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第28話.あなたが最初だった
人の連携が崩れた瞬間。
ほんのわずかな隙。
少女の腕が動いた。
速すぎて見えなかった。
次の瞬間。
先輩の体が、ぐらりと揺れる。
「あ……」
力が抜ける。
膝が折れる。
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主人公の視界がスローモーションになる。
倒れていく先輩。
伸ばされた手。
何かを掴もうとしている。
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「やっと……」
先輩が微笑む。
苦しそうなのに。
なぜか、幸せそうに。
「ちゃんと……見てくれた」
主人公の方を見ていた。
ずっと。
最後まで。
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床に崩れ落ちる。
動かない。
今度こそ。
本当に。
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後輩の叫びが響く。
「先輩!!!!」
幼馴染の目から光が消える。
感情が、底に落ちた。
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少女は静かに言う。
「寝ただけだよ」
まるで悪気がない。
「邪魔だったから」
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その言葉で。
二人の中の何かが、完全に壊れた。
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後輩が笑い出す。
涙を流しながら。
「そっか」
「壊していいんだ」
ナイフを握り直す。
手が震えていない。
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幼馴染の声は、もう人間のものじゃなかった。
「排除対象、更新」
完全な殺意。
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主人公は動けない。
何も言えない。
ただ理解してしまう。
自分のせいで。
また一人壊れた。
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少女は主人公に寄り添う。
優しく。
本当に優しく。
「大丈夫」
「これで邪魔する人が減ったよ」
微笑む。
純粋に安心した顔で。
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部屋の中に残ったのは。
止まらない狂気。
取り返しのつかない現実。
そして——
もう戻れない物語。




