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第七話 到着と豪邸

全然話が進まないですね。あとギャグ多めです。

どうにか慣れてください。


「それで、非力はどこ出身?」


「サイドコーナーです。

冒険者たちの終焉の地「リトルタウン」には、

6歳くらいのときに、両親についていって一度行ったことがあります。」


「へー。」


「でも、父ちゃん母ちゃんに怒られるかもなー……」


「それはなぜだ?」


「いえ、

ぼくは勇者に弟子入りしに「リトルタウン」へと向かいました。

でも、すぐ帰る羽目になったので。」


「貴様はもう私の弟子だ。

胸を張って生きろ。」


「はい!ブエル師匠(センセイ)!」


「そういえば、サイドコーナーってどんな町?」


「大きな街ですね。

そして『冒険者たちのおもちゃ箱』と称されるほど冒険者が多いです。」


「ゲームで言えばラスダンの手前の手前の、

なんかやたらと高額な武器屋と防具屋みたいなものか。」


「あはは。

大地くんそれ的確かも。」


「ゲーム?

いや、それよりも、元魔王がホントに仲間になってたとは………」


「なんだ?不服か?」


「いえ!むしろその逆です。

いまの時代、争いが絶えないこの世界で、

魔王が戦いよりも友になることを選び、勇者を受け入れる。

そして、その勇者も魔王を受け入れた。

それってステキな関係だと思いました。

いまの時代は友情や絆ですよね!」


「………そうだな!」


「よくわかってるな………」

「素晴らしい見解だな。」


「そういえばブエルさん。

「魔力をしぼる」を非力が覚えると、どれくらい強くなりますか?」


「うむ。

「魔力をしぼる」とは、指導どのの技術だろう?

私は「魔力噴出」と呼んでいる。

独学で身につけた技術だが、おそらく理屈は同じだ。

だが、道具を使わないのでデーモンさまや勇者のような

高等技術は必要としない。」


「そうなの?」


「うむ。

理由は単純だ。

魔力で身体強化する必要がないからだ。

自身の魔力を一部分に纏う技術もいらないしな。」


「あぁ、言われてみればたしかに。」


「つまりはそういうことだ。」


「勉強になります!師匠(センセイ)!」


「うむ。

非力よ。貴様は指から噴出派か?それとも、杖から噴出派か?」


「魔導士にもタイプがあるんだな……」


「はい!

杖派でしたが、指から噴出するのも

レーザービームみたいでかっこいいなって思いました!」


「ふむ。

ならコツを教えてやろう。

先ほども述べたが、「一瞬だけ本気を出す」ことがコツだ。」


「はい!

理屈で説明してください!

「魔導学校」では、成績トップでしたから!

実技のテストは真ん中くらいでしたけど。」


「えっ?この世界、学校あったの!?」


「はい。ありますよ?

早くて13歳、遅くて18歳で卒業です。」


「入学年齢は?」


「えっと……

早い人では4歳ですね。」


「へぇー。

師匠たちはそんなの言ってくれなかったもんなぁ。」


「「魔導学校」はサイドコーナーのずっと行ったところ。

『センター』にあります。

ただ、行くまでが大変なんですよね。

僕は6歳のころに行くと決めて、

8歳で入学しました。」


「2年間はなにやってたの?」


「死闘です。

『センター』には魔導学校しかありません。

街全体が魔導学校と言うべきでしょうか。

だから、真の意味で強い人しかいないんです。

それゆえに野生の魔物も強くて強くて。」


「なるほどねー。

魔導学校では、なにやってたの?」


「入学は到着した3日後でした。

傷つき過ぎててまともに歩けもしなかったので。

そして入学してからは、勉強三昧でしたね。

ぼくは情報を頭に入れるのが得意で。」


「ふーん。

でも、いまここにいるってことは、

卒業してそこそこ強くなったってことかな?

非力は何歳?」


「16です。」


「僕は17。

そっか。非力は僕が剣振ってた時期に、ずっと魔物と戦ってたんだね。」


「剣を振ってた?」


「僕は「神の子」でね。」


「「神の子」……!

必ず属性(タイプ)が異質で生まれるこの世の怪奇現象のひとつ……!」


「そんな扱いなんだな。」


「なー。」


「われら魔族は「堕天使」と呼んでいるがな。

だが、「堕天使」は生前の記憶が残った、異世界からの来訪者。

つまり異界の民のはずだ。

噂程度で信じてなかったが、勇者やデーモンさまの口ぶりからして本当だろうな。」


「ていうかブエルさん、

38回くらい転生した仙人がどうのこうの言ってたのに、

信じてなかったんですか?」


「いや、さすがにホラ話かと思うだろ。

人生やり直しすぎだしな。

というか、その理屈だと「堕天使」はもっと多いと思われるんだが、

非力はどう思う?」


「いやー、

ぼくは他にも異界がある説を推したいですね。」


「うわっ、なんか始まった。」


「翼くん。

ブエルはこうなるとぶつぶつ言って長いから、

おれたちだけで話そうぜ。」


「そうだね。

つーか異界とかいまはどうでもいいし。」


「な!

やっぱり「現世」だよなー。」


「言えてるわ。

僕らにとっちゃ、こっちが「現実リアル」だし。」


「うんうん。」


「…………というわけだ。」


「なるほど!深い考察でした。」


「おい勇者。

と、デーモンさま。」


「「ん?」」


「私の話、聞いてなかったよな?」


「いや、だって僕ら「神の子」だよ?

正直こっちの怪奇現象なんてどうでもいいっつーか……」


「そうそう。」


「…………まぁ、たしかにそうだ。

ところで、着いたぞ。」


「おおーっ!

あのレトロゲームの街みたいだね!」


「あれだろ?フォーサイド!」


「そうそう。

でっけぇビルが並んでるのが壮観なんだよね!」


「わかるわー。」


「……なにを盛り上がっておいでで?」


「ちょっと昔やった娯楽の話を少々……」


「いまはそんな話してる場合ですか!!?」


「いや、お前らだって無駄話してたし。」


「うんうん。

僕らにだって権利はある!……よね。」


「はぁ……まぁよい。

ところで、ここでなにをするんだ?勇者よ。」


「とりあえずバットのあんちゃんと合流。

それから聞き込み……は、人多くてできなそうだし……

どうする?大地くん。」


「そうだなー。

とりまデパートでも行こうかな。

そのあとブエルが攫われる事件が起こるから、

非力とわれらで助けよう。」


「だね!」


「いや絶対ゲームの話だよな!?」


「………知ってたの?ブエルさん。」

「な!知ってたなら仲間に入れたのに。」


「やっぱしてた!

山勘だったがやはりそうか!

私たちは冒険しているのですよ!?

もっと緊張感を持っていただきたい!」


「冗談が通じないヤツだな……」


「ね。」


「あなたたちだけだと、

ふざけてどこか行きそうなんだよ。」


「そりゃ冒険してるからな。」


「だね。」


「はぁ、疲れてきたな……

おい非力。貴様の家に向かうぞ。」


「えっ?いいですけど。

どうしてです?」


「いや、あの方々はかなりゆるいのでな。

私がしっかりせねば。

作戦会議の場を設けたいんだ。」


「大変ですね、ブエル師匠(センセイ)………」


ヒュオオオオッ……!!


スチャッ……


「勇者さん!前魔王さま!ブエルさん!

あと非力とか言ったか?」


「聞いてたんすか?バットさん。」


「超音波ですよ。

音の波で言葉を感じ取るんです。」


「へー。」

「こいつ、魔王軍にいたら幹部にしてたかもな。

飛行要員だし、弱いから立場的にも幹部がピッタリだ。」


「へぇー、そんなにすごいんだ。」


「実力を買ってくれてありがとうございます。」


「正直脳筋どもはいらないんだよなー。

われ1人で充分だったから。

城に乗り込んでくるやつは予知で場所「視て」からすぐ近づいてぶっ飛ばしてたし。

どっかのロン毛よりも、こういうやつの方が幹部に適してるわ。

われの時代ではな。」


「たしかに。

ロン毛より役に立ちそう。」


「誰がロン毛だ!

ていうか、あんたらは近距離専門でしょうが!」


「いや、「魔力で強化」を使えば空なんて跳べるもんね。」


「な!」


「でも飛べないから、バットさんが凄いって話してるんですよ。」


「そうそう。」


「その凄い人を撃ち落としたの誰でしたっけ?」


「は、速すぎると打ち落とせないし、

やっぱブエルさんだよなー!」


「ああ!ブエルが一番だ!ブエル万歳!」


「変わり身早いな………」


「あのー、そろそろ家着きますよ?」


「ああ。すまないな、非力。」


「いえ、ブエル師匠(センセイ)に比べたら……

はい。家です。」


ド────ン


「師匠の家並みにでけぇ!」


「凄いな。」


「私も驚いた。

非力、お前の家系は?」


「武器屋や防具屋です。

ただ、商人になりたくなかったので、家を飛び出して「魔導学校」へ。

それからは、家に少し仕送りを送りながら魔導生徒として生きてました。

そして1週間前に帰ってきて、グチグチ言われたので、

3時間前に街を出ました。」


「やっぱロン毛より凄くね?

こいつら。」


「だね。」


「ロン毛って呼ぶのやめろ!」


「そう怒んなって。」


「そうそう。

争いはまた新たな争いを生むだけだから!」


「………まったく。」


「非力じゃないか!

そ、その方々は?」


「えっと、勇者さんと、元魔王さん。

それから、師匠にその仲間のバットさん。

ついさっき出来た、ぼくの仲間です。」


「神童です。肩書きは「勇者」です。

平和のために冒険中です。

よろしくお願いします。」


「われは「デーモン」。

元魔王だが、これからは一市民。

ま、立場など気にする必要はない。

気軽に接してくれ。」


「こういうときだけしっかりして……

申し遅れました。

私は「ブエル」。非力に指導をしています。

よろしくお願いします。」


「おれは「バット」。

勇者さんご一行(いっこう)が在宅中、監視は空からするので、

安心してください。」


「凄い方々だな!

ごはん、食べていくかね?」


「バットさんもおいでらっしゃい。」


『お邪魔します。』


「ただいま。」


非力の家────


「あむっ……!」バクバクもぐもぐ


「うむっ……!」バクバクもぐもぐ


「お二方とも、品がないですね。」


「いえ、

実家のように過ごしていただくのが一番です。」


「「ありがとうございます!!自分たちは実家ありませんけど!!」」


「ま、まさかおふたりとも、「神の子」ですか?」


「はい。」

「そうなりますね。」


「なんという奇跡……!」


「そんな方々がいらっしゃるなんて……」


「そんな大層なもんじゃないですよ。」

「そうそう。

たまたま空から降ってきただけですから。」


「……さっきまでの状態はなんだったのだ?」もぐ


「それで、何の意味があって我が家に?」


「非力の家で作戦会議しようと思いまして。」


「そうです。

だが、まさかこんな豪邸だったとは思わなくて。」


「おふたりはどこへ住んでたんです?」


「師匠、「預言者」指導さまの家に。」


「われは「魔王城」に住んでいました。

ですが、大きさはこの家の3倍くらいです。

ご立派な家ですね。」


「私も魔王城にて。」


「……おれはこんな豪邸初めてです。」


「ね!気さくでいい人たちでしょう?」


「ええ!」

「あなた方になら、非力を託しても文句ありませんよ。」


「「「ありがとうございます。」」」ぺこっ


「ごっ、ございます!!」ぺこり


「って、わけだから。

ぼく冒険するよ!」


「ええ。」


「立派になれよ!

つい先日、魔導学校を卒業してきて驚いたが、

今日が人生で一番驚いた!」


「そう言っていただいて感謝します。」


「じゃあ、非力の部屋に行きますね。」


スタスタスタ……


「ぼくの部屋は3階です。」


「へー。

3階のどこ?」


「だから、3階全部がぼくの敷地です。」


「「すごっ!?」」


「凄いな。」


「おれは落ち着かないので、コウモリ化解きますね。」


「「「えっ?」」」


シュウゥゥゥ……


「どうですか?」


「意外と凛々しいんですね。」

「うむ。

ルックス的には、ロン毛と大差ないな。」

「たしかに。

……って、ロン毛呼びはやめてください!」

「ずっとコウモリ人間だと思っててすみませんでした!」


「みなさんありがとうございます!

あとコウモリ人間だと思われるのは慣れてるから大丈夫だ。」


「あ、ありがとうございます!バットさん!

じゃあ、3階は部屋が5つあるので。

各自使ってください。」


「「了解。」」


「わかった。」

「すまねぇな。」


「ふふっ………」



こうして、非力の家に急遽来た僕たち。


豪邸で驚いたけど、バットさんの素顔の方がもっと驚いた。

コウモリ人間じゃなかったのか………


そんなこんなで、僕たちは一時的に非力の家を拠点とするのだった。

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