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恋愛を学んだらハーレム作れた件。  作者: ミルクソフト
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夏休みデビューな関係

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数が減ってきたのか、以前に比べ頼りないセミの鳴き声を外に感じながら目を覚ます。

スマホを横目に見ると、アラームが鳴る3分前5時57分。

大きく背を伸ばし脱力すると、もうひと眠りしたい衝動に駆られるがぐっと堪えてベッドから立ち上がる。

朝は必ずコップ一杯の水を飲み、朝の支度をする。


ぬるま湯で顔を洗い、化粧水と乳液で保湿し髪はヘアオイルを馴染ませ整えて完成。

朝食を食べ、プロテインを飲む。

アトマイザーに移した香水を腰あたりにワンプッシュして準備完了。


準備が終わったところで着信が鳴る、表示されるのは篠原茜の文字。


『おはよ、ちゃんと起きてる?』


『あぁ、なんとか。茜の声聞いたらバッチリ目覚めた』


『ふふっよかった、じゃあ学校でね』


このモーニングコールにも意味があるらしい。

朝の忙しい時間を自分に使わせることによって、心理的なコストがかかりより自分の事を大事な存在だと認識させる効果があるらしい。


靴を履いて家を出る、まだまだ暑さは健在だ。

正直、夏休み前の俺とは別人だろう

夏休み明け登校初日、誰がどう見ても夏休みデビューをかました俺はドキドキしながら学校へ向かった。




『夏休みデビューを果たし、クラスでも指折りの美女と親しい関係になったんだ妬みの一つ二つあるだろうが、動じるな。

とにかく堂々とこれが自分なんだとどっしりしてろ。

そうすりゃいつの間にか周りもお前はそういう奴だと評価を変えるさ』



それは確かに事実なのだろうが、乗り切れるだろうか。

クラスの奴らにいじり倒されても澄ましていられる自信がない。

そう思うと少し憂鬱だ、なんて考えているとあっという間に学校に着いた。

靴箱に靴を入れ、教室へ向かう。

そんなに早くも無い時間帯なので既に半数以上は揃っている。

教室に入るとクラスメイト達はアレ誰と小声で話している、そして自分の席に着くと。

誰かがえっ!伊藤!?と声をあげたところで

囲まれた。


全然わかんなかった!変わりすぎだろ、夏休みデビューかよ!えぇー、伊藤ってあんなカッコ良かったんだ等反応は様々だ。

イメチェンしてみたんだ、と愛想笑いで受け流していると、来た。

夏仕様の制服を纏った彼女、俺の夏休みデビューの話題なんて何処へやら、人気者の彼女が姿を見せるとクラスの関心はそっちへ向く。


ひさりぶり!元気だった?夏中も部活大変だったでしょ等女子達は盛り上がり、男子連中も彼女の気を引こうと必死に夏の思い出を押し付けるように話す。


花のような笑顔でみんなに対応するあのコミュ力は感心する。

だからこそ彼女はあんなにも多くの人に愛されているのだろうなと思う。

座って眺めていた俺に気づくと彼女は近寄ってき来た。

クラスでもお調子者の橋本が篠原と話すチャンスだと思ったのか、ここぞとばかりに俺の変貌ぶりを声高々に知らせる。



「見ろよ篠原!コレ伊藤だぜ!?夏休みデビューだよ、てか伊藤のこと知ってる?」



確かに前の伊藤のこと知らなかったら変わっててもわかんねーよなと数名の仲間内で笑いが起きる。



「うん、知ってるよ…同じクラスだもん」



ちょっと不機嫌そうに答える篠原の反応が意外だったのかお調子者とその数名が焦る。



「そ、そうだよな。同じクラスの奴の名前くらい覚えてるよなっ」



はははっと乾いた笑いで必死に機嫌を取ろうとする様子の彼には目もくれず、俺の目の前まで来た彼女はそのきめ細かな白い頬を、少し紅潮させて言った。



「おはよ、、蓮」


「あぁ、おはよう茜」




その瞬間篠原派の男子たちは声が出せなくなり、女子たちはドッと沸いた。

きゃーっ!嘘!?えぇー!!など反応は様々ですぐさま茜は囲まれて、いつから!?どういう関係!付き合ってるの?!など質問攻めに合っているが彼女は顔を真っ赤にして黙りこくっている。

その間に鐘が鳴り担任が入ってきた、ざわつきはなかなか収まらないままホームルームが始まった。

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