第34札 第二ターンドロウ!
宙宇基陣は日本人選手を纏めたかった。
カードゲームの大会の話である。 が、侮ってはいけない。
ヒト一人……処か何人かの人生すら左右する額の賞金が出る。
まあ日本では望むべくもないが。
其んな中。 陣の味方と言って良いであろうか、海が
黒星連也という相手と勝負し、陣は審判をしていた。
海の召還モンスター左
遠尾爬虫人類ティラン 属性:火4 技:テイルウィップ
命中 風3≧水4 威力 火5/土3
戦術カード
闇に眼光るヤマネコ 属性:火2 技:ダークスラッシュ
命中 風2≧水2 威力 火3/土2
海の召還モンスター中央
海豚ハンドウイルカ 属性:水4 技:ドルフィンジャンプ
命中 風5≧土2 威力 水6/火2
戦術カード
ジェンツーペンギン 属性:水3 技:水中高速飛行
命中 風2≧火2 威力 土3/水5
海の召還モンスター右
ハイイロペリカン 属性:風4 技:咽喉嚢
命中 風5>火3 威力 水4/土3
戦術カード
最小鸚鵡オカメインコ 属性:風2 技:オウム返し
命中 火2≧水2 威力 風3/土2
黒星の召還モンスター左 ダメージ水2
東海青竜王 属性:土6 技:反重力砲
命中 火5≧風5 威力 土6/水5
戦術カード
蛟竜 属性:水5 技:鉄砲水
命中 土4≧風4 威力 水6/火4
黒星の召還モンスター中央
北海黒竜王 属性:水6 技:水昇華弾
命中 火5≧土5 威力 水6/風5
戦術カード
西海白竜王 属性:風6 技:爆裂気球
命中 土5≧水5 威力 風6/火5
黒星の召還モンスター右
南海赤竜王 属性:火6 技:隕石砲
命中 風5≧水5 威力 火6/土5
戦術カード
蜃竜 属性:水5 技:蜃気楼
命中 火4≧風3 威力 土5/水6
「……じゃあ第一ターン終了、
第二ターン開始って事で良いか?」
陣は審判としてゲームを進行する。
「望む所だ!」
黒星の意気込みが感じられる応えだが。
陣はジト目になる。 ……否、
諦めと疲れが感じられる顔であろうか。
「バッチこーい!」
海は無邪気に元気そうに声を上げる。
「……」
のだが、陣は益々疲れた表情に成る。
と。
「……w」
美羽が陣の背中を摩る。
美羽はゲームに関与しない構えだが
陣にはちょっかいを掛けているのだった。
「「第二ターンドロウ!」」
実際ゲームをしている二人、
黒星と海が宣言と共に札を場に出す。
と。
「……」
陣の目が細まる。
札は伏せて出すのだが
陣は或る程度察したのだ。
其の内容は。
黒星は北海黒竜王と南海赤竜王の札が横表示。
海はハンドウイルカが横表示であった。
此のゲームは毎ターン行動カードを場に出して
使用後捨て札にするのだが
通常行動カードは縦表示で出す。
横表示で場に出すのは。
戦術カードを交換する、という手順だ。
「どとーじゃないこーげき!」
海が何かを言い。
「うおお?! 其んな技がっ?!」
黒星が盛り上がっている様だが。
「……」
陣は唯呆れていた。
因みに海の「どとーのこーげき」とは
戦術カードを三体共変更する事らしい。
兎角札を場に出すには伏せ、
詰まり裏返しで設置するが
出揃ったら表返す。
黒星、海双方が表返すと。
「……」
陣は。
諦めつつも遣り切れない、という顔に成り。
とうとう口を開く。
「審判は。 黙々と判定だけ、
をすべきだと思うんだが。
もう札が出揃って
誰がどう口出ししたって結果は変わらない!
……って事で個人的に訊きたい!
良いか?」
「口説いなあ? 何だよ?」
黒星は鬱陶しそうだが。
「其れ、何の積もりだ?」
陣が言う、黒星が開示した札は。
東海青竜王の行動カード
南海赤竜王 属性:火6 技:隕石砲
命中 風5≧水5 威力 火6/土5
北海黒竜王の変更戦術カード
北海黒竜王 属性:水6 技:水昇華弾
命中 火5≧土5 威力 水6/風5
南海赤竜王の変更戦術カード
西海白竜王 属性:風6 技:爆裂気球
命中 土5≧水5 威力 風6/火5
「見れば分かるだろう!」
黒星は何処か不遜だが。
陣は遠慮なく言う。
「うん悪化しているよな」
「何だとう?!」
今更の様に黒星は驚くが。
「何が悪化なんだよ?!」
やはり分かっていない。
「行動カードの技は
戦術と行動のウェイトの合計値が
モンスターの能力値以下! じゃないと使えない!
って言っているだろう!
何で分かんないんだよっ?!」
陣はもう嘆いている。
悪化というのは。
「南海赤竜王」の戦術カードが
ウェイト水5の「蜃竜」なら未だ能力値を超えてはいなかった。
いや同値でも良くはないのだが。
だが戦術カードを変更すると
「西海白竜王」でウェイトは風6、能力値を超えてしまうのだ。
行動カードを使うには
戦術カードとのウェイトの、
合計値。
が能力値以下でなければいけないのだから
戦術カードのウェイトは
能力値、未満。
でないといけないのだ。
ゲーム製作者である神威覇征抖は
ウェイト0、マイナス1、の札の存在を示唆してはいたが。
有るとしても希少カードである。
当てにしてはいけない。
なので陣は問う。
「何で「蜃竜」を「西海白竜王」と替えたんだよ!」
「「北海黒竜王」から「南海赤竜王」に移し替えたくて?」
黒星は何気なくさらっと答えるが。
「ああ其うなんだろうな!
ゲームとしてはしちゃいけない拘りだがなっ!!」
陣は黒星の思考を読んだとしつつ
速攻でダメ出しをする。
「何がいけないんだよ!」
黒星は未だ分かっていない様だった。
陣は。
「もう良い! 黒星は行動無しな!」
と割り切り。
では海はというと。
ティランの行動カード
刺突突進魚ダーツ 属性:水2 技:ニードルスピアー
命中 火2≧風1 威力 水5/土1
ハンドウイルカの変更戦術カード
最小鸚鵡オカメインコ 属性:風2 技:オウム返し
命中 火2≧水2 威力 風3/土2
ハイイロペリカンの行動カード
ウィル・オ・ウィスプ 属性:火1 技:熱
命中 風1≧火3 威力 水1/土1
「相変わらず引きが強いな……!」
陣はつい、という風に感想を漏らす。
審判としては相応しくないが。
「引きが強いって何だ!」
黒星が言った。
「……」
陣は絶句してしまう。
「説明して差し上げませんのw?」
美羽が、陣に、言うと
陣は再起動するが。
「ああ……!
引きが強いってのは……」
動きが重々しい。
其れでも兎角説明はするのだが。
「札はよく切って
引く札は無作為な筈なのに
狙った様なのが出るという……」
しかし。
「フダ? キル? ムサクイ?
もっと分からなく成ったぞ!」
等と黒星は言う。
「日本語で言ってんだがなっっ?!」
仕方ないが。
陣は絶叫し。
「カードをシャッフルしたら
出るのはランダムな筈ですのに
海さんは狙った様なカードが出ますのね、
という事ですわw?」
美羽がひょいと言うと。
「最初から其う言えば良いだろう!」
黒星はすんなり分かった様だが。
「嘆かわしいなっっっ!!!!」
陣はもう泣きそう……であろうか。
美羽が苦笑いしながら
陣の背を撫でる。
「おー美羽! うらやましいぞ!」
と。 海が其んな事を言い出す。
「では一緒に擦りましょうかw!」
美羽迄其んな事を言っているが。
「海はゲームやっていろおおおおおお!」
陣は。 審判としては当然であろう叫び声を上げる。
ゲーム中は席を立つものではない。
「陣は……
美羽の方が好きなのか?」
すると海は何やら悲しそうに言うのだが。
「何で其んな話に成るんだよっ!!」
陣は言葉自体が受け付けられない。
だというのに。
「くっそおぉおぉお……!
宙宇基めえぇえ!
オンナノコ達とのイチャイチャを見せ付けやがってぇえ!」
黒星は怨嗟の声を上げる。
「何処がだよ?!
此奴等俺を盾にするとか言ってんだぞ?!」
陣は黒星に反論するものの。
「盾、役ですわw?」
美羽が何やら一寸付け足しをすると。
「タンクか。 良い事じゃあねえか!」
黒星は何故かすんなり納得し。
「何言ってんだあああ?!」
陣には其れが理解出来なかった。
因みに陣は
親が駄目な所為で貧乏していて
ゲーム関係には迚も疎かったのだ。
急いで投稿致します!
ぎゃあああ! ←?!
六月に成ってしまって済みませぬ!
遅ればせながら第二ターン! 開始で御座います!
時刻的にも充電池的にも切羽詰まっているので
切り札を! どばーん! ←?!
兎角間に合わせますっ!(笑)
2022/06/03 0:20
修正が発生致しました!
黒星の召還モンスター! が!
左! 中央! 左!!(超超絶大爆笑)
と成っていたので
右!!
と直しました!(超超絶大爆笑)
訂正してお詫び申し上げます!(超絶大爆笑)




