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二度転生(中断版)  作者: Riu
第一章 約束.転生〜そして親友の死亡。
13/46

第12話 最強の槍兵と忠実な新米騎士

更新が遅れてしまい申し訳ありませんでした…。

でも春休みに入ったので良い感じに更新していきたいと思います!

では〜、楽しんできてください〜

         :第十二話:

      最強の槍兵と忠実な新米騎士



「さて………暗殺するとなると……誰に任せようか……」

豪奢な椅子に座る老人リーゲルは考えていた。

現王…つまりユウキを暗殺する者をだれに任せばよいか…。


(暗殺なら、王宮内にいる手の内の者で良いのじゃが………果たしてそれでいいのか……?)


悩んだ末、出した答えは――――

「アイツを出すか…アイツなら今回の大仕事もやり遂げてくれるであろう…。」 

リーゲルは自身の手駒の中で"最強の槍兵"に任せることにした。

リーゲルのこの選択が

吉と出るか凶と出るか……

それは…

まだ、わからない。




         

           ✵ 

           ✡

           ✵


   

         

         ガチャッ


部屋の扉が開かれ一人の騎士が入ってくる。 


その者の肩に革でできたカバンがぶら下がっている。

そのカバンから手紙を取り出し、一礼してから


「リーゲル様からの御命令です、お受け取りください」

と言って部屋の主に手紙を渡した。

部屋から出る際、また一礼してから出るあたり手慣れ感が出ていた。

これが初めてではない、とそう物語っていた。


その部屋の主は、リーゲル陣営最強の手駒。

名を―――――フレアと言う。

フレアは、十八という若さで王国騎士団最強クラスの

腕前をもっており、得意とする武器は槍だ。

その、圧倒的リーチの前に魔物たちは死んでいくのであった。


そんなフレアがリーゲルと会ったのは遡ること八年前………





フレアは早くに両親を亡くし、孤児院で育った過去がある。孤児院の皆は兄弟のような存在であった。


そして同時にとても大切な存在でもあったのだ……。



……………………

………………

……………

…………

………

……


その日は孤児院の皆と国から西に5km離れた隣街まで行っていた。

用事を済ませキレイストまで残り2kmと言うところで


        事件は起こった。


魔物の集団と出会ったのだ…

数は7体、対するこちらは孤児院の護衛に付いていた

騎士二名……数で負けているのならば……後は想像できるであろう。


果敢に立ち向かった騎士二名は、ゴブリンに頭を

斬られすぐに戦闘不能になってしまった。


護衛がいなくなればあとは蹂躙されるのを待つだけ……


そして―――――


頭を斬られ……食われ……何をするのか分からないが…

女を巣に連れ帰ろうとする魔物もいた。

仲の良かった友達の腹から小腸が見えた瞬間、フレアは吐きそうになり絶望した。


自分には…何もできない………ただ……皆を………………

殺されている皆を…ただ…見ているだけしか…できない

一匹のゴブリンがフレアに手を伸ばしたその時―――


ゴブリンの頭が斬られた。

そして、血がフレアにかかり目の前にゴブリンの

頭が落ちる……。


斬ったのはたまたま通りかかった、貴族の護衛をしていた騎士達だ。

数は6人ほど、だが装備や剣の腕前はゴブリンたちに

勝っている。

見る見る内に魔物は駆除されていき、7体全部が

駆逐された。


護衛していた貴族と言うのは、言うまでもなくリーゲルだ。

生き残ったのは、騎士を合わせた十四人中二人だけ


フレアと同い年の少年だ。

その他の孤児院の関係者や友達は全員魔物に殺された。


友達は見るも無惨な姿に変わり果てて、もう人の形では無くなっている。

内蔵は飛び出ており、血が地面を彩っている…。


フレアと少年はその光景を見て吐いた。

血の匂いが刺激的だ。


嘔吐物の味なんて感じない…。

仲の良かった…友達が…もう……

そう考えるだけで、苦しくなる。


見かねたリーゲルが二人に落ち着くよう言った。

時間が流れ、落ち着いた二人はリーゲルに事情を

話していた。

話を聞いたリーゲルはそんな二人を可哀想に……

と思った。


そして、ここでリーゲルの中にドス黒い感情が生まれる。


少年は何処にでもいる普通の顔立ちだが、

フレアは違った。


十歳とは考えられない程の美貌。

肌は、色白く眼の色はすこしだけ赤色が混ざり合っている黒だ。 唇はほのかにピンクに染まっており

豊満な体つき、髪は黒色なのだが血と雨のせいで

すこし赤色に染まっていた。

 

そして、その心配そうな顔はリーゲルの欲望に火を

付けた。

リーゲルの好みを射抜いていたのだ。


なのでリーゲルは欲望のままに、こう言った。


「君達、この少年を街まで運んでやれ……………………

君はこっちにおいで………」


フレアの肩に手を乗せ、自分の馬車に乗せるリーゲル

少年は困惑してリーゲルを見たが、リーゲルは無視をした。

フレアも困惑したが…リーゲルが貴族と言うことで逆らえなかった。



馬車に乗せられたフレアだが、納得がいかず

リーゲルに質問する。

「あっ……あの!!私もあの子と帰ります!下ろしてください!」

とうるさく喚くのだ。

リーゲルは満面の笑みで

「ガハハ!そう心配するでない!」

と誤魔化した

が、しつこく聞いてくるフレアにイラつきある

"施し"をすることに決めた。


「下ろしてください…!お願いしっ………―――――」

お願いします! とでも言いたかったのだろうか……

その言葉は発することが叶わなかった。

何故なら…リーゲルがフレアの首を掴み、馬車の壁に

強くぶつけたからだ。


「……………ガハッ……はうっ…………………あッ……………」

フレアは息が出来ずもがき苦しんでいる。

 

リーゲルが

「安心するがよかろうて……ちょっとした"施し"をするだけじゃからな…」


と言って予備動作無しで発動させたのは

催眠魅了(精神屈服)》という魔法だ







この世界には大きく分けて二種類の魔法の発動方法がある。


魔法の詠唱を開始してから魔法陣が展開し詠唱が終わると同時に魔法陣が完成し、すぐ発動する魔法。

終わると同時に魔法が発動する訳であり、とっさの

攻撃に役立つのだ。

簡単な魔法から高難易度な魔法まである……

これを               

          "詠唱式"    


と言う。


もう一つが

詠唱中に位置座標、つまり攻撃したい相手の位置を

魔法に入れ込み、そこに魔法効果を及ぼすと言った

魔法なのである。

詠唱式と違って、どれだけ離れていてもその座標に

魔法の効果を及ぼせるので遠距離から攻撃したり、

切り札として使われることが多い。

この魔法を

                      

          "指定式"

                       

と言うのだ。


指定式の利点はやはり、どれだけ離れていても攻撃できるという点であるが…デメリットとして、詠唱難易度が高く詠唱時間も長い……


指定式に使う位置座標というのは、視認できる範囲であればそこに効果を及ぼせる、数km離れた地点にいる敵は《感知魔法》などで、位置を特定し魔法に組み込む事で超遠距離攻撃を可能とするのだ。


指定式はとても強く便利であるが習得に時間がいる

普通の魔法使いが、十年以上修行した結果使えるようになるというレベルの難易度なのだ。

                 

                   

               

           

この、詠唱を終えればすぐさま発動する"詠唱式"

遠距離攻撃も、できて意表を突ける"指定式"

の二つを上手く使いこなしながら戦うのが魔法戦闘の

醍醐味なのだ。



が、ここで例外が三つある。

その三つというのは……

"保存式"

"無詠唱魔法"

"家系魔法"

の三つだ。


"保存式"と言うのは、指定式ととても相性が良い。


たとえば都市の座標を大規模魔法に組み込み

保存式で"保存"しておき、いざとなったら何時でも都市に魔法効果を出せる事ができる

なんていうチートレベルの事ができるのだ。

保存式というのは、名前の通り魔法を保存できる

効果を持っているのだ。

                    

                       

"無詠唱魔法"とは、名前の通りで詠唱を必要としない魔法なのである。

無詠唱魔法は"イメージの強さ"によって発動できる

魔法が限られる。

イメージ力が無いものは、難易度の低い魔法しか

発動出来ないが、イメージ力が強い者は大規模魔法も

詠唱なしで行使できるであろう。

この魔法は個人差が一番でる魔法であろう。



"家系魔法"とは、先祖代々伝わる魔法である。

この魔法が一番強く、そして珍しい。

魔法とは、属性が分かれている。


火、水、風、雷、地、


そして上位属性の


闇、光、無


この八の属性が世に伝わる"八大属性"と言うものだ。



極稀に人の体に八大属性のいずれかの魔力が体に宿り、その者の子供が産まれた子供にも火属性の魔力が宿っている事があるのだ。


まず…魔力が体に宿ること自体とても珍しいことなのだが……


この魔法のデメリットは

無詠唱で行使でき、出力調整も自由自在、無詠唱魔法と同じく、イメージの力で変わる魔法なのだ。


そして最大の利点が……もう一つある……それは………


後世になって行く程、属性が混ざり合い属性の強さが上がったり、新しい属性が生まれるのだ。


例えば、火の魔力を取り込んだ者と雷の魔力を取り込んだ者同士が子供を作れば、雷の魔法の威力が増す。


火と風が混ざり合えば極稀に、熱風属性になることがある

他にも

爆炎、轟雷、激流、空虚、突風

など、珍しい属性が生まれるのだ。 


後世になるほど強く珍しくなって行く……

これが"家系魔法"最大のメリットなのだ。


話を戻して…


リーゲルが使った魔法《催眠魅了(精神屈服)》は

"無詠唱魔法"だ。


リーゲル自身、全盛期の頃は大魔法使いとして

冒険をしていたのだ。

歳をとり、冒険者を引退した後、キレイストの建国を魔法技術で支え、太公の位を授かった建国の立役者なのだ。


老いた今でも簡単な無詠唱魔法くらいなら

使えるリーゲル

催眠魅了(精神屈服)》を受けたフレアは心をリーゲルに支配されてしまったのだ。




「ヌフフ……これから楽しみといこうじゃないかぁ……」


「や………おや…め…くだ…」


そう下品に笑い、嫌がるフレアの胸に手を置く

欲望がリーゲルを暴走させる…

フレアは抵抗したいのに抵抗できない……


そして―――――――フレアは"心も体"もリーゲルに支配

されてしまったのだ。





これがリーゲルとフレアの出会い。


そしてフレアは王国騎士団に入り腕を磨き

筆頭の地位につく。


リーゲルの望みのままに動く最強の騎士。

その者が…ユウキを暗殺しようと…動き出したのであった。




           ✵ 

           ✡

           ✵





はぁ、とため息をつく銀髪の青年…

それは、僕です!

はい!ユウキです!


とまあ、ゴミを拾え!建物を修復しろ!

と宣言して三ヶ月……

結構民度が良くなってきた。


僕の仕事…書類仕事や貴族たちの対応が終われば

護衛を引き連れて、建物の修復作業を手伝ったり

した成果かな……!!


でもこの三ヶ月でわかった事がある。

それは、僕の体について。


僕の前世…つまりアルトと剣を修行していた時の記憶がある。つまり知識が今の"僕"にも受け継がれている

と言う事。

それともう一つ、受け継がれている物があるんだよね

それは――――――


          (パワー)さ!!


僕の体重より何倍も重い石や丸太、修復作業で出る

そういう物がじゃまで持ち上げようとしたんだよ

そしたら軽々持ち上げられるんだよ!!

ビックリしたね………あれは…


僕の予想では前世の筋力、知識が今の"僕"に受け継がれている。


僕の記憶が発現する前のこの体の持ち主…

つまり…

ケルニオスの本当の息子さんの

筋力&知識+前世の僕の筋力&知識

だと思う。


………ケルニオスさんには申し訳無いけど…僕は

違う"ユウキ"なんだよね……


貴方の息子はもういません。


なんて言えない……

すこしだけ思う事はあるものの

もう一度もらった

チャンス………大切にしよう、と僕は思ったのであった。



と自室でそう思っていると、ある人物が入ってきた。

その人物とは―――――

「失礼します。新規入団兵の視察の時間です。」

そう言って入って来たのは、王国騎士団筆頭騎士

"フレア"だ。

僕は「うん、今から行く」と答え、フレアと共に部屋を出たのだ。


向かった先は、騎士団が訓練している訓練施設所だ。

そこには60名ほどの新米騎士が勢ぞろいしていた。

僕の仕事は、その者達の視察と『これから、よろしく』的な事を伝えるだけの簡単なお仕事だ。


壇上に上がり僕がスピーチをする

スピーチを終えたあと、全員敬礼をしてくれた。


よしっ、スピーチは終わり、なので後は視察だけ。



スピーチを終えたあと、教官が新米兵達に訓練内容を話しそこから、訓練が始まる。


素振りや、体作り、それに戦術てきな視野を広げるための座学……めんどそうだな〜と、思ったのは秘密。



すると僕の視界にある一人の新米兵の姿が目に入った

その者は、力任せに剣を振り立ち回りも雑だ

だけど、その者には…何故か…惹かれるものがあった。


その者の特訓姿を見ていると目があった、そして敬礼をしてくれた、流石に無視するわけにはいかないので

手を振っておいた。

何故…こんなにも惹かれるのだろう…。


その者の剣筋からは誰かを守る為、の気配が感じ取れた…。


もしかすると……昔の僕と重なったのかも…しれないな

"夢"のために…毎日剣を鍛錬した…あの頃の自分と……

なんて思っていると訓練が終わった。


新米兵達が帰って来ている途中、今先程目があった

者とばったり出くわした。

すると、その者は頭を下げてこう言った。


「ユウキ様!先程、手を振ってくださり……ありがとうございます!!…俺の名前は、キルハ と申します!

何卒よろしくお願いしますっ!!」


元気のいいヤツだ…

後ろに居た教官に怒られそうな気がするケド……

まあ、それは僕が知る範疇(はんちゅう)ではないな…!


キルハという名前を覚え、今日の視察は終わったのだ



こうして僕の忙しい一日は、何事もなく終わったのであった。




           ✵ 

           ✡

           ✵




「クソッ!!あと……もう少しで……もう少しで………」

そう激しく苛立っているのはリーゲルだ。


実はリーゲル、数年前から体調を悪くしており

ここ最近になって、業務も出来ないほど体調を崩す日が多くなってきたのだ。

これは駄目だと思い、魔法で体を調べたところ……

難病の疑いが出てきたのだ。


(もう少しで………あの小僧を(しい)せると言うのに……)


フレアは一向に暗殺をしようとする気配がない…

何故なら機会を伺っているからである……。


そうとも知らないリーゲルは

頼れる駒が使えないのであるならば…自分でどうにかするしかない…と、考えてしまったのだ。


王位を継いだら、後は後継者にリーゲルの息がかかった者を選べば良い…。


自分が政治を出来ないのは癪だが……それでも今の政治よりかは、幾分(いくぶん)マシというものであった。


病気になったことは、リーゲルの頼れる右腕の

ガゼスにも言っていない……。


(儂が直々に小僧を殺して……そのまま王位を乗っ取ってやるわい……)


実はリーゲル、ユウキの一族…つまり王家の一族に

恨みを持っているのだ。


その事はリーゲル自身思い出したくもない過去で

ある故………怒りで我を忘れそうになる、リーゲル…


このままユウキを殺そうとリーゲルは暴走を始めた。


自身の最強の手駒である、フレアになにも言わず……


強欲な老人の選択が

自身をも…そして自身を慕う者も

……破滅に向かうとも知らずに……。


暴走したリーゲルはもう……誰にも止められないのである………………。             

今回はまあ…はい…

大人なシーンがありましたね…。

はい。

次回は老人暴走、からの信頼の損失てな感じです!

では〜また〜し〜ゆーあげいん!

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