第28札 三つ巴戦が終わって
「ぶはああああ!
何とか形には成ったな!」
陣は大きく息を吐く。
宙宇基陣の
カードゲーム「バトルモンスターズ」に於ける
美羽、海という二人の少女との三つ巴戦は
陣の勝利で決着したのだった。
「ではw!
カードの交換と参りましょうw!」
美羽が待ってましたとばかりに言う。
が、陣は難色を示す。
「いやあ……!
交換するより
自前の札で構築し直した方が良いんじゃあないか?」
所謂「カードゲーム」では
山札の何倍も札を買って
其の中から気に入った札を選ぶものだろう。
否、
目的の札を手に入れる迄
散財する者も居るだろうし
売る側は其れを期待するだろう。
「カードゲーム」を嗜む者は
普通に沢山持っているだろう
という前提に成るのであった。
「いいえ! 其れは其れとして
交換はして頂きます!
其して陣さんは
わたくし達のカードを引く度
わたくし達を思い浮かべるのです!」
「強要するなよ!」
美羽は見た目にそぐわず押せ押せで
陣が引き気味だった。 嫌そうである。
「取り敢えず。
わたくしの重みの大きいカード一枚に対して
合計で同じ重みに成る様に
ウェイト1のカードを下さらないかしらw?」
「ざけんなよおおおお?!」
此のカードゲームでは
ウェイトが軽いからと言って
価値が軽い訳ではない。
美羽は巫山戯ている様ではあるが
全く等価の交換ではなかった。
「口が滑りましたわw!」
美羽は全く悪びれないが。
「其れ言ったって許されないからな?!」
陣ももう慣れたものである。
という程に言われていた。
「ワニをやるからシャチ寄越せ!」
海は負けてから大泣きしていたが
泣き止んだ様だ。
「負けた方が要求すんな!」
陣には受け入れられない事を言っているが。
「真っ先に倒れたヤツを
勝ったモンスターと換えようとすんなよ!
「大富豪」だって
負けた方は強いカードを勝った者に渡すだろ?!」
「何だ? ソレ!」
「トランプゲームの一つですわw? 海さんw!」
美羽が補足するが
海は其んな事も知らない様であった。
「知らなさ過ぎるだろ!」
と陣もぼやく程に。
「兎に角!
先ず手持ちの札で構築し直すのをお勧めするぞ?
持ってんだろ?」
海は勿論の事。
美羽も構築の偏りが凄かった。
「うー……海、もウェイト1の札持ってはいるだろう?
ちゃんと構築に入れろよ?」
陣は落ち着いてみれば
やはり女子を名前呼びするのは
敷居が高い様であった。
兎も角
買う札にも
ウェイト1の札が無い訳がないだろうと
当たりを付けていた。
「なー陣も一緒に作ってくれよ!」
海は泣き止めば一転、
今日会ったばかりの他人にすべきではない態度に成る。
「構築は他人に見せるモンじゃあないからな?!
格闘技なんかでも言わないか?
手の内を知られるとどんな凄い技でも威力半減だ!
ってな!」
「女の子の甘えを袖にするなんて
陣さんイケずですわw?」
「俺は間違った事言っていない!」
美羽も揶揄っている様ではあるが。
「だからウェイト1の札は少なめでも確実に入れてだな!
後は割合を考えて……!」
「分かんねえよ!」
「少しは考えろおおおお!」
海は始終頭の軽い反応であった。
其して。
「確信しましたわ!」
美羽が何やら言う。
「陣さん程利用出来るヒトは他に居りません!」
「何か酷い事言っているなああああ?!」
陣も堪らず絶叫するが。
「海さん!
一緒に陣さんを利用し尽くしましょう!」
未だ美羽は言い続けていた。
「おぉお! 良いなw!」
「何盛り上がってんだよっ?!」
陣が抗議しても
美羽も海も何処吹く風だ。
其れ処か
美羽は陣に向けて言う。
「自覚して下さい!
陣さんは此処で一番利用出来る存在だと!」
「するかああああああああああああ!!」
陣には受け容れられない事であった。
結局。
陣は美羽とはかなりの枚数交換させられ
海とは一緒に山札の構築をさせられ。
「構築したら試運転もお願いしますね陣さんw!」
美羽が言うのに
陣はもう諦め顔で。
「勝負は色々なヤツとした方が
経験に成るんじゃあないか?」
しかし一応言う。
「いいえ!」
だが美羽はキッパリ言った。
「普通はですね。
例えばわたくし達の弱点が誰かに知れたとしたら。
其の誰かはひっそりほくそ笑むだけなのです」
「はあ?」
陣は呆けた返事をする。
「自分だけが知っていれば
自分だけが有利に勝負出来るという事です。
要は
足を引っ張るだけしか考えられない。
其れが普通なのです」
「世の中厳しいな?」
美羽の説教に
陣は苦い顔だ。
「対して陣さんは
一つ一つ訊けば答えてくれます。
利用出来るでしょうw?」
美羽は。
女の子がしてはいけない様な笑みを。
ニヤリと浮かべる。
「……」
陣は絶句、というか。
物凄く嫌そうであった。
「男性は女の子とはお話出来れば嬉しいでしょうw?」
美羽は図々しくも訊くが。
「妄想入っているとしか思えねえ……!」
陣はウンザリと即答する。
其処へ海がぽつりと言った。
「ホモなのか?」
「何て事言うんだあああああああああ?!」
陣は
許し難いとばかりに絶叫するが。
「ふふふw! 良いではないですかw!
心が女の子w! 女の子三人組と喧伝しましょうw!」
美羽が茶化し。
「しねえええええよっっっ!!!!」
陣は本気で大絶叫した。
しかし海は続ける。
「スカート穿いてみろ陣!」
「止めろ本当に!!」
陣は本当に嫌そうに拒絶するが。
「俺はなあ!!
抑もニンゲン嫌いなんだっ!!
だから男女のイチャイチャなんか
見ても信じらんねえだけだっっ!!」
陣が言い切っても。
「ご存知ないんですかw?
柔肌の 熱き血潮に触れもみで
寂しからずや 道を説く君」
美羽が諳んじ。
「与謝野晶子なあ!!
其れがどうした!!」
陣はやはり拒絶する。
「何言ってんだ?」
海はマイペースであった。
「お利口な事言っているらしき男の方、
女の子の温もりを知らないで寂しくないですか~w?
って事ですわw?」
「ナニソレエっロいw!!(大爆笑)」
「国語の教科書に載っている歌ですわw?」
「ぶははははははっっwww!!
キョーカショ十八禁~w♪」
美羽と海は盛り上がっていた。
陣はジト目だったが。
「という訳で
仲良くしましょうよ陣さんw!」
「どういう訳だ!」
美羽が冗談めかして言っても
陣は突っぱねるが。
「陣さんが嫌がっても
わたくし達が放しませんからねw?」
「しつこいぞ?! いい加減!」
「言っているでしょうw!
陣さん程利用出来るおヒトは他に居ませんw!
其して女の子は欲張りなんですw!」
「知るかっ!」
どうしても陣は拒絶するが。
「聞きませんか?
利害が絡む方が
人情に訴えるより余程信用出来る、と」
美羽は手を変え品を変えてきた。
「はっ!
俺に利が有るのかよ!」
其れも陣は吐き捨てるが。
「わたくしから見て
陣さんは危ういですわ?
ですから陣さんが危ない時
わたくしが助力致しましょう!
有りますでしょう?
共通の敵な大国が在れば
自国と敵国の間に在る国には
盾に成って貰わないと困る!
だから協力する!
なんてお話が」
美羽が言えば。
「成る程!
情に訴えるなんぞより余程説得力有るよなw!
現実はもっとエグいがw!」
陣はようやくニヤリと笑む。
「え? どういう事です?」
美羽が呆けてしまうと。
陣はおどろおどろしく言う。
「此処の国。
日本を無能な肉の壁に仕立てている!」
カードゲームの大会をする国である。
「肉の……壁……?」
美羽は息を呑む。
「ああ。 知っているだろう?
鬼畜外道の所行として!
敵国が在るのは良い。 が。
協力じゃあない! 肉の壁だ!」
「うっ……!」
美羽は口を押さえた。
現実の恐ろしさ、醜さ故か。
「其れも有って
神威はガイジン風情に勝たれたくないんだな!
一見催しを開いて
いい顔見せているフリをして! って所か?」
陣が冷徹に言い切ると。
寧ろ美羽が縋り。
青い顔で陣の右手を両手で握る。
「協力しましょう! いえ! して下さい!!」
「まあな! 俺に害が無い限りは!」
此れには陣も大人しく応じた。
「なー?
何の話してんだー?」
海は何処迄もマイペースであった。
何とか! 何とか今週中!(超絶大爆笑)
ボンコツ筆者です!(超超絶大爆笑)
第28札お届け致します!
前話投げっ放しな話題が!(大爆笑)
今話も終わり方投げっ放し感有り有りですが!(大爆笑)
前話の話題ねw!
「因果応報」が技?でアニメ化したマンガw!
『覚悟のススメ』です!(超超絶大爆笑)
編集者に言われたか? 作者の素か?
オンナノコが知っているのはマズくね? という
お下品な所が少々!(もっとw?) な作品です!(笑)
アニメ化ったってOVAってヤツだなw!
テレビじゃ流せない!(超超絶大爆笑)
まー少女向け! のマンガで
十八禁じゃね? ってエロシーンが
普通に有ったりするが!(大爆笑)
其ういう事で!
スッキリしたw?(笑)




