宣言
ブックマークだけでもいいから…
翌朝もいつも通りの時間に目覚め、朝のルーティンをこなす。
茜とのモーニングコールも終わり家を出た。今日から俺は川本を守る。
学校に着き、川本のクラスを覗くと、もう既に登校していた。
だが、相手はクラスのいや学校のマドンナと言っても良いほどの人気者。
違うクラスのあまり見慣れないやつが入るだけでも注目されるというのに、そんな中クラスに入って彼女に声をかけるのは正直ハードルが高い。
あぁ、ダメだ。この考え方は昔の自分と変わらない、人に注目される恐怖心といものは中々慣れない。
だが行くしか無い、男らしく堂々と当たり前かのように振る舞う。
クラスに入ると何名か、アレ誰といった目を向けてくるがそんなのは無視だ。
数名の友達と話しているのに夢中でコチラに気づかない彼女に声をかける。
「川本、ちょっといいか?」
瞬間、先ほどまで騒がしかったクラスがシーンと静まり返る。
そこにいる生徒全員が俺と川本の会話に聞き耳を立てているような状態。
「茜の彼氏が私に何の用?」
“茜の”に強くアクセントを置いてそう答えた彼女の一言によりまたクラスがザワつき始めた。
え、茜ちゃんの彼氏?篠原落としたやつってアイツかよ、あんなイケメンいたっけ?
コソコソと一斉に話し始める。
やってやったわとしたり顔の彼女を見たところ、どうやら昨日の件はまだご立腹らしい。
だがしかし、挫けてはいけない。
ここで動揺して情けないところなんて見せたらそれこそ雑魚認定されて川本と関係を持つには一歩遅れるだろう。
感情を無にし、笑顔で用件を伝える。
「昨日の事で話があるんだ」
少しは慌てふためくと期待していたのか、彼女は不服そうな顔をした。
「それで?またここで私にキスするの?」
校内でもあまり使う人のいない階段に移動したところで、壁に寄りかかり腕を組みながらそう言う。
たしか、腕組みは心理的なガードを意味するんだったかな。
まあ警戒されるのは仕方ない。
「ストーカーに遭ってるのか?」
ピクッと細く白い指先が動く。
「なんで知ってるの…」
ここで正直にドローンで見てたマッチョが居てと言ってもいいが、少しでも俺に関心を持たせる為自分で気づいた事にする。
「昨日帰りに小太りでメガネの男が電柱から飛び出してきて轢きそうになったんだ、そいつ川本が出てる雑誌握ってたからさ」
「また来てたんだ…」
組んでいた腕でそのまま自分を抱きしめるように掴む。
そりゃ怖いだろうな、男の俺だって知らない奴に付け回された怖い。
ましてやか細い女の子、相手が本気で襲ってきたら力で勝ち目はなく、されるがままだろう。
可哀想に、どうにかしてあげたい。
怯えている彼女を見ると、下心無し本気でそう思った。
「だから守ってやる、今日から俺が送って帰る」
パッとこちらを向いて明るい表情になる。
「いいの?」
「あぁ、任せろ」
「けど茜に悪いよ…」
「茜はあゆを守ってあげてってさ」
そう伝えると、元から大きな目を更に大きく見開き、少し涙を浮かべながら笑って、ありがとうと彼女は言った。
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