第33札 第一ターンの結果判定
宙宇基陣は日本の選手を纏めたかった。
と或る外国のカードゲームの大会である。
と或る外国ではもう
一般人なら何人一生暮らせるか?
等という金額の賞金がぽんぽんと出るが。
此れこそが裏を返せば貧富の差が極めて激しいという事であり。
醜い欲望が最早露骨に見える! というものなのだが。
アメリカンドリーム等と言っている場合ではない。
カネが集まる者達は存在自体が贅肉、
否病巣である。
昔日本を訪れた白人は
権力者でも質素、庶民でも清潔、
というのに驚いた様だが。
其れこそが精神が根本から違う、という事を表し。
権力者とは欲望の限りを尽くすもの、独占するもの、
と白人が思っているいい証拠である。
其んな者を勝たせる訳にはいかないと陣は奮闘していたのだが。
陣は審判で海が黒星連也と勝負する、という事に成っていた。
海の召還モンスター左
遠尾爬虫人類ティラン 属性:火4 技:テイルウィップ
命中 風3≧水4 威力 火5/土3
変更行動カード
水底の顎門イソギンチャク属性:水2 技:毒の触手
命中 火1≧風1 威力 水6/土1
海の召還モンスター中央
海豚ハンドウイルカ 属性:水4 技:ドルフィンジャンプ
命中 風5≧土2 威力 水6/火2
変更行動カード
群体海月カツオノエボシ 属性:水3 技:毒の触手
命中 火4≧風1 威力 水6/土1
海の召還モンスター右
ハイイロペリカン 属性:風4 技:咽喉嚢
命中 風5>火3 威力 水4/土3
変更行動カード
刺突突進魚ダーツ 属性:水2 技:ニードルスピアー
命中 火2≧風1 威力 水5/土1
黒星の召還モンスター左
東海青竜王 属性:土6 技:反重力砲
命中 火5≧風5 威力 土6/水5
戦術カード
蛟竜 属性:水5 技:鉄砲水
命中 土4≧風4 威力 水6/火4
黒星の召還モンスター中央
北海黒竜王 属性:水6 技:水昇華弾
命中 火5≧土5 威力 水6/風5
戦術カード
西海白竜王 属性:風6 技:爆裂気球
命中 土5≧水5 威力 風6/火5
黒星の召還モンスター右
南海赤竜王 属性:火6 技:隕石砲
命中 風5≧水5 威力 火6/土5
戦術カード
蜃竜 属性:水5 技:蜃気楼
命中 火4≧風3 威力 土5/水6
東海青竜王の行動カード
北海黒竜王 属性:水6 技:水昇華弾
命中 火5≧土5 威力 水6/風5
北海黒竜王の行動カード
東海青竜王 属性:土6 技:反重力砲
命中 火5≧風5 威力 土6/水5
南海赤竜王の行動カード
北海黒竜王 属性:水6 技:水昇華弾
命中 火5≧土5 威力 水6/風5
黒星は戦術カードの段階で
行動出来ない事が決まっているが
其う成るともう
戦術カードを変更しない限りずっと、である。
一方海は
第一ターンから戦術カードを変更、である。
規則に反してはいないものの。
普通の思考ならば第一ターンは順番通り
召還モンスターを出し戦術カードを設置し。
其して行動カードを縦表示で、詰まり変更しないで出す。
其れ以外にはしようとも思わないであろう。
ティランの変更戦術カード
闇に眼光るヤマネコ 属性:火2 技:ダークスラッシュ
命中 風2≧水2 威力 火3/土2
ハンドウイルカの変更戦術カード
ジェンツーペンギン 属性:水3 技:水中高速飛行
命中 風2≧火2 威力 土3/水5
ハイイロペリカンの変更戦術カード
最小鸚鵡オカメインコ 属性:風2 技:オウム返し
命中 火2≧水2 威力 風3/土2
しかし海は変更し。
陣は苦い顔をしていた。
兎角判定である。
陣は審判の役なので
誰よりも早く正しく計算しておかねば成らない。
「良いか?
モンスターが攻撃するには
戦術カードと行動カードのウェイトの合計値が
モンスターの能力値以下でなくてはいけない!
拠って!
此のターン、海のモンスターのみ全員が攻撃だ!
其れは良いな?」
黒星と海両者が頷くのを見て
陣は続ける。
「攻撃の順番は
モンスターカードと行動カードのウェイトの合計値が
少ない順、
同値なら同時攻撃、
互いに判定値に影響し合う。
此れも良いか?」
やはり両者は頷く。
「という訳で
ティランとペリカンが同時、
最後がハンドウイルカだ。
良いな?」
両者が頷く。
陣も確認しながらでないと
下手な事が言えないのであった。
「実際の判定は
現在の活力、
戦術カード、自身と相手の行動カードの能力値、
全てを合計して
行動カードの式で計算する!
良いよな?」
陣は念を押すが。
「活力?」
黒星が疑問を呈する。
「あー……! HPみたいなモンだ!
詰まり!
モンスターの能力値を最大HPとして
ダメージを引いた値だな!」
陣は直ぐに答える。
というのも。
「ふはははw! あたしはもう訊いて知っているぞw!」
過去に海に答えていたので用意出来ていたのだ。
「何で海が得意気なんだよ!」
陣は海にツッコむのだが。
「後何で
相手の行動カードを足すんだ?」
未だ黒星は訊いてくる。
「其れで相手に攻撃を弱められたり
逆に相手の攻撃を利用したり、を表現しているんだ!
「カウンター」とか有るだろう?」
陣が答えると。
「あら其うでしたのねw!」
美羽が其んな事を言っている。
「え? 「カウンター」ってカードの技名には無いのか?」
今更の様に黒星は驚くが。
「カードの能力値を足すだけって仕組上
「カウンター」はカードの技には出来ないだろうよ!」
陣はもう疲れた様に説明する。
「おー……!
……。
ふは? はははははw!
おれは! 行動カードを防御に使ったり
相手の力を使う戦い方を思い付いたぞw!
おれ天才w?」
黒星が一人で盛り上がるが。
「……」
陣はジト目だった。
黒星が言ったのは
唯単に陣が言った事を言い換えただけ、であり。
なのに自身が思い付いたかの様で。
全く分かっていないからだ。
「おー天才か! スゴいな!」
だというのに
海が黒星に乗り。
「…………」
陣は本当に頭を抱える。
「wwwww!」
美羽は本当に可笑しそうに
陣の背中を擦る。
完全に見物の構えだ。
「計算行くぞ!」
気分は立て直せていなさそうだが
陣は話を進める。
「先ずはティランとペリカンな!」
判定値は其れぞれ。
ティランの攻撃 水属性
命中 火9≧風6 威力 水12/土6 足す相手の行動カード
ハイイロペリカンの攻撃 水属性
命中 火7≧風9 威力 水11/土6 足す相手の行動カード
「……ペリカンの攻撃は全部外れだ!」
「何でえ?!」
陣が言うと海が即座に反発するが。
「計算の結果だっての!」
相手の行動カードが「火」も「風」も5、同値なので。
差が引っ繰り返らず。
「命中」の式が矛盾する。
詰まり攻撃失敗なのである。
ならばティランの攻撃はというと。
対象 命中 威力
東海青竜王 14≧11 18/11 残留決定
北海黒竜王 14≧11 17/12
南海赤竜王 14≧11 18/11
「ティランの攻撃は
東海青竜王に水ダメージ1残留決定だ!
其してターン内では
全体がイルカの攻撃に影響する!」
と陣は判定する。
「ダメージ1だけ? ケチ! ビンボ!」
海が文句を言うが。
「規則だっていうの!!
ドサクサに何言ってんだ!」
陣はもう嫌そうだ。
「兎に角イルカの攻撃なっ!」
其れでも陣は続ける。
ハンドウイルカの攻撃 水属性
命中 火11≧風5 威力 水17/土6 足す相手の行動カード
「……。
此のターンは東海青竜王に水ダメージ2。
で、ターンエンドだな」
陣は黙々と計算して
結果を述べる。
が。
「何でだよお!」
海は結果が不満な様だ。
「何でも何もあるかっ!
此のターンだけじゃ誰も倒し切れないし
三体使うなら
一回ずつしか攻撃出来ないだろう?!」
何を言われようと
陣が言う通りの規則であった。
「けど此の調子で行くと
次で東海青竜王は倒れるし
海が一方的に攻撃しっ放しだよな」
陣が更に続けるのは既に審判の領分ではないが。
予測される状況だ。
「其れはイイなw!」
海は純粋に喜ぶ。
いや。
気遣いが出来るなら
喜んで見せてはいけないだろうし
幾ら何でも出来て当然な年頃だが。
「くっそぉお!
宙宇基めえ! オンナノコに甘くしやがって!
コレがイチャイチャするコツか!」
黒星が何やら怨嗟の声を上げる。
が。
「何言ってんだよっ!
黒星真面に勝負出来ていないの
自覚しているか?!」
とうとう陣は怒鳴り返し。
「前途多難ですわねw?(冷笑)」
美羽は陣の背後で
何やら恐い笑みを浮かべ。
海は何気なさそうに言う。
「陣はあたしとイチャイチャしてるのか?」
「してねえだろっっっ!!」
陣の魂の叫びであった。
強行突入!!
……いや時刻を見て
どうだかな? と思いながら投稿! という事デスが!(汗)
うん時刻によっては
見ながら投稿した所で流れるの早い!(泣)
ってモノなので
少しの間だけでも多くの方々の目に留まりそう!
って時間帯を狙うのも手! なんデスよねw!
はい弱小投稿者のごちゃごちゃ小細工でした!
……涙ぐましいね!(泣)
でも有名作家サン部分数少なくても
ブクマ桁違いなのズルいと思わね?(泣)




