第17話 還る魂は剣と共に
投稿遅れてしまい申し訳ありません。
何とか…したいですねぇー……。( ・∇・)
:第十七話:
還る魂は剣と共に
私とナツキは、南の大森林に入っていた。
そこは、本当に人間の手が付け加えられていない
大自然が広がっていた。
「ナツキ〜、薪ここでいい〜?」
今は晩御飯の支度をしているとこである。
なんと、ナツキがご飯を作ってくれています!
とっても、嬉しいですね!
え、じゃあ…なんでナツキの手伝いしてないのか
だって?
私が料理したらまっ黒焦げか悪臭を放つ激物になるからです!
ってことでえ、私は火を維持する為の薪&食材集め
主にキノコや山菜それに木の実である。
「ありがとう。ユウキ、じゃあ…早速作るね!」
めちゃめちゃ楽しみだ。
料理の工程を見てみると。
まず、ナツキが狩ったケモノ肉を、一口サイズに切り塩と胡椒で味付けする。
それを、木の串で刺して焚き火の近くに置いた。
これは―――
「串焼きだよ。 もう少し待っててね。」
そう言うと、ナツキはもう一品の方を手掛ける。
山菜を細かく切り、木の実を磨り潰しキノコや
その他諸々を入れ、煮込んだら……
サラダにかけるドレッシングの完成だ。
「ほへぇ〜……美味しそう!!」
「んふふふ…もう少しまってね〜♪」
そして―――出来上がったのは
山菜と木の実のサラダと
ケモノ肉の串焼きだ。
手を合わせて―――いただきます!!!
パクッ――んふ〜!! 超美味しい!!
口の中で肉の風味と胡椒が完璧にマッチしてる!
文句なし!もうね、百点満点!!
サラダもいただき〜ます!
パクりんちょ―――ウメェエエエエェ!!
サラダも瑞々しく、そして甘い!
甘いのは……木の実のおかげかな…?
まあいいや!
美味しかったら何でもアリなのですっ!
「ふふ、ユウキは、本当に美味しそうに食べるから
作り甲斐があるよ。」
「えへへ…ありがと…、あっ! 食いしん坊な訳じゃないよ…?」
「分かってるって…。」
そう言いながら私達は幸せな晩御飯の時を過ごしたのであった。
食後になり、私は寝る準備を始めようとした、が
ここで、ナツキに阻まられた。
「今日は、もうちょっと起きてようよ。」
それもいいかと思いつつ、ナツキにこう返す。
「いいよ〜、なんかお話でもする…?」
「いいね じゃあじゃあ……魔法の話でもしない…?」
「う〜ん……私…あんま魔法使った事ないケド……いいよ。」
「それじゃあ、ユウキ…この世界には基本的に二種類の魔法式があるのは…知ってるよね?」
流石にこれは、知ってる。
「うん、"指定式"と"詠唱式"でしょ?」
「おお、正解。じゃあ…例外があります。
その例外とは?」
「"保存式"、"無詠唱魔法"、"家系魔法"」
自信満々で答えてやった。
「うぇ?! 知ってたの……?」
「当たり前よ。 少しは勉強してるわよ」
「なら…話が早いね……。ユウキ……私…実はね?
"家系魔法"が、扱えるの……。」
「え、まじ?」
「大マジよ」
数秒見つめ合った私は、どう答えていいか分からなく、次の言葉が出てこなかった。
「ま、まあ、そういうわけなので……ユウキにも
"家系魔法"が扱えるか、調べていきたいと思いまーす!」
いやいや、私に家系魔法なんて備わってないよ――――
と、言いかけた私であったが、今の私には備わっているかも、と思い至りナツキの提案に乗っかる事にしたユウキであった。
「んじゃあ、ユウキ…指先に"何かを作る"というイメージをしてみて……実はね、家系魔法もイメージ力が
大事なのよ」
「う、うん」
言われた通り、指先に意識を集中させる。
すると―――指先に一粒の"氷"が、出来上がった。
「わ、なんか出た」
「―――えっ……嘘?!氷!?」
めちゃくちゃナツキが驚いてる。
氷………?いや、氷ってぇ……八大属性のどれにも当てはまらないよね?!?!
「ユウキ……"氷"の属性持ちは……"始祖の勇者"の家系しかいないんだよ………?」
なんと、ビックリ…あの"始祖の勇者"の家系に連なる者が使える属性だったのだ。
「正直…ユウキがここまで凄いなんて思いもしなかった。…………一応私も"始祖の勇者"の属性劣化版なのにな……」
「えっ……それって…つまり…。」
「私達は遠い遠い親戚って…ことね。」
私とナツキが…親戚?!
聞く話によると、ナツキは"氷風"属性なのだと
これは、"始祖の勇者"に縁のあった者達の家系だと
のこと。
それなら、私の―――一度目の生の存在を知ってるのにも納得がいく。
だって、あの場に居たのは、始祖の勇者、災厄と私だけ……。
きっと、勇者が闘いに勝利し…僕のことを後世に伝えたのであろう。
話をもどして………
「私って……使えたんだ…家系魔法……!」
氷とか以前の話…私に家系魔法が使えたんだ
ということにと驚きと喜びを隠せない私。
その日の夜は、ナツキに家系魔法の扱い方を一通り
伝授してもらったのであった。
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「ふぁ〜……、よく眠れた?ユウキ」
「うん……まあまあ、…かな?」
冴えない頭で昨日の夜のことを振り返る。
昨日は夜遅くまで家系魔法を練習した。
結論から言うと
家系魔法は想像力が八割と魔力が二割
と言ったところである。
想像力で、及ぼす影響を想像し魔力でその状態を安定させる。
言わば、想像力が料理で言う"素材"で魔力が"味付け"
想像力という素材を魔力という物で味付けをする
分かりにくい例えかもしれないが……
私はこう言うの…苦手なので…許して欲しい。
さてさて、本題に戻り………
氷属性などは、『この場所を凍らせる』と言う
明確な想像力があって初めて成功するのである。
そして…実は氷属性は……ここだけの話…。
状態の安定に自身の魔力を使うのではなく……大気中にある水などをそのまま凍らせる事ができるのだ。
なので、魔力消費量0!
他に何が出来るのかと言うと……大規模な範囲の氷結が出来るのだ。
が、デメリットも勿論ある。
そのデメリットとは
まず、大気中の水などを氷結させた場合
極端に脆いのさ!
魔法攻撃を凌ぐには最適なのだが、魔力を上乗せした
剣技などにはめっぽう弱く、戦闘には不向きだと
考えられた。
が、ここで私は思いついちゃった。
その大気中にある水に自分の"魔力をなじませる"
ことが出来たら……より硬く…強い"氷"が出来上がると
予想した。
………え?なら最初から魔力使って固形化しろって?
それとコレとは話が違うのよん。
何故なら、魔力で全て固形化しようとすると
結構な魔力がいる、がその分…とてつもなく硬い
勿論、込める魔力の強弱によっては、相当な強度に跳ね上がるでしょう。
では、大気中の水に魔力をなじませそれを氷結したらどうなるのか?
答えは簡単。
魔力を3%込めて固めた氷とほぼ同じ強度になるの。
ちなみに、大気中に魔力をなじませる為に必要な
魔力量は3%を大きく下回る1%にも満たない。
強度は3%と大差ない。
なら、…どちらを選ぶか…なんて分かるでしょ?
魔力消費量が圧倒的に少なく、強度も申し分ない
"大気中に私の魔力をなじませる"をメインで使っていこうと決めたのだ。
もちろん、魔力だけで固形化するという本法も
めちゃくちゃいい利点があるので、時と場合によって使い分けるのが…無難かな…。
って事でぇ…昨日からずっと氷を作り出すことに専念してます……。
指先に色々なサイズの氷を作れるようになった
しかも、結構な範囲も氷結出来るようになってきた
のは…良いのだが……実は…、家系魔法を使い過ぎると
偏頭痛が起こるのだ…。
まだ歳が幼いからかな……? こう見えても…私…14だし…
成長すると、この偏頭痛もなくなるのかな?
なんて、思いつつ私は今日もナツキに魔法を教えてもらっているのでした。
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数十日が経った。
数十日経ってもこの大森林を抜けれないのだから
本当にイライラする。
でも…あと半分、の距離…!
南西に位置する平原にはもう数十日いるであろう。
でも……あと半分……されど…半分…。
この大森林は中央に行く連れに魔力が濃くなってきているような…………………気がする。
なので…私達はすこし迂回していくことにした。
私は問題ないのだけども…ナツキが心配で…。
そう考えていると、茂みから二匹の巨大蟷螂が出てきた。
四本の腕には鋭く尖っている鎌がある。
この四本の腕の鎌で攻撃を防いだり、相手を切り裂いたりするのだ。
冒険者は、とても素早いコイツの斬撃に対処出来ないまま身体を刻まれ、戦闘不能になるであろう。
でも、対処方法はある。
それはコイツ自身の防御力は低いということ
まじぷにぷにで剣でよく斬れる斬れる。
なので、まず四本の腕を斬り、胴体を斬る
と、言うのが巨大蟷螂の攻略方法だ。
むかし…アルト以外の剣士と戦いたいと思い
ちょうどよかったのが巨大蟷螂だったんだよなぁ……
まあ…切り替えて、私は剣を抜き…正面に構える
巨大蟷螂は様子に徹している。
が、腕の鎌はガキィガキィンと鳴っている。
これは……敵対者にする威嚇だな。
それがどうしたと、言わんばかりに私は全力で踏み込み、右側に居た巨大蟷螂に四連撃を叩き込む。
それに迎え撃つべく巨大蟷螂も鎌を私目掛けて
降ろしてくる。
が、それを避け私は
左手、右手、左足、右足の順で斬っていき、四本の鎌を全て斬った。
この間わずか2秒。
今の私の身体能力ならこれくらい朝飯前なのさ!!
そして、左足側に居たやつはビビッて退場のご様子。
ふふーん!私に恐れ入ったか!
とまあ、会敵から4秒ほどで勝者が決まったのである。
勝者!私ィ!
いやっふぅうい!!
……………
………
…自分で言って悲しくなってきた。
「ナツキ…大丈夫?」
そう、ナツキに問い掛ける私。
「うん、ユウキ……凄いね!流石だよ! この巨大蟷螂………どうする?」
「う〜ん………殺さないで見逃してあげようか…」
私はあんまり命を奪いたくないのでね、。
もし、私が命を奪う、という事があるのなら。
私の…大切なものを傷つけられた時…だけかな。
という事で、その巨大蟷螂は見逃すことにしたのであった。
「あれ………ユウキ……その切り傷?」
ん?と思い右腕を見てみると確かに切り傷が入っていた。
ありゃ……避けたつもりだったのに……一発入れられてたか………。
「包帯かなんかで止血しないと……!」
「確かに……包帯とか…あ―――」
ある? と言いかけた瞬間、傷がみるみる間に治っていくではありませんか!
緑色の発光がした瞬間瞬時に傷が癒えてゆく。
これは………なんだ…?
"自己再生"………?!魔物特有の??!!
珍しく焦る私。と 考えに浸っているナツキ
数秒遅れ、ナツキがこう言う。
「ユウキ………それ…もしかしたら…この世界に数人しかいない………。"特殊能力持ち"かも………」
え?!なんだって…?!
特殊能力?!
知らないんすけど!!!
「私が、昔…本で見たことがあるの…、。
この世界には、世界に認められた7人の人間が居ることを………その一人……貴女は"永久之生命"を持つものだと思う…………タブン……。」
永久之生命?………
聞く話によると……
"生きたい"という、強い意志があればどんな大怪我も完治するという特殊能力であるらしい。
"生に図太くしがみつき死を恐れない者"だけ
選ばれるという。
未だ歴史に登場していない特殊能力なのだそうだ。
それが……私…?
まぁ…確かに………?生にしがみつきまくってる…けど…
あれは、転生じゃーん?
違う……じゃ〜ん……
まあ…それは置いといて……本当にそんな能力が宿っているか……試してみよう!
そう思い立ち、私は剣を抜き…
左手を斬り落としてみた。
左手からは真紅の血が出る。
その血はユウキの周りを彩ってゆく……。
「え?!ユウキッ!!!!何してるの?!」
「実験よ」
ナツキの凄く心配してくれている気持ちが伝わってきた。
確かに左手が無くなれば私も結構困る。
だが、…私は信じてみる。
私の…能力を。
"生きたい"そう思うと同時に、緑色の目に優しそうな
光が腕を……包む―――からの光が腕を象っていくでは
ありませんか。
その光は次第に……………腕となって…消えていった。
「本当に……治った…。」
「もう……本当に……考え無しなんだから……!ユウキってば…!」
そう言い終わると同時にナツキが私にハグをしてきた。
確かに……やり過ぎだったかも…。
「ごめんごめん……でも…証明は出来た……私には…"永久之生命"が…宿っている。」
「うん……本当に…凄いよ……ユウキ……絶対…死なないでよね…?」
当たり前でしょ!
「ナツキを…残して…逝くわけないじゃない…」
そう言い合い、私達はその日を…終えたのであった。
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ユウキ達は残り数kmで大森林を抜けるとこまで来ていた。
ここに来るまでに魔法の練習やその他諸々をしていた
為、予定より少し遅くなっていたのだ。
「ユウキ……あと……数km…がんばろ!」
「うん…!あと…数k―――」
その言葉を発しかけた瞬間―――
とてつもない悪臭と圧迫が襲いかかる。
ユウキとナツキは顔を青ざめさせ、手が震えている。
ドクン、ドクンドクンドクン…………
二人の冷や汗が止まらない。
今まで身を纏っていた疲労感が一瞬にして吹き飛び今は危機感一色である。
遠くから ズシ ズシと足音が聴こえる。
この圧迫感の正体はその足音の主と考え、剣を抜く。
何が出てくるのかと、固唾を呑むナツキ。
その二人の、目の前に現れたのは―――
ドス黒い黒茶色の肌…。血で身を濡らしていて、異様な雰囲気と悪臭がする……。
極めつけは"禍々しい角が二本"
その魔物は…………
「お父さんの……話と…同じ……ま…魔物…。」
ガタガタ震えるナツキ…その魔物を見て、動けなくなったのだ。
ユウキは、全体重を右足に乗せ、神速の勢でその魔物の首目掛けて剣を振るう―――が
パキィン
と、甲高い音を鳴らしながら、剣が砕け散る。
(嘘だろ?!コイツの首……クソ硬い…!!)
そう思考した瞬間その魔物の蹴りによって
数十メートル飛ばされたユウキ。
(種族的には……人豚族?それにしても……重すぎ………)
剣は砕け散り、もう使えない……。
しかも、よく見てみるとその魔物の後に二匹お供がいるのだ。
つまり、三対ニ
数の上でも不利でユウキ武器は砕け散った。
(コイツ……皮膚がクソ硬い…今さっきの攻撃…多分…私の身体能力とこの剣があってないんだ…。)
そう考え見るのは右手に握られている騎士剣
家を出る際渡された立派な騎士剣だが、もう使えなくなっている。
それに…悪い知らせ続く………
「オマエ…なかなかヤルな」
先頭に立つ人豚族が喋ったのだ。
(もう…またかよ……喋る奴厄介で強いんだって……)
正直逃げるのも手かと思ったユウキだが、コイツから逃げれるとは思えなかった。
なので………今残っている魔力を全力で注ぎ込み
一本の剣を模した氷剣を作り出した。
これならまだ戦える…。
そう思い、立ち上がり名乗る
「私はユウキ。約束を果たすため…君には〜死んでもらうね」
「笑止、戯言ナド吐ク物デハナイ」
そう言い終わると、両者は戦いにもつれ込む。
ユウキは早くリーダ格の人豚族を始末しその勢で
残りの取り巻きも殺るつもりなのだ。
何故かナツキが動けない今、戦えるのはユウキただ一人。
数の上では不利なのに、何故か取り巻きは動かない。
何を考えているんだと、考えていると―――
リーダ格が持っている斧がユウキに迫る。
それを、ユウキは難なく凌ぎ、顔に突きを入れる。
やったか―――と思った瞬間、ユウキは足を捕まれ
地面に何度も何度も打ち付けられた。
「グハァアッ……!」
「コンナモノカ……」
圧倒的差、今ユウキが入れた傷など完治している。
それは、ユウキも同じだ。
「レディー……の顔を傷つけるなんて……サイテー……」
「オマエ、レディーカラカケ離レテいル………」
「うぅっ……うっさい!!」
すこし顔を赤らめて何度も斬撃を叩き込むがそれは
リーダ格には効かない。
斬っても斬っても…数秒で完治するからだ。
(ほんま…ウザい………この再生能力……)
自分の能力は棚に上げるユウキである。
数分対峙して、リーダ格が「モウヨイ」と言い放った。
すると―――取り巻き共が動き出した。
向かう先は、崩れて怯えているナツキのもと。
「まずい!ナツキッ!!」
リーダ格との対面を避け、ナツキに助けに入ろうとしたユウキ………そして、間一髪で、ナツキを取り巻き共の攻撃から守れたユウキ……しかし……ユウキは
取り巻き共の攻撃で両足と左手が見るも無惨な状態になっていた。
これで、死にはしないが…再生まで数十秒は要するであろう。
「いづ……い……痛いぃ……」
流石のユウキもこれには参った。
そして、ナツキが何か叫んでいる。
「―――ウキ……!ユウキ!!!ごめん!!大丈――」
そのナツキの言葉は最後まで発せられなかった。
何故なら、ユウキが数メートル先まで飛ばしたからだ。
そして、三対一の地獄の戦いがはじまる………。
……………………
…………………
………………
ハァ、ハァ、…ハァハァハァ………。
今さっき受けた傷なんてもう、完治してる。
もう…体がはち切れそう……。
取り巻き共の腕を斬り…脚を斬り…だが…数秒後には完治している…。
もう……勝目が見えなくなってきてる………。
私も…。腕を斬られたり…足を斬られたり…防戦一方だ…。
今もまた、肩に重い一撃が入った。
それを我慢し、反撃に転じようとした時リーダ格の重い一撃が私の腹に入った。
あばら骨……何本かイッたな…。
頭蓋骨も…ヒビが入った…。
でも……諦めるわけねぇ…だろ……、…
何故なら…私は……生に図太くしがみつく者だから!
そう思うと同時に受けた傷が完治する。
相手の弱点は頭だ、頭を滅多斬りにしたら
きっと死ぬ…これは直感だが………首を斬れたら私の勝ちだ。
そんな、事を考えている時、取り巻き二匹の攻撃が腹
に入り、下半身と上半身が千切れそうになる…。
リーダ格の攻撃が入ったら死ぬ!!
……いや…、いやだ!しにたく…なぃ!!
……まだ…、やりの…こした…事が…ある…あるんだ!!
そう思い、…全力で守りを固める。が…
私は…悟った…あぁ…無理だな、と。
上半身と下半身が千切れても復活するか分からないけど…必ず時間を要する…。
その間に
ぐちゃぐちゃにされであろう。
目を瞑り……覚悟を決めようとした瞬間―――
一人の人物が間合いに割って入った。
リーダ格の斧がその者の身を切り裂く。
真っ赤な血が吹き出して、その血は私を濡らす。
その人物の名は… ナツキ
あぁ、…あぁ…あああああああああ!!!!!
まただ……また……大切な人を………………
スギさんの時も……
あの時から……身体能力とか……家系魔法…とか…
特殊能力……が…身についたからって……いつしか…
"慢心"が、芽生えていることに……気付かなかった…。。
ナツキは私の元に倒れ込むと、何か言い出そうに、
目を見開く、私はその意を組んで…一時的にその場を離れた。
これで………すこしは……。
「……ゆ…ユ……ユウキ……ご…めん……ね。
私………が…、その…あしで…まとい……に…なっ……ちゃ…」
「もういい!!!喋らないで…!!お願い……だか…ら」
大粒の涙が、大量の血溜まりに落ちる。
ナツキの背中から…出てくる…血だ。
真紅の。
そこに数滴の涙が落ちても…色なんて変わりやしない
ズシ、ズシと足音が近付いてくる。
奴等だ。
私が奴等に意識を向けようとした瞬間。
「わた……しは…ね。あ…のしゅ…
ん……かん……ああ…、する…のが……正、解…だと…
おも…た…の。だからね………こうか…い…なんて…ない」
ナツキの目にも大粒の涙が
「ゆ…う…キ……あな…たは…かな…ら
ず、……夢を叶えて……それが…わたしからの…
最後…のねが……い、私…貴女と…出会えてぇ…よかった……きっと…これは…………
"運命の出会い"なんだなって………。
……………………………、私の……剣を…使って……………
きっと……強い…から………!……ふふ……ふ…。」
そう言い、ナツキに剣を託された。
「ばぁい…ばい………ユウキ……私は…何時も貴女の…側にいるからね…。」
そう……言い残し………………ナツキは…死んだ。
もう…奴等は私の…視界に入っていた。
私は泣いて…泣いていた。
歯を噛み締め…砕けそうになるほどに。
自分の無力さと……愚かさに…苛ついて。
それでいて…後悔と悲しみが同時にくる。
が………それよりも…。
ある一途の思いが…
出てきた。
それは……"怒り"
あぁ……確か…スギさんが…殺されたときも…こんなかんじ…
だったな。
あの時、私は…………超常の力を引き出していた。
やっと理由が。……分かった。
怒り…自分に対する…怒り。
悲しみから…くる…。怒り。
奴等にたいする…………怒り。
怒りを……力に変えろ。
無力な自分を……変えるんだ…。
そして…奴等を………
殺
す
!
私は…思いっきり踏み込む。
これだけで、周りの地面は砕け散り、爆発したような
衝撃に見舞われる。
まずは取り巻き共からだ。
右側にいた、錆びた騎士剣を持った野郎の腹を思いっきり斬る。
それだけでコイツの上半身と下半身がちぎれそうになる。
ナツキにもらった剣は何故かしっくりくる。
それと同時に、私が全力の力を出しても折れないし
ヒビ一つすら入らない。
よく見てみると。
少し…紫に光っている。
これは……魔法で鍛えられている…のか?
何故か…懐かしい…。
そう思いながら、後ろに回り…両足をぶった斬る。
そして、バランスを崩したコイツは、膝を付き
格好の的となってくれた。
六連撃を叩き込み、首を斬ると…
再生する気配がなかった。
やはり、頭と体を離しなら再生はしなくなるんだな。
この間、僅か5秒
常人には何が起こったのかすらわからないであろう。
んじゃ、残りの取り巻きも…殺すか。
残りのヤツが、驚き私を捕まえようとしてきたので、
手を斬り刻み、
その勢で腹を何度も何度も何度も何度も斬りまくった。
それで、地面に倒れ込むのだから…私は…思いっきりジャンプし、首を目掛けて一閃。
これで、取り巻き共の始末は終わった。
残りは―――
「テメェだけだ。クソ野郎が」
「……オマエ…ナンナンダ……?」
そのやり取りを終えると、リーダ格が瞬きする間に
正面に来ていた。
振り下ろされる斧を私は…スッ と避け。
斧を切り刻みバラバラにした。
が、ここで…リーダ格は血色に染まった禍々しい剣を
抜いた。
こっちが、持ち武器なのだろう。
が、関係ない。
振り下ろされてくる血色の大剣をナツキの剣で防いだ
「――――ナ、何ィッ―――――――?!」
「この剣は……この世界で…一番の剣だ。」
そう言い終わると同時に、受け止めているのを辞め
それに驚いたリーダ格。
私は…思いっきり血色の剣を地面に叩きつけた。
これで、血色の剣は地面に刺さり、数秒間抜けないであろう。
そう思い、私は…リーダ格の頭目掛けて…
ナツキの得意技をアレンジした技を披露する。
「君は…地獄に堕ちちゃえ。"新・絆世界"」
これを私が、やったら速すぎて衝撃波が出るほどに。
これをまともに食らったリーダ格の頭は吹き飛び
脳みそや血が周りに散乱する羽目になったのだ。
「ハァハァハァハァ………かった………けど…」
これじゃ…二ノ舞だ……。
なんにも変わってない。
スギさんの時から…。
何にも…。
そう思い、…………私は……ナツキの側に行く…。
その死に顔はとても満足している様子であった。
ナツキは…これを…運命の出会…と言った…が。
私からすれば……彼女を…不幸にしただけだ…。
超常の力……特殊能力……技術が…あっても…なお…
私には……大事な…人が救えない…。
なんで……だろ………。
私は…そう考える。
……………………
…………………
………………
……………
…………
………
……
…
、
今のユウキには…約束や夢の事なんて…頭に…ない。
ユウキが…立ち直るまで…僅かな時間が必要なのだ。
ユウキの夢の道は困難を極める事になるであろう。
今回も…一人の親友が去った。
が、彼女は…彼女の魂は……剣と…ユウキ共に…永遠にあるのだ。
めちゃくちゃ長くなりました!w
感想など、よければ送ってください!
誤字があったら報告よろしくです!
それでは!し〜ゆーあげいん!