イケナイコト
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夜8時、春休み中の俺は早めに筋トレ、茜とのランニングを済ませて、風呂と晩飯を取ったあとゲームに耽っていた。
ピコン!
すると、フレンドがログインしたことを知らせる通知が来たと思ったらすぐにボイスチャットが入ってくる。
『レンさん、聞いてください!無事に高校合格しました!』
「そっか、今日合格発表か、おめでとう」
『ありがとうございます!これで心置きなくゲームに専念できます!』
「ははは、そうだな。ピーちゃん最近はずっと不安でゲームどころじゃないって感じだったもんな」
『そうなんですよー!今日はじゃんじゃんキルしますよー!』
「さすが高校生、頼もしい。」
『そうでしょ〜、ていうか聞いてくださいよ。男子たちが話してたんですけど、ウチの高校にすっごい人が居るらしいんですよ』
「へえ、芸能人か何かか?」
『そうなんです、この間NyanNyanって言う雑誌の表紙にもなって最近人気の川本あゆさんってモデルさんなんですけど』
「…へ…へぇ」
『芸能人と同じ高校なんて私初めてです!そして噂じゃ、川本あゆさんの彼氏がヤバい人らしくて…なんでも二股、三股のクズ男らしいんですよ!』
「クズ男…」
『二股、三股なんて最低です!しかも全員すっごく可愛いらしくて、新入生男子達の中では神って呼ばれてて…ほんと、最低です!』
「神…」
『私は、前に街中で会った人のような紳士で優しい素敵な男性がいいです!まぁ…レンさんみたいに話してて落ち着ける人でもいいですけど…』
「…」
以前、街で会ったことと今までの話の内容からもしかして俺の通っている高校を受験しているのではないかと思っていたが、そのまさかだった。
その噂のクズ男が俺だと分かったら彼女は一緒にゲームをしてくれなくなるだろう。
ここまでよく懐いてくれて、妹のような可愛さの彼女に嫌われるのは少し嫌だな。
たが、ピーちゃんにはあの時、街中で会ったのが俺とバレてないし俺の地元がどことかは話していないので、相当なボロを出さない限りバレはしないだろうが。
というか、新入生の間で既にそんな噂が回っているのか。
俺も有名人になったものだ。
『ってレンさーん!レンさーん!聞いてます?』
「ん?あ、ごめん、ほんと二股、三股なんて最低なヤツだな」
『…もう、大事なとこ聞いてないんですから』
「とりあえずワンマッチ行きますか」
『はいっ』
1時間後
「ふぅ、じゃあ俺は今日はここまでで」
『はーい、私はなんだか調子いいのでこのまま暫く続けます』
「おつかれー」
『お疲れ様でーす』
さて、今日はうちの両親が帰ってこないので茜が泊まりにくることになっている。
ゲームをする前に片付けなどは済ませているから後は待つだけ、なんて考えていると丁度良くインターホンが鳴る。
「ん、来たか」
俺は部屋を出て、茜を出迎えに行く。
ボイスチャットを切り忘れていることにも気付かずに。
『ピンボーン…ん、来たか』
「あれ?レンさん?ボイスチャット繋がったまま?ふふっ、おっちょこちょいですね」
『それでねあゆってば1人でお菓子全部食べちゃうの』
『ははっ、あゆらしいな』
女の人の声?レンさんの彼女かな。少しショックだ。
ここ半年くらいずっと一緒にゲームしてるけど、彼女が居るなんて聞いたこと無かった。
そういう話もしてないんだけど…知ってるのは一歳年上で、筋トレとゲームが好きなことくらい。
いつも優しく、うんうんって私の話を聞いてくれてばっかりだったから、彼のことは良く知らない。
たがら、いけないって分かっていながら、私の知らない彼の様子が気になって接続を切ることができなかった。
『久しぶりに2人きりだね』
『そうだな、なかなか時間を作ってやれずすまない』
『私が部活で忙しいから仕方ないよ』
『茜、おいで』
『ふへへ』
きゃー!?ナニコレ、何これ!レンさん?レンさんですよね!?いつもと違いすぎてやばいです…恋人といる時はあんな風に喋るんだなぁ…
『チュッ…チュッ』
『ひゃぅ、首はダメぇ』
『茜、こっち向いて』
『蓮…はぁ…はむっ…チュっんむっ』
ええぇ!?ダメダメ!これ以上はホントにダメなヤツです!
そう思いつつもジッと固まって聞き入ってしまいます。
スルスルと衣擦れの音、体勢を変えるたびに聞こえるベッドのスプリングの音。
そしてぴちゃぴちゃと粘膜同士が触れ合い、立てる水音がしっかりとヘッドセットを通して聞こえてきます。
気づけば音量はMAXでレンさんと彼女さんの荒い息遣いが、行為が、私のすぐ近くで行われているような感覚に陥ってしまって…
ちんちくりんで恋愛なんてものとは無縁の私だけど、男女がそういうとこをして快感を得てるのは知識として知っている。
そして今、体がジンジンと火照って何処を触れば快感を得れるか訴えかけてくる。
ドクンドクンと大きくなる自分の鼓動と、鼓膜を揺らす官能的な音に頭がおかしくなりそうな程にクラクラする。
今まで一度もそういう目的で触れたことがない胸と、足の間へ自然と手が滑り動いていく。
『はぁ…れん…焦らさないで…ちゃんと…触って』
『焦らされるの嫌なのか?』
『嫌…じゃないけど…もう…充分っあぁっ…急に…キュってしないでぇ…』
通信先で行われている行為をなぞるかのように、左手でパジャマの上から自分の無い胸を揉む。寝る前なのでノーブラの私は、その中心にある物が既に硬くツンッと主張しているのが分かる。
そこを爪で掻くように弄ると、くすぐったいようなピリピリっとした感覚に息が漏れる。
「はぅ…」
もう一度、カリカリと爪先で弱い刺激を与えて自分なりに焦らしてみる。
そしてキュッと先端を摘んでみた。
今までより一層強い刺激が体を駆け巡り、胸の先を弄っている筈なのに、足の間もなんだかムズムズとしてくる。
「はぁっ…んっ…気持ちいかも」
なんだか凄くイケナイ事をしている気分だが、体の火照りは取れず手は止められそうに無い。
『茜、足閉じるなよ』
『だって…気持ちいいけど…恥ずかしいよぉ』
そんなやり取りが聞こえて来たかと思ったらぴちゃぴちゃと何かに吸い付くような音。
そして更に甘く甘美な声で鳴く女の子の声。
「はぁっ…はぁっ…」
私も気づけば呼吸が荒く、次は右手で足の間のムズムズする箇所へとパジャマの上から指を這わせる。
するとある一点を指が通るたびに背筋に電気が走る。
初めての感覚にクラクラする。
気付けば、パジャマの上からでもわかるほどにシミが出来ていた。
ズボンを脱ぎ、下はショーツだけになる。
『はぁっ…いっ…ちゃう…んんぅ!!っはぁ…はぁ』
『俺もそろそろ我慢の限界だ、挿れるぞ』
『はぁ…まって…いったばっかりだからぁ…ぁあっんんぅ』
いつの間にか右手をショーツの中に忍びこませ、シミの原因であるヌルヌルとした感覚で滑りをよくしさっきよりも早く激しく指を動かす。
もう少し、もう少しできっとこの体の火照りを、疼きを収めることができる。
ヘッドセット越しに聞こえる甘美なBGMも遠のいて、込み上げてくる感覚に集中する。
ぴちゃぴちゃとさっきまでヘッドセット越しに聞いていた音が自分が指を動かす度に聞こえて来る。
「はぁっ…はぁっ…んぅんっ…はぁっ」
そしてその瞬間は急に訪れた。
一層、強烈な快楽と共にビクンと体が揺れ脱力感に襲われる。
先程まで必死に動かしていた指は止まり、あれほど夢中に弄りまわしていた部分は今は触れるだけで不快感がある。
体に上手く力が入らない、その場にコロンと転がる。
ヘッドセットからは一層激しい音が聞こえてくるが、もう聞く気は起きない。
ふぅふぅと荒い息を徐々に整え、火照った身体も少しずつ冷めていく。
それがなんだか心地よく、そのままその場で眠りに付いた。
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