表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/19

第八話 これからの方針

これってギャグ作品なんですかね?

部屋のベッドに寝転がって5分後………


僕はこう思った。


(ここって、将来宿屋になりそうだな…………)と。


「よし。

暇だから大地くんの部屋行こっと!」


ガチャッ…  …ッャチガ


「「ん?」」


「翼くん!」

「大地くん!」


「おれの部屋来てよ!」


「いやいや、おれの方来なって!」


「「うん!じゃあそっちで話そうか!」」


「「ん?」」


ガチャッ


「お二方とも、早く私の部屋に来てください。」


「なになに?UNOでもやんの?」


「いやないだろ。

われは予知しかできん。

ブエル、お前たしか物質創成魔法できたよな?

トランプ作ってくれ。」


「なんか勘違いしていますね。

はやく中へ!」


「なんだろう?」


「歓迎パーティじゃね?」


「あ!ありそう!」


「「じゃあ、お言葉に甘えて。」」スタスタ……


バ  ン  !!


「なんだこのミニマリストみたいな部屋は……」


「というか、テーブルにノートとペンがあるぞ!!

ついでに非力とバットさんもいる!」


「よし。

最強のふたりがやっと来たので、作戦会議を始めます。」


「「いや言えよ!!」」


「………もしかして忘れてました?」


「「い、いや、全然……」」


「はぁ……

まあどっちでもいいです。

これからどうするのか、方針を決めてもらいたい。

勇者よ。」


「はい。

じゃあ、『方針』……っと。」


「うむ。

では、なにかやりたいことは?」


「海行きたくね?」


「賛成!」


「却下です。

ベルフェゴールを倒す過程に必要ありません。」


「ケチ。」


「そうだぞ。

じゃあ倒してからにしよう!」


「いいね!」


「方針の下に……

『倒してからしたいこと

・海にいく』

………っと。」


「よくやった!」


「早速倒してからの話になってしまった………」


「われはな、やっぱり魔王をやめてよかったなって思う。

不便で暗ーい部屋にずっと座って待ってる。

そんな生活もうこりごりなんだよ!」


「同感!

僕も入院したとき暇すぎてやばかったもん!」


「わかる!」


「えっと、『魔王→やめてよかった』……っと。」


「いいぞ!」


「おい書くな書くな。

……なに書いてる!!」


「「感想。」」


「方針はどうしたのだ!?」


「そんなのあとからにすりゃいいだろ。」


「うんうん。」


「貸せ!

これからは私が書きます。

方針を!」


「『ブエルさんが次期魔王になる。』」


「おっ、いいこと言うなぁ。」


「私が……?」


「リーダーシップがあっていいと思うけど、

非力はどう思う?」


「ぼくですか?

ぼくも賛成です!

真に強い人ですし、なによりぼくの師匠ですし。」


「うんうん、われも賛成だ。

お前は次期魔王候補育成の為に幹部にしたが、

魔王となり、戦闘経験を積むのも悪くなかろう。

………あと、部下を強化して「真・魔王軍」を作るというのも面白そうだ。」


「よ、よし!採用だ。

『次期魔王にブエルがなる。』……と。」←まんざらでもない


「じゃあ、僕も勇者軍とか作ろっかなー。

そんで、僕や師匠の弟子たちと「真・魔王軍」とで戦争だ!」


「いいね!全面戦争!!」


「よくない!!

貴様それでも平和を願う勇者か!?

勇者の発言ではないぞ!!」


「うるさいなー。

いま良いところだろうに。」


「そうだよ。

大体、勇者が平和を願うってのがそもそもズレてるんだよなー。

勇者は「魔王討伐した者の称号」って、師匠は言ってたよ?」


「だとしても、勇者が戦争を求むな!!

……って、なぜ私が勇者に「勇者の道徳」を説教せねばならんのだ!」


「知らないよ。

それより、方針決めよう。」


「あ!われ思いついた!」


「ではデーモンさま。」


「女の子ほしい。」


「いいね!」


「それで?その女性はどうするのです?」


「いやー、話せるだけで充分かな。

なんか、いるだけで華があると思わない?」


「うんうん。」


「わかります。」


「味方が減った!?」


「いや、おれ魔界の端っこ出身で、

女の子見たことなくて。」


「男子校出身みたいな感じか。」

「可哀想だな。」


「まぁ、女性はともかく、

仲間を増やすのは良いことだ。」


「じゃあ書いとけ。」


「『仲間を増やす(方針①)』……と。

次!」


「はい!」


「じゃあ非力!」


「えーと、パーティの強化を兼ねて

「強化合宿」みたいな………

もちろん、充分に仲間が集まったらですよ?

でも、そういうの楽しそうだなって。」


「いいね!」

「採用!」


「ふむ。

なら問う。「強化」とはなんなのかを。

勇者。」


「はい!「弱くて強い」を目指すこと!です。」


「じゃあ、強化方法!」


「反復動作!

身体に動作を馴染ませる!!」


「他には?」


「他ぁ?反復動作で強くなったしなぁ、僕。」


「われも「腰を捻り素振りしろ。」って言われてたし。」


「あっ!僕も似てる!

師匠は「剣を居合い斬りの要領で振れ。」って言ってた!」


「……まぁ、お二方は天才だしな。」


「「天才!?」」


「うむ。

反復動作に微細な魔力コントロールを織り交ぜたのだろう?

まさに神業だ。」パチパチ…


パチパチパチパチ……


「いやー……」

「どうもどうも。」


パチ……


「まぁ、師匠が凄かっただけかもしれぬが、

それにしてもよく強くなれたものだな。」


「……え?嫌味か?」イラッ


「いえ、褒め言葉です。」


「そうか。」シュン…


「だが、この世には努力しても報われない者もいる!!」


「それは努力の仕方や方向性が間違ってたんだよ。」


「うんうん。

いるよなー、頭でっかちなやつ。」


「そうそう。

バットさんは努力の方向性がよかったからああなれたわけだし。」


「おれっすか!?」


「だな。

非力もそういうやつにはなるなよ?」


「あ、はい。

あのー、魔王さんって……」


「元な。

なんだ?」


「意外とフランクですね。」


「ああ。

ま、翼くんがこの世にいなけりゃ、

まだ退屈な魔王やってただろうしな。

要するに、運が良かったんだよ。」


「いえ、元は親友だとしても、

仲良くできるのは凄いと思います。

こっちでは、元の身分が敵同士なのに。」


「そうかな?

われは翼くんってわかったら、

「あー、魔の世界でなにやってんだおれ。」ってなったよ?

人間、結局「気づく」のが大事だ。」


「深いね、大地くん。」


「大地だけに?」


「なるほど。

文字通り深いね。」


「ま、元魔王さまの演説はともかく……

仲間が増えたら合宿はいいかもしれんな。

『強化合宿(方針②)』………と。

ほかにあるか!?」


「えーと、物質創成。」


「えー?

でもカード系だと歩きながら出来ないよ?」


「じゃあ機械のゲーム……は、無理か。

この世界、魔法が軸だからなぁ。」


「世知辛い世の中だよね。」


「なー。」


「ほか!」


「『平和な世界を目指す。』」


「いいね。

魔族も人間も共生できる世界がいいかな。われは。」


「いいじゃんそれ!

ついでに半魔族みたいな混血の

サイヤな人たちみたいなやつらを増やすのどうよ?」


「いいねいいね!

ちなみに半魔族はもういるけど。」


「そうなの?」


「ま、魔界の空気浴びすぎて魔族になっちゃったんだけどさ。」


「あはは、それじゃあただの魔族じゃん。」


「だよな。ふはははは。」


「まぁ、人間と魔族の共生はいいかもしれん。

『魔族と人間が共生する平和な世界(方針?③)』……と。

ほかだ!」


「『ベルフェゴールを倒して仲間にする。』ってのはアリ?」


「えっ!?翼くんマジで言ってんの?」


「ぼくも反対です。」

「おれも。」


「いや、感情の操作は快楽や元気が出る気分にさせられるぞ。」


「いや、じゃあやっぱりナシにしよう。」


「なぜだ?」


「ドラえもんでそういう『痛みを感じない道具』みたいな回があってさ。」


「あったあった。

あれホラーだよな。」


「そうそう。

快楽を求めるのは、はたから見たら狂気だよ。」


「うんうん。」


「ドラえもん?」


「ま、快楽しか与えられないわけじゃないけど、

そういうのはよくないと思います!!」


「そうだそうだ!!」


「「『ベルフェゴールを殺める。』!!」」


「いいなそれ。

ついでに、次期魔王は私になるようにしよう。

『ベルフェゴールを殺めたのち、

ブエルが次期魔王になる。(方針④)』……と。

よし!充分だ!!

これからはこの方針で動く!!

①仲間を増やす!

②仲間がつどったのちに強化合宿!

③魔族と人間の共生する争いのない世界を作る!

④ベルフェゴールを倒し、命を断つ。そして私が次期魔王だ!!

以上!!」


「やっぱりリーダーシップあっていいなぁ。」


「正直かっこいいなぁ。

部下だけど。

というか、われの方が強いけど。」


「お二方は予知がセコいと思います。」


「セコくないし!!」

「立派な戦略だろ!!

堂々と嫌がらせしてるのに、セコいとか言うのやめろ!!」ムカッ


「大地くん、落ち着いて……」

「……あ、ごめん。」シュン…


「まぁ、

なんにせよ私はビームを避けられては何も出来ないので。」


「うん。たしかにそうだ。」

「さっきは怒ってすまんかったな。」


「いえ。

これにてお開きです!!

今日はここに泊まり、明日の朝出発しましょう!」


「いえーい!

なんか冒険とかいうから野宿とか想像してた!」

「われも!!」


「いや、毎回町の宿屋に泊まります。

野宿とか、私もイヤなのでね。」


「あ、お前寮に住んでたもんだしな。

われもだけど。」


「寮?」


「よし!とにかく、明日出発するぞ!

今日は非力の家にお世話になる!!

意義はある?」


「「「意義なし!!」」」


「あっ、意義はありません。

ぼくの家を選んでいただき、ありがとうございます。」


「おれは野宿に慣れてるから、雨風防げるのが嬉しいっす!」


「そ、そうなんだ。」

「ふ、ふーん。」


「なに引いてるんです?」


「いや、不憫だなって。」

「むしろ同情?」


「はぁ……

では、また明日。」


バタン


「じゃあみんな、

明日まで好きな女の子のタイプでも語ろうぜ!」


「いいね!」


「いえ、もう休みます。」

「おれも……すみません。」


「……やめとくか。」

「そうだね。また明日。」



そうして、僕たちは翌日まで非力の家に泊まるのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ