそうに。

まるで何も起きていないように。

主人公は気づく。

誰ももう“奪い合っていない”。

奪う相手がいないから。

全員、同じ場所に閉じ込めたから。

ここは監禁部屋じゃない。

病室でもない。

壊れた愛情を保管する場所。

先輩が笑いながら言う。

「みんな一緒なら平気だよね」

後輩が頷く。

「誰も消えないもん」

幼馴染が振り向く。

「完璧」

少女が目を開ける。

「ずっとこうしてたかった」

四人の声が重なる。

「ね?」

主人公は何も言えない。

言葉を失ったんじゃない。

必要がなくなった。

時間の感覚がない。

昼も夜もない。

季節もない。

ただ。

永遠に続く同じ一日。

やがて主人公も笑い始める。

理由は分からない。

でも止まらない。

壊れたのはヒロイン達だけじゃなかった。

この部屋の中では、


狂気が正常。

愛が拘束。

孤独が罪。


そして。

誰もそれを疑わない。


IF END 全員破損


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ