トナカイとサンタと聖なる夜
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時は遡り、12月25日クリスマスパーティ当日。
集合時間きっちりに3人揃って家へやってきた。
「「メリークリスマース!」」
「メリー…クリス…マス」
「メリークリスマス!いらっしゃい、寒かっただろコーヒー入れるから飲んでくれ」
3人をリビングに案内し、インスタントコーヒーを用意する。
粉をマグカップに入れ、お湯を注ぐ。
このお湯を注ぐときのふんわり甘い匂いが漂う瞬間が好きだなぁなんて思いつつ3人分用意する。
「ありがと」
「あったまるー」
「おいしい…」
3人とも席につきゆっくりとコーヒーを飲みながらくつろぐ。
「コーヒーも飲んで温まったし、ケーキ作り始めますか!」
茜の言葉を切っ掛けに、3人はキッチンへと向かう。
「じゃああゆは生クリーム作ってね、氷乃先輩はイチゴお願いします」
「は〜い」
「がんばり…ます」
茜は卵を割って混ぜたり、レンジでバターを溶かしたり手際よくこなしていく。
「ん〜、このくらいかなぁ」
あゆは生クリームを少し混ぜてはすくって味見を繰り返している。
「…」
氷乃先輩は黙々とイチゴを切っていく。
1人問題児がいるが手際は悪くなく、完成に期待が出来そうだ。
俺は今のうちに全員分のプレゼントの用意でもして置こうかと思ったその時。
ピンポーンとインターホンが鳴る。
何か配達物でも届いただろうか??
なんて思いながらモニターで外を確認すると、師匠の顔がドアップで映し出されていた。
「は、はい」
『とりあえず玄関開けろ』
「わかりました」
我が師の久しぶりの登場に戸惑ってしまったがとりあえず玄関へと向かい、扉を開ける。
「メリークリスマース!」
するとそこにいたのは真っ赤な帽子に真っ赤な洋服を着た師匠がトナカイに乗っていた。
トナカイ?いやなんだアレは、トナカイというか半裸の少しふくよかな少年が、赤い鼻と、カチューシャタイプのツノをつけられている。
コスプレ…と呼ぶには余りに雑すぎる仮装に俺は無視することにした。
「お久しぶりです」
「ほらクリスマスプレゼントだ。」
そう言ってドデカい袋の中から包装された箱を一つ手渡される。
「ありがとうございます、ではクリスマスパーティ中なので失礼します…」
「まぁ待て、そう急ぐな。どうだ、立派なトナカイだろ」
「え、えぇ。そうですね…そのトナカイどうしたんですか?」
「そこで拾ったんだよ」
「お師匠殿!こんなことでホントに拙者にも彼女ができるでござるか!?」
「トナカイが喋るなって言ったろ、ヒヒーンとだけ鳴け」
トナカイの鳴き声ってヒヒーンじゃない気がするのは俺だけだろうか。
鳴き声聞いたこと無いから知らんけど…
「ヒヒーン!…しかし!!俄にわ信じ難いのでござる!」
「見ろ、目の前にいるのがお前の兄貴分だ。俺様の指導のおかげで今じゃ3人も彼女連れてんぞ」
「そ、そうですね…今日もこうしてクリスマスパーティを開けるのも師匠のおかげだと心から思っています」
「兄上!それは誠ですか!?たしかに玄関には女子の靴が3足…」
「まぁコイツのようには行かねえかもしれねぇが、彼女の1人くらいできるようにしてやるよ」
「師匠殿!…拙者一生ついていくでござります!」
「つー訳で、今日からお前の弟分だ。来年からは同じ高校に通い始めるからお前が面倒みてやれ」
「わ、わかりました」
「兄上!不束者ですがご教授の程お願いします!」
「とりあえずテメェはその無駄な肉を落とすとこからだ、このまま俺様乗せて地域のお子様達にプレゼント配りだ。いくぞ」
「ヒヒーン!!」
「なんだったんだ…」
こうして俺は弟分を手に入れた。
「蓮くんまだ〜?」
「あ、あぁ。もう戻るよ」
パタパタとスリッパで音を立てながら、家から出てきたあゆと共に戻ると、部屋中に甘くいい匂いが漂っていた。
「よしっ、あとはオーブンに入れて焼けるのを待つだけっと」
「じゃあそれまでプレゼントの時間にしよ〜!」
「そうだな、じゃあまず茜から」
「私?なんだろ、ドキドキするなぁ」
「茜にはルームウェアだ」
「えぇ!嬉しい!もふもふ可愛いなぁ」
「蓮くん蓮くん!私は?」
「あゆにはコレ、ヘアオイル」
「んー!ここのブランドのやつ使ってみたかったんだぁ、ありがと!蓮くん」
「氷乃先輩にはイヤリング、あんまりアクセサリーを使ってる所を見たことがなかったけど似合うかなって」
「…あり…がとう…使って…みるね」
女子3人でプレゼントの見せ合いをし、キャッキャっとはしゃいでいる。
これ以上ない、平穏で幸せな光景だ。
「じゃあ蓮くんにも私たちからプレゼント!」
「準備してくるから待ってて」
「…」
そう言って3人で部屋を出て行き、廊下で何やら準備しているようだ。
楽しみにしながら、リビングで待つこと5分。
ガチャリと扉が開く。
そこに現れたのは3人のサンタ。
それもただのサンタじゃない、ミニスカサンタだ。
オフショルダーで首筋から肩まで肌が露出しており、ベルトの代わりに白いリボンが巻かれている。
「ね、ねぇホントにするの?」
少し緊張した面持ちの茜が、あゆに言う。
「せっかく練習したんだから!ほら、せーのっ」
そして、観念したかのようにスッと息を吸うと顔を真っ赤にした茜が前屈みになり、胸を寄せながら言う。
「プレゼントは私たちだニャン…!」
「蓮くんの為に可愛い下着着てきたにゃん♡」
そう言いながらスカートの裾を指で摘んでギリギリまで上げるあゆ。
「め…めちゃくちゃに…してほしい…にゃん」
コテンと首を傾げながら言う氷乃先輩。
クリスマス。
聖なる夜に訪れた3人のサンタクロースは俺を性なる夜へと誘うプレゼントを持ってきたのだった。
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