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第九話 出発と出逢い

新キャラ登場。

「では、出発します!」


「ええ。」

「お気をつけて!」


『ありがとうございます。』


「行ってくるよ!」


こうして、

僕たちは、非力の家を出る。


僕はひさしぶりに元の世界での実家の家族や、

「リトルタウン」のみんなのことを思い出した。


それはさておき、今日も僕たちは歩む。


そうして街に出たときに、空に何かが見えた。


『ん?』


どさっ


「イすたデイ。」


ざわざわ………


「なんか、あそこらへん騒がしくないか?」


「ホントだ。なんだろうね?」


「というか、なんか音しませんでした?」


フッ………


「あれ?いま人が消えた?」


「ふはははは。

翼くん、人は消えないぞ。

おそらく幻影でも見たのではないか?」


「でも……」


フッ………シュン…


「あの人が触れたものは全部消えてるよ!!」


「こわっ!?」


「来るな!来るなああああ!!」


「たイださクてけス。

レかダ!!」


「不気味だな。

迂回しよう、翼くん!」


「でも大地くん、困ってるよ。

あの人。」


「なぜわかる?勇者よ。」


「雰囲気かな?

むこうの外国人のそれに近くて………」


「あっ!勇者さまだ!!」


「元魔王もいるぞ!!

本物だ!助かった!!!」


僕たちは謎の女の人に近づく。


「動くな。

僕の剣が、首を吹き飛ばすぞ。」カチャッ……


「ンすかデのごナうソき?けん?

ぼくのけんがくびおふきとばすぞ………」


「なんだ!?

翼くんと同じことを復唱してるぞ!!」


「なんだ。

つばさくんとおなじことおふくしょうしてるぞ……」


「今度はわれのだ!

こわい!!冒険者よりこわい!!

助けてくれブエル!」


「ちょっと、押さないでください!

私もビビってますので!」


「こんどわわれのだこわいぼうけんしゃよりこわい。

たすけてくれぶえるちょっとおさないでください。

わたしもびびってますので…………」


「みなさん!!

ここは避難してください!

この女性は、最悪倒しますので!!」


「ありがとう!!」

「逃げろ!!」


タッタッタッタ………


し────ん


「さぁ、

怪しい動きをしてみろ!

心配するな。動かなければ何もしない。

消えた人をどこへやった!?」


「みなさんここわひなんしてください。

このじょせいわさいやくたおしますので。

さいやく?さいあく………

ありがとう。にげろ。

さぁ、怪しい動きをしてみろ!

心配するな。動かなければ何もしない。

消えた人をどこへやった!?」


「まさか、学習しているのか……?」


「じゃあ、この者は「堕天使」か?

だが、まるでこの世の言葉に聞こえなかったぞ?」


「まさか、学習しているのか?

じゃあこの者は堕天使か?

だがまるでこの世の言葉………チんに。

ガ……くしゅう?がくしゅう。

学習しました。」


「いま、学習したと言ったぞ!

あんたは一体、何者だ!?」


「あんた……タあな。

学習……まブナ。

一体……いたッイ。

何者………レかダ。

なドホる。

こわコちュうきかデス?」


「こ、わ、こ、ここは?

ち、小さい「ゆ」、う、き……ちきゅう。地球!?

か、デス……ですか!ですかか!!」


「おおっ!

翼くんの「言葉バラバラ遊びごっこ」を思い出すなあ!

おそらくだが、言葉をアナグラムしているようだ!!!」


「だけど、ホントにアナグラムで話すとは……

趣味が悪すぎる!」


「チキュウってなんだ?

あの、元魔王さま。チキュウとはなんですか?」


「地球とは、「神の子」の世界で星といった惑星の中の……

あぁ!説明が面倒だ!!

とりあえず、青い星と覚えておけ!!

夜に見える星!!それの中のひとつだ!!」


「星か。

あの夜の!!

それに住んでるだと……?面白い冗談だな。」


「信じるかどうかはどうでもいい。

この人は「宇宙人」の「神の子」だ。」


「ウチュウ?」


「この世の中のさらに拡大した世界の呼称だ。」


「へぇー。

ぼくは知りませんでした。」


「おれもです。」


「…………………」


「だんまりか。

われも黙ろうかな。」


「レあ!?

トヒノキツ!?トヒノキツかデス!?」


「なんだ?

デーモンに反応してる……!

あっ!触れるな!!大地くん!!!」


「心配するな。

われは予知できるからな。」ひょい


「レあ?

いレナわさ!!おイシろも!!

おイシろもおイシろも!!」


ひょいひょい……


「……って、遊ぶな!!」どんっ


「イすたデイ。」


「あっ、すまない。」


「デーモンさま。

甲冑脱いでください。」


「ええっ!?

われのハンサム顔をここで晒すのか?」


「いいから!

ブエルさんの言うとおりにするんだ!大地くん!!」


「わかった。」ガシャッ


「………イケメンだね。」


「ふっ、そうでもないさ。」


「チたっガ……

こわコちュうきかデス?」


「いや、

ここは地球ではない。

………多分な。」


「そかデスう……」


「文法が気になるところだが、

まずは話を聞こう。」


「ええっ!?

翼くんは甘すぎる!!

この女は、即刻むこうに帰すべきだ!!」


「イヤだ!

僕は殺生はしない!!」


「なカンだ……

シのカタわべルキいろコトでハなうイだヨ。」


「日本語に近い発音になってきたぞ!

ベルキー!ことでは!ナウい!!だよ!!」


「いや、きっと偶然だから。」


「…………そうか。」


「シかウノな…………

イしニた……イしニた………」


「し、か、う、の、な……死のう、かな?

い、し、に、た……しにたい。死にたい!?」


「死なせてやるのが、われの優しさだ。」


「いや、生かして人生を謳歌してもらう!!」


「まぁ、勇者の言い分もわかります。

実にユニークな女性だ。」


「だが!ブエルよ!!

こやつに触れれば消えてしまうのだぞ!」


「なら、触れなければいい。」


「手首に……?

やめろ!ブエル!!」


「もし消えたら、あとは頼みます。」


「ブエルさん!!」


がしっ


「なんだ……?

普通に触れても大丈夫じゃないか。」


「ふぅ……

ヒヤッとさせるな。」


「すみません。」


「でも、

もうコントロールは出来るようだし、一緒に連れて行きましょう!

街の人たちは怯えている。ここには置いてけないよ。」


「フッ、好きにしろ。」


「あザりスいまガとウご!!あザりスいまガとウご!!」


「………ありがとうございます……か。」


「感謝はいい。

行動で示せ。」


「あ、あザりスいまガとウご!」


「われは好かん。」


「まぁまぁ、美人だよ?」


「おれはもっと清楚でおとなしい人がいいんだよ!!」


「せいそでおとなしいひと?」


「そうだ!

貴様は好かん!!」


「まぁまぁ、びじんだよ?」


「あははは、学習したんだね。」


「美人だからなんなのだ!」


「勇者、元魔王さま。

街の者たちの視線が集まっている。

去りましょう。」


「「わかった。」」


スタスタスタスタ…………


「ふぅ……

ここまで来れば平気かな?」


「ああ。

街の者どもはいない。」


「ハぁ……

かエいたり……」


「それでも生きてください。

生きて、目的を見つけてください。

死ぬには早すぎる。」


「あザりスいまガとウご……」


「しかし、まともに会話出来ないな。」


「なら学習させようよ。」


「なーんか、赤子のようでイヤだなぁ。」


「大地くん、年上好きだもんね。」


「………そういう問題ですか?」


「じゃあおれは空から見てますね。

コウモリ化!」ボンッ


「ワうっ!?

たカへシン!!」


「た、か、へ、し、ん……変化した。」


「変化した……たかへしん。」


「よし。

とりあえず日本語でも覚えさせてみるかな。

あ、い、う、え、お。

か、き…………」


「フン、もう好きにしろ。」


「そうですね。

勇者に任せますか。」


「……を、ん!

「を」は繋げ文字です。」


「おわつなげもじです。」


「「お」は「を」。

「わ」は「は」にもなります。」


「おわを。

わわはにもなります。」


「そうだなぁ。

師匠みたいに、スッと思い浮かばないや。」


「なんの話だ?」


「名前。

ないと不便でしょ?」


「ないと不便ないと不便。」


「じゃあ、宇宙の「宙」で「そら」と呼ぼう。

いいよね?」


「「好きにしろ…………」」

「ぼくはいいと思います。」


「ぼくはいいと思います。

ぼく?ぼくってなん……ですか?」


「一人称。

「わたし」とか「ぼく」、「おれ」、「われ」……

まぁ、日本特有のものですね。」


「わたし……シわた。

ぼく……ボく。

おれ……われ……

学習しました。」


すっ


「おっ?」


「いきなり立つな!!

驚くだろう!!」


「いきなり……おどろく……」


「意味を理解しようとしているのかな?」


「われはこわい。」


「意味……理解しようとしている……

われわこわい……

わたしは、「宇宙人」………です。」


「そうか!いままで聴いた言葉を学んでいるのか!」


「というか、ウチュウジンとはなんなのだ!?」


「「宇宙」に住んでる人のことだ。

われらも宇宙人ってことになる。」


「なるほど。」


「なるほど……」


「疲れるなぁ。なんか……

われはこやつと関わりたくないなぁ……」


「関わり……たくない……

こやつ……あなた……」


「そう。

こやつはあなたって意味にも……」


ぶわっ


「えっ!?

泣いてる………」


「デーモンさま、泣かせないでください。」


「泣かせないでください。」うるうる


「わかったよ!

仲直りの握手だ。

コントロールしなければ、ブエル。やっとけ。」スッ…


「承りました。」


ぐっ……ぎゅっ……


「なんだ。

本当に触れるな。」


「ホント……本当……

触れる……さわれる……」


「ブエル。

辞典を作れ。」


「かしこまりました。

少々お待ちを。」


「かしこまりました……?

少々?お待ちを……?」


「なーんか、「学習しろ!」とか言って、学習せんものかね……」


「かしこまりました。

少々お待ちを。」


「えっ!?」


「かしこまりました……わかった。

少々……?

お待ちを……?」


「なんだ……驚かせるな。」


「すみません。」


「やっぱり!!

いままでの会話を理解してる!!」


「……ってことは、

天才ってことですか?」


「非力の言うとおり、天才なのかな……?

というか、大地くん。

文字読めないんじゃないのかな……

天才でも、字が読めないと意味がない。」


「あっ!たしかに!!」


「まぁ、少しずつ慣らしていこう。」


「少々……少しずつ……少し……と、ずつ……

慣らして……?」


「慣らしては、

「慣れる」と、「する」の合体版だよ。」


「慣れる……する……慣らして……

合体……?」


「ふぅ……

ふりがな付きを用意しました。

ひらがなの一覧と発音も載せておきました。」


「よくやった!

昨日はロン毛呼ばわりして悪かったな。」


「いえ。

読め。消すなよ?」スッ………


「読め?」


「よし。

じゃあ、しばらく待つか。」


「………………」パラパラパラパラパラパラ……


「よし。お、ぼえました。」


「バカな……!?

動体視力が異常に高くない限り不可能な芸当だぞ!?」


「バカ?愚者のこと……ですか?」


「意味も理解してる!!」


「意味を理解……する。

当たり前………です。

わたし……は、宇宙人です……から。」


「いや、宇宙人関係ないだろ。」


「笑う……ふふふっ……

謙遜……たしかにそうかもしれません。」


「意味を構築している!

凄いよ大地くん!」


「凄い?わたし……が?ですか?」


「そうだよ!」


「わたしは凄い!天才!」


「急にバカっぽくなったな。」


「……バカって言わないでください。

怒ります……よ?」


「この女……こわっ!

ブエル!身代わりになってくれ!」


「………なるほど。

この女性は、この世の『真の意味』で………

「最強」だ。」


「最強です。

……わたしは。」


がしっ


「な、なんだ?

……ブエル、助けてくれ。」


「好き……です。」


『は?』


「心配するな。動かなければ何もしない。」


こうしてそらが仲間となった。


そして、こっちの初恋……?はデーモン………なのかな?


異名:宇宙人、最強の女  トヒノキツ=メツゲン→そら  382歳(地球換算)→23歳 性別不明→女

最初に落ちてきた場所:サイドコーナー

所持魔法→瞬間○○  属性(タイプ)→異質

異世界転生者。月出身。

勇者ご一行(いっこう)が歩いていたら彗星の如く現れた謎の女。

デーモンの仮面と甲冑を見て、故郷の仲間を思い出したようだ。

その後、デーモンに惚れた……?

前世の技術(魔法?)を使える特異体質の「神の子」。

未知の技術で分子レベルまで分解する「瞬間分解」を使って人を消して以来、魔法の感覚を掴む。

「神の子」は「宇宙人」、こっち出身の者は「最強の女」と呼ぶ。

異星人のため、最初は日本語を使えなかったが、即座に理解した。

(すさ)まじい動体視力と高い知能で、一瞬でものごとを把握する能力がある。

この知能がなければ、分解や再構築はできないだろう。

一人称「わたし」

所持魔法:3つ(現状)

瞬間分解→右手で触れ、分解。

     これを応用すれば心臓を貫かれても再生できるが、

     いまは分解するだけで手一杯。

     再構築を覚えるには時間がかかりそうだ。


瞬間移動→左手で触れたものを移動させるが、

     『触れたもの』のみ移動できるので、服などは移動しない。

     実は、触れた人のイメージした場所に送っているだけなので、

     応用すれば服の有無関係なしに瞬間移動できるだろう。


瞬間創造→両手すべての指を同じ位置の指に触れさせて、

     指の間から物質を再構築する。

     ただし、人間などの生物は理解しないと錬成に時間がかかる。

     だが、高知能を有しており、一瞬で理解するので問題はない。

     実は「同じ人間は同じ世界にいられない。」という概念があるため、

     死人を創造できても、生者は創造できない。

     生者を創造した場合、創造した側に記憶が移る。

     意識は完全に創造側に移る。

     べつの場所に残った人体は塵となり、絶命する。

     ゆえに、途中で創造を止めれば簡単に人を殺められるおそろしい魔法。

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