第16札 美羽燃え上がる
前話読み仮名が間違っておりました。「凶悪」が「きょうあら」って!
と言いつつ改稿はしない筆者! 生温かく見守って下さい! ←?!
宙宇基陣は
美羽、海という二人の少女と
三つ巴戦をする事に成った!
詰まり三人一遍に、
皆敵同士で、という勝負だが。
第一ターンが終了した時点では。
全モンスターが行動無し、であった。
陣の召喚モンスター
海の殺し屋シャチ 属性:水4 技:オルカアタック
命中 火4≧土2 威力 水6/風3
古代翼竜プテラ 属性:風4 技:裂空の顎門
命中 風5>土2 威力 水4/火4
シャチの戦術カード
凶暴針毛獣ヤマアラシ属性:火3 技:毛針
命中 火5>水2 威力 土3/風2
プテラの戦術カード
闇に眼光るヤマネコ 属性:火2 技:ダークスラッシュ
命中 風2≧水2 威力 火3/土2
其して陣は考え込む。
「山札から組み直さないか?」
「其れって。
此のゲームは無し! って事ですの?」
美羽は目敏く反応する。
美羽の召喚モンスター
幻想巨鳥ロック 属性:風5 技:蹂躙の爪
命中 土5≧水3 威力 風6/火4
飛空怪獣ワイバーン 属性:風4 技:毒針の尾
命中 土4≧風5 威力 火4/水2
猛禽の王者イーグル 属性:風3 技:荒鷲の爪
命中 風5>水2 威力 土3/火2
ロックの戦術カード
鉄拳爬虫人類キーパ 属性:土4 技:正拳逆突き
命中 火4≧水3 威力 土5/風3
ワイバーンの戦術カード
陸のイタチ 属性:土3 技:イタチの最後っ屁
命中 風3≧水2 威力 火3/土4
イーグルの戦術カード
ランフォリンクス 属性:風3 技:嘴の牙
命中 風5>土1 威力 水4/火2
「まあなあ……!
第一ターン誰も行動出来ないって!
構築から不味かったんだろう……?
と、したら!
コレ続けてもグダグダに成るだけじゃあないか?」
陣が提案すると。
「えええええええ?
折角喚んだリビアたん♡が
ムダに成っちゃうじゃん!」
「其の変な語調止めろ!」
海は不平を言うが
陣が即座に突っ込む。
海が言う「リビアたん♡」が
『旧約聖書』に登場する怪物「リヴィアタン」
という事であるが。
海こそがグダグダ感の最大要因なのだが。
海の召喚モンスター
人鳥コウテイペンギン 属性:水4 技:水中飛行
命中 風3≧火3 威力 土4/水5
死の顎門イリエワニ 属性:水4 技:デスロール
命中 火3≧風2 威力 水6/土4
リビアタンメルビレイ 属性:水5 技:デスファング
命中 土4≧風3 威力 水6/火5
コウテイペンギンの戦術カード
海豚ハンドウイルカ 属性:水4 技:ドルフィンジャンプ
命中 風5≧土2 威力 水6/火2
イリエワニの戦術カード
真海豚マイルカ 属性:水4 技:テイルスラップ
命中 火4≧土2 威力 水5/風4
リビアタンメルビレイの戦術カード
人鳥オウサマペンギン 属性:水4 技:トボガン
命中 土3≧火2 威力 水6/風4
「此のまま続けませんw?」
美羽が。 やんわりな様でいて
何処か鋭さを秘めて言う。
「陣さん、わたくし達を
どうも甘く見ていらっしゃる様ですのでw?
一矢位は報いてみたいものですわw?」
「えー?!
其れは許せないな!」
海も美羽に乗るが。
「甘くは見ていないだろう?
俺だって不味いと思っているんだし!」
陣は苦々しく返す。
と。
「ご参考迄に
何処が不味いかお伺いしてもw?
どうせ後で直されるのですよねw?」
美羽がすかさず切り込む。
「見れば分かると思うが……!」
「仰って下さいw」
美羽は口調は柔らかいかの様だが
容赦なく切り込む。
ので。
「はあ……!」
陣は溜息を吐きつつ続ける。
「俺の場合は、だが。
モンスターの土能力値が
両方共2、弱いだろう?
弱点は分散させなきゃあな? ってな!」
「ふむふむ……w」
美羽は面白そうに眺め。
「ではw!
勝負の後
トレード、致しませんw?
奪い合いではなく! ですw!」
「まあ、其れならお互い
損はしない、……か?」
陣は即決はしないが。
「其れにw!
交換したら絆を感じるではありませんかw!
トレーディングカードゲーム、なのですから
トレードしなければ嘘ではありませんことw?」
美羽は嬉々として言うが。
「絆……ねえ?」
陣はもう疑いの眼差しだった。
「何だよう!
陣はあたし等のカードが受け取れないってえのか?!」
「酔っ払いの絡みかっ!!」
海は突っ込まれる様な言い種だが。
もう交換する気になっている様だった。
陣は仕方ないという風に話を纏める。
「じゃあ此の勝負が済んだら
トレード、な?
お互い損は無かった、
と思える交換をしたいな?」
「ふふふw!
貨幣制度以前の物々交換、
みたいですわねw?」
美羽は何やら楽しそうだ。
「かへーせーどいぜんのブツブツこーかん?」
海が。
理解はしていない様なのに
意外と聞こえてはいるらしい
オウム返しをすると。
陣の解説が始まるのだった。
「金! が世に出回る前は
品物を直接取り替える社会だった。
……と、
「経済学」では前提にしているが。
「文化人類学」では
其んな所は実在しない!
と言っているな?」
「其うなのですのーお?!」
驚くのは美羽であったが。
「まあ。
学問も、
先入観無く始めるのが
理想、ではあるな?
実際は。
出来ていないがな」
陣が続けると。
「陣は見てきた様にものを言う!」
海がもう面白そうに突っ込むが。
「俺だって勿論現場を見た訳じゃあないが。
本でも読んでいれば
端々に見えるぞ?
あー此れ前提がおかしいんだな! ってな!」
「例えばw?」
「其うさな?
性染色体なんかで……」
「ガイコクゴ喋るなー!」
「日本語だっての!!」
海は突っ込みからしてボケていた。
「可愛いですわw!」
「有難ーw♪」
先程も見た様な遣り取りを
美羽と海はして。
陣は溜息を吐く。
「染色体というのは。
生き物の設計図。 ですわねw?」
美羽の方は
或る程度分かっている様だ。
「其して性染色体は
性別に関わる部分、
ですわねえw?」
「ああ。
最初、
Y染色体は小さくて見付からなかったというんだが。
其の時見た奴が。
「XX」は完全だから男だ!
「X」一つのは不完全だから女だ!
とか言ったんだな?」
陣が話を続けると。
「あらw?
「XX」が女、ではなかったかしらw?」
美羽は即座に解答する。
「ああ。
学者でさえ「男尊女卑」に染まっていて
戯言を平然と言う訳だ!
後白人には
「白人至上主義」なんてのも有るな?
其れで「ダウン症」を「蒙古症」なんて
平然と言う訳だな!」
「其れは許せませんわね?」
陣が続けると
美羽の目付きが鋭く成った。
が。
「何言っているのか分からない!!」
海は音を上げた。
其して美羽と陣は二人して
海に言って聞かせる事に成る。
「生き物の設計図である染色体w
其の内性別を決める部分はw
「X」二つだと女、
「X」ともう一つ別に
「Y」が組み合わさると男性なのですわねw?」
「うーん?」
「抑もな!
染色体が二つずつ組に成っているものを
「生物」と言うんだ!
世の中組には成っていないものも有って、
組には成っていない染色体しか持たないモノは
「半生物」なんて書いてあるものも、有ったな?
正式ではない様なんだが!」
「うーんん?」
「設計図はお父さんお母さんから半分ずつ貰うから
二つずつ組、が基本なのですわw?」
「おお!」
「で、だな!
「ダウン症」は
二十一番染色体が三つ!
に成る異常なんだが」
「にじゅういちばん?!」
「ヒトの染色体は二十三組有るんだよ!
で! 「ダウン症」だが!
其の病名の元に成った所の
「ダウン医師」が!
「黄色人種は白人に劣るから
未発達だと「蒙古症」の症状が出るんだ」
なんてバカ過ぎる事を言ってのけたんだ!」
「はあ?」
「海さん。 日本人とて黄色人種ですわ?
「蒙古」というのはモンゴル人ですが。
白人は! 黄色人種を蔑んで! 貶めて!!
知識人では有り得ない妄言を吐くのです!
許せないでしょう?」
美羽が。
今迄には無かった
苛烈な発言をする!
「許せないな!」
海は美羽に乗る。
未だ何処かボケているが。
「男女差別もよく有りますしねえw?
大会では是非とも
白人さん達を蹴散らして差し上げませんと、ねえw?」
美羽は。
凄絶な。 「目が笑っていない」笑みを浮かべる。
心の導火線に火が点いた様だ。
「大会」というのは
賞金を懸けたカードゲームの大会だが。
其して美羽は陣に告げる。
「陣さんの全て。
搾り取らせて頂きます!」
「其れこそ酷えええええええええ!! だろ!!」
陣は堪らず絶叫した。
2021/10/26
修正が発生致しました!
「人鳥コウテイペンギン」の能力配分が間違っておりました!
訂正してお詫び申し上げます!