第23札 第四ターンドロウ!
宙宇基陣の
美羽、海との三つ巴戦。
第三ターン、
陣はカードゲーム「バトルモンスターズ」を始めて以来
初の残留ダメージを海から受けた。
此のゲームはターン制バトルなのだが
ターン終了しても残るダメージの事を言う。
ダメージはターン内に1以上に成らないと
無効と成るのだ。
美羽の召喚モンスター
幻想巨鳥ロック 属性:風5 技:蹂躙の爪
命中 土5≧水3 威力 風6/火4
飛空怪獣ワイバーン 属性:風4 技:毒針の尾
命中 土4≧風5 威力 火4/水2
猛禽の王者イーグル 属性:風3 技:荒鷲の爪
命中 風5>水2 威力 土3/火2
ロックの戦術カード
鉄拳爬虫人類キーパ 属性:土4 技:正拳逆突き
命中 火4≧水3 威力 土5/風3
ワイバーンの戦術カード
高速に羽撃くハチドリ 属性:風1 技:ホバリング飛翔
命中 土1≧風3 威力 水1/火1
イーグルの戦術カード
巨大蜻蛉メガネウラ 属性:風2 技:横開きの顎門
命中 風4>水2 威力 火2/土1
海の召喚モンスター
人鳥コウテイペンギン 属性:水4 技:水中飛行
命中 風3≧火3 威力 土4/水5
死の顎門イリエワニ 属性:水4 技:デスロール
命中 火3≧風2 威力 水6/土4
リビアタンメルビレイ 属性:水5 技:デスファング
命中 土4≧風3 威力 水6/火5
コウテイペンギンの戦術カード
群体海月カツオノエボシ 属性:水3 技:毒の触手
命中 火4≧風1 威力 水6/土1
イリエワニの戦術カード
刺突突進魚ダーツ 属性:水2 技:ニードルスピアー
命中 火2≧風1 威力 水5/土1
リビアタンメルビレイの戦術カード
海星ヒトデ 属性:水2 技:自己再生
命中 土1≧風1 威力 火1/水6
コウテイペンギンのダメージ 風1
陣の召喚モンスター
海の殺し屋シャチ 属性:水4 技:オルカアタック
命中 火4≧土2 威力 水6/風3
古代翼竜プテラ 属性:風4 技:裂空の顎門
命中 風5>土2 威力 水4/火4
シャチの戦術カード
凶暴針毛獣ヤマアラシ属性:火3 技:毛針
命中 火5>水2 威力 土3/風2
プテラの戦術カード
闇に眼光るヤマネコ 属性:火2 技:ダークスラッシュ
命中 風2≧水2 威力 火3/土2
プテラのダメージ 水1
「さあてw?
未だ構築のお話が聞けていませんわねw?
神威さんに簡単に勝った陣さんw?」
美羽が言い始めるが。
「何だよ棘が有るなあ」
と陣が言う様に
美羽は笑んでいる様でいて目が笑っていなかった。
「先ずは有れば、ですけど
能力値一つだけが6で後は0のカードが八枚迄。
無ければ少なくともウェイト1のカードで補う、と。
後二十六枚ですわねw?
どうするのかしらw?」
美羽がお浚いする。
「バトルモンスターズ」には
カードの種類には枚数制限が無いのだが
考え無しに構築すると
実際のゲームで自身が困る事に成る。
巷のカードゲームでは
強いカードは制限が掛けられるのが普通であろうが
毎回構築を確かめるのも難であろう。
結局プレイヤーの良識に委ねる事と成り
イカサマも防げまい。
公式の勝負では使ってはいけない札に至っては。
何の為に存在しているのか疑問だ。
アニメか何かを再現する為、であろうか。
兎角、
「バトルモンスターズ」は
制限は出来る限りしないが
考え無しでは勝てない様に作られているのだ。
だからこそ、であろう。
美羽は陣に出来る限り訊く。
「だからもう個人の裁量だよな?
ウェイト1の札も八枚ばかりじゃあ
勝負中に出ない確率が高いだろうから
もう少し増やした方が良いだろうし!」
其して陣は
律儀に応える。
「やっぱり少なくとも十八枚は有った方が良いんじゃあないか?
此れはもう。
最初には出なくて良いから其処迄の枚数で」
「ふむw! 其れからw?」
美羽はもう。
促せば陣は喋る、という言い様だった。
其の通り、陣は続けるのだが。
「後十六枚だな! 其れこそ個人の裁量だが!
ウェイト2だとどうしても能力値が半端に成るが。
其のヒトデみたく。
一つだけ6で他が1! って能力値は面白いよなw!」
海の召還モンスター、リビアタンメルビレイの
戦術カードがヒトデである。
「総合すると。
ウェイト1とウェイト4を十八枚ずつ確保して。
2と3は少なめ……という感じかしら?」
美羽が纏めると。
陣はニヤリとする。
「大体はなw!
けど結局は個人の裁量だと言っているだろうw?
第一其れでは
ウェイト5の札の入る余地が無いよなw?」
ウェイト1と4を十八枚確保しつつ
ウェイト2と3も平均的に揃えると。
ウェイト2と3は十六枚か十七枚でお仕舞い、である。
山札は一山六十九枚だからだ。
「斯くいう俺だって
今迄言ったままじゃあないぞw?」
陣はしたり顔で言うが。
「まあ其うでしょうね」
美羽はあっさりとしたものであった。
「……じゃあ第四ターン行くか……!」
陣は美羽の淡泊さに明らかに落ち込む。
其処で。
「まなこ! 録音は出来たかしらw?」
美羽が言うと。
「はい。 文字にも書き起こしておきます」
美羽のお付きの成人女性が応える。
美羽のお付きは「まなこ」さんという様だが。 兎も角。
陣は顔が引き攣る。
「ヒト様をアゴで使うのに慣れているな?」
「其んな訳ないではありませんかw!」
しかし美羽は否定するし。
「……」
陣のお付き、さつきは呆れた目を
陣に向けるが。
「何でだよっ?!」
陣が疲れた様子で
次のターンへと移行する。
「「「第四ターンドロウ!」」」
此のゲームでは特に
手札から場に出すのを
「抜剣」を意識して「ドロウ」と言う。
皆の札が場に揃う迄は
裏返しなのだが。
「何やってんだ?!」
陣は驚く。
海が。
場に出した札が全て横表示なのを見て。
ターン毎に場に出す札は
「行動カード」なのだが。
横表示で出すと
「戦術カード」を交換する、
という行為と成る。
のだが。
「何で全部横表示にしてんだよ?!」
其れが陣には信じられない行為であった。
「どとーの攻撃!」
海は得意気に言い。
「可愛いですわw!」
美羽が……
褒めているのであろうか。
「有難おw!」
取り敢えず海は嬉しそうであった。
「イリエワニとリビアタンの戦術カードは替えちゃ駄目だろう!」
陣は苦言を呈するのだが。
「文句有んのか陣!」
海は不満そうであった。
「文句って訳じゃあない!
けど言ったよな?
戦術カードは成るべくウェイトが低い札にしろって!」
陣はもう
勝負は其っち除けな位に助言していたのだが。
「言ったな!」
海は返事はしているものの
了解しているのかは疑問だった。
「大会で勝つ気有るのか?
大会だともう周りに日本人居ないぞ?
変な事したらお終いだぞ?」
陣も一生懸命に言うのだが。
「変とは何だー!」
海には表面的な言葉しか通じていない様であった。
「神威は何で此んなヤッおっと!
人材発掘ってのは
多少の欠点は目を瞑らないといけないのか……?」
陣はもう
一人で悩み出す。 が。
「陣さーんw! 続けましょうw?」
自身が訊きたい事は
ずっと訊き続ける美羽が促してくる。
其の美羽は。
ロックに出した手札が横表示であった。
陣は。
其れには苦い顔をする。
美羽は海とは違って
油断ならないという事だった。
其して陣はと言えば。
シャチの札が横表示であった。
「……とうとう陣さんの攻撃が始まるのかしら?」
其れを見た美羽が
聞こえよがしに零す。
「札が裏の状態で言う事じゃあないしな?(笑)
お互い様じゃあないか?(笑)」
陣は。
不敵に笑み出す。
「じゃあ開示といこうか!(笑)」
「かいじ?」
其処にぽつりと疑問を落とすのは
海、であった。
「……」
少し興が殺がれてしまったが。
「オープンといこうか!」
陣は言い直す。
「分かり易く言えよなー!」
海がダメ出しするが。
「「開示」こそ日本語だろう!!」
陣は其れはもう悲しそうに言い返す。
兎に角
開示する其れぞれの札は……
2021/10/26
修正が発生致しました!
「人鳥コウテイペンギン」の能力配分が間違っておりました!
第13札から第23札までずっとです!(号泣)
訂正してお詫び申し上げます!(大泣)