湯煙
最近寒いですね、こんな時は温泉に行って体の芯から温まりたいですね。
感想評価お待ちしてます。
「ふ〜ん、それでまた連れてきてくれたんだ…」
白く立ち込める湯気は、前に来た時よりも色濃く揺れる。
それはお湯と外気の温度差を、冬の訪れを知らせる自然が生み出す温度計。
肩から上は冷んやりと肌寒さを感じさせるが、温かなお湯に包まれ、身体の芯はホカホカと熱を持つ。
それはきっと、目の前にいる茜色の髪をした少女も同じだろう。
白い肌は紅潮し、汗なのか、お湯なのか、玉のような肌に張り付く水滴達は時折、彼女の身体をなぞるように重力に引っ張られ深い谷間に消えていく。
左耳にかけた髪、濡れた毛先があどけなさの残る少女を大人へと近づける。
キラキラと照明の光を反射する水面から透けて見える彼女の身体はタオルを纏ってはいるが、酷く扇情的だ。
息が詰まるのは、この濃ゆい水蒸気達が肺を満たしているからなのか、彼女の色香の前では呼吸さえ忘れて魅入ってしまうからなのか…きっとどちらもだろう。
じっと此方を見つめる大きな瞳を見つめ返し、ゆっくりと顔を近づけ、唇が触れ合った。
11月、秋も深まり冬に近づく。
バイト終わりに風に吹かれ、身震いをする。
あー…寒くなってきた、こんな日は温泉にでも入って温まりたい。
ん?それにそう言えば今日は初の給料日だ、バイクに乗って温泉にでも行こうか、そう決めた俺は最近、あゆや氷乃先輩との時間の方が多く茜との時間を作ってあげられて無かった事を思い出し茜へ電話する。
『もしもし?どったの?』
「もう風呂入ったか?」
『先にご飯食べてたからまだだけど…』
「温泉、行こうか」
『行く!すぐ準備するね!』
ガサガサと準備を始める音を微笑ましく思いながら、迎えにいくと告げ電話を切る。
自宅の前で待つ彼女の前でバイクを止め、ヘルメットを手渡す。
もうすっかり慣れた様子で、ヘルメットを装着すると軽やかに後ろに飛び乗ってくる。
「しっかり捕まってろよ」
「うん」
そう言って俺の体に回した手に力を入れるのを確認し、ゆっくりとアクセルを回わす。
風が冷たい、茜に厚着してくるように伝えていて良かった。
冷ややかな空気の中、互いの温もりを感じながら温泉へと向かった。
「どうするの?別々?」
「一緒に入りたい、家族風呂でもいいか?」
「えっち…」
その短い一言を肯定だと受け取る。
少し頬を赤らめる彼女を待たせ、受付を済ませる。
お店の人に何か言われないかとドキドキしながら鍵を受け取った。
個室に入ると暖色系の照明が、焦げ茶色の床を照らしていた。
着替えが入ったバッグをソファの上に置く。
静かな空間に、水温だけがチャプチャプと鳴り響く。
「蓮…先入ってて」
「あぁ、わかった」
そう言って先に服を脱ぎ、ガラス張りの引き戸を開けお湯に浸かる。
暖かさに包まれ、幸せを感じながら部屋の方を見るまいと鋼の精神で彼女を待つ。
すぐにガラガラと引き戸が開かれ、真っ白なバスタオルに身を包んだ彼女が現れる。
あどけなさの残る少女だが、身体は成人男性だろうとたじろぐ程の色香を放っている。
きっと某ライトノベルに出てくる、美の女神を前にした時はきっとこんな感覚なのだろう。
真珠のような照りの有る肌に、バレーボールで鍛えられた健康的な下半身、生まれ持った胸囲はむせかえる程の色気だ。
「ふぅーあったかぁい…サイコーだね。けど、どうしたの?急に温泉行きたくなったの?」
「最近、茜に迷惑かけてばっかりで2人きりの時間も取れてなかったし、あと初のバイト代入ったからな」
「ふ〜ん、それでまた連れてきてくれたんだ…」
「いつもごめんな」
「ホントだよ、もう。あゆの事だって我慢したのに、次は氷乃先輩なんて…みんな可愛いからいつ私に目が向かなくなるのかって…不安なんだから…」
そう言って徐々に涙目になっていく彼女。
初めてこの歪な関係に対する茜の気持ちを聞いた、そうか、俺が茜に目を向けなくなるなんて思って無くても茜からすると不安なのだ。
彼女がたまらなく愛おしくなり、抱きしめる。
「我慢してくれてたんだな、ありがとう。
これからもずっと側にいてくれ」
「うんっ…いいよ、蓮の頼み断れないもん…」
「愛してる」
「私も愛してる…ところで、さっきから当たってるコレは何??」
いくらシリアスなシーンだとしても、彼女と裸で抱き合って無反応で居られる男なんて存在しない。
仕方ない生理現象なのだ。
茜はニヤニヤとコチラをみながら、コレは何かな〜と言いながら指先でツンツンと突いてくる。
「仕方ないだろ、茜に触れて我慢なんてできないんだから」
ツンツンと突くのをやめ、小指、薬指、中指、人差し指、親指の順番で5本の指でゆっくり優しく包み込みギュッと軽く握ってくる。
「えっち…お口でしてあげるね」
そう言ってその場で俺を立たせ、血色の良い真紅の唇と舌で奉仕してくる。
温泉で上がった体温と、彼女が送り込んでくる刺激に視界が白く点滅する。
もっと、もっとだ、もっと強い刺激を…
刺激を欲するあまり無意識のうちに彼女の頭を押さえ、奥へ奥へと侵入させる。
「んんっー!!ごほっ…こほっ…苦しいよぉ」
「はぁ…はぁっ…悪い…茜が欲しい」
「いいよ…」
そう言ってお湯が流れ込んでくる横の大きな岩に両手をつけ、まさに上質な真珠の様な臀部をコチラへ差し出す。
「私も、我慢できない…」
その一言で俺の理性は吹き飛んだ。
静かな森の中、彼女の艶めかしい声だけが鳴り響く。
彼は若さ故に、無限に湧き立つ欲求を尽き果てるまで彼女に荒々しく注いだ。
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