WORKING!
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氷乃先輩が、劇的デビューを果たし放課後を迎える。
珍しく部活が休みの茜と、あゆ、氷乃先輩と4人揃って帰路に着く。
「氷乃ちゃんすっごい人気だったねー!」
あゆは先輩すら付けなくなった。
控えめな性格で中々、人との距離を詰めれない氷乃先輩にはあゆの強引さぐらいがちょうどいいのだろう。
「ほんとほんと、ウチの男子達も休み時間みーんな見に行ってたよ」
「明日から…眼鏡に…しよう…かな。注目されるのって…疲れる…ね」
「えぇー、せっかく可愛いのにぃ…もったいない」
「眼鏡の氷乃先輩だって可愛いぞ、それに他にちょっかい出されたくない」
「じゃあ私達も明日から眼鏡かけてこよっかな」
「そうだね、茜。蓮くんが不安で授業に集中出来ないと困るもんね」
うんうんと頷く2人、ポッと頬を赤くして下を向く氷乃先輩。
そんな2人の漫才をスルーして提案をする。
「そうだ、4人揃って下校なんて滅多にないだろうしスタバにでも寄ろうか」
「「いいねー!賛成!」」
「うん…」
そうして4人で仲良く、スタバに寄って帰った。
今回の支払いは俺がしたが、コーヒー代と言えど4人分ともなると結構する。
金策をそろそろ考えなくては…
旅行に、バイクのガソリン代、デート代も含め流石にお年玉貯金も心許なくなってきたし、金を得るためにアルバイトをすることにした。
『金?俺が経営してるホストクラブででも働くか?』
師匠はそう言ってくれたが、流石に未成年。
酒も飲めないホストなんかお荷物なだけだろうしお断りした。
近所の焼肉屋が厨房のアルバイトを募集していたので、面接を受け無事合格となったので今日から初出勤だ。
客として来る際には使わない、裏口から店内へと入る。
「お、蓮おはよっ、初出勤がんばれ〜」
「陽さん、おはようございます。」
最初に出迎えてくれたのは、陽一さん。
大学生で、金髪のロン毛にいかにもチャラ男と言った見た目だが物腰は柔らかで面倒見のいい人だ。
面接を受けに行った時、色々と丁寧にせつめいしてくれて仲良くなった。
着替えて、厨房に向かうと陽一さんともう一人、短めの茶髪に、ヒゲを生やしたちょい悪系の人と一緒にいた。
「ほら、前に説明したウチの厨房で飼育してるゴリラ」
「誰がゴリラやっ!」
「ごめんごめん、大ちゃん。今日から働く蓮だよ、挨拶して」
「ゴリラの次は子供扱いすんな」
「今日からよろしくお願いします、伊藤蓮です」
「あー蓮ね、よろしく。俺は大介、呼び方はなんでもいいよ」
「なんでもいいん?じゃあゴリラって呼ぼうか」
「陽一…お前ふざけんなよ」
「ごめんごめん、今度マチュピチュ奢ってあげるけん」
「マチュピチュ?なんそれ」
「知らない?今めっちゃ流行っとるお菓子でめちゃくちゃ上手いんよ」
「へぇ〜、食べてみたい」
「やっぱゴリラやねぇ、マチュピチュ知らんの?世界遺産よ?」
「おまっ、また嘘つきやがって!」
「マチュピチュすら知らんってやばくない?こんな感じでバカやけん蓮もゴリラ扱いしていいよ」
正直、2人とも見た目はチャラかったり、コワモテだったりで苦手なタイプだがいい人そうだ。
その後は、仕込みの準備や注文が入った時の料理の出し方など色々教わりながら業務をこなした。
「おつかれさまでした」
「おう、おつかれー」
「おつかれさん」
俺は高校生なので9時までで上がらせられる。
大学生達はラストまで残り、賄いを食べて帰るらしい。
慣れない作業で疲れた。
役に立つどころか、足を引っ張ってばかりの初日だったな。
皆んないい人なので続けられそうだ。
なんて思っていると携帯が鳴り、LINEの通知を知らせる。
最近は個人LINEはあまりしておらず、俺、茜、あゆ、氷乃先輩の4人で作ったグループラインでやり取りをしている。
『初出勤おつかれー!』
『蓮くんお疲れ様っ♪』
『お疲れ様、頑張ったね(´・ω・)』
上から茜、あゆ、氷乃先輩、三者三様に労ってくれる。
慣れない場で俺も緊張していたこともあり、3人からLINEが送られてきただけで酷く安心する。
彼女達が居れば俺は頑張れる、そう改めて実感しながら帰路に着いた。
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