第20札 第三ターンドロウ!
宙宇基陣は
カードゲーム「バトルモンスターズ」で
美羽、海と三つ巴戦を始め。
第2ターンを終えた所だった。
此処迄で攻撃したのは
美羽の召喚モンスターイーグルが一回のみで。
海の召喚モンスターコウテイペンギンが
「風」属性ダメージ1を受けていた。
美羽の召喚モンスター
幻想巨鳥ロック 属性:風5 技:蹂躙の爪
命中 土5≧水3 威力 風6/火4
飛空怪獣ワイバーン 属性:風4 技:毒針の尾
命中 土4≧風5 威力 火4/水2
猛禽の王者イーグル 属性:風3 技:荒鷲の爪
命中 風5>水2 威力 土3/火2
ロックの戦術カード
鉄拳爬虫人類キーパ 属性:土4 技:正拳逆突き
命中 火4≧水3 威力 土5/風3
ワイバーンの戦術カード
陸のイタチ 属性:土3 技:イタチの最後っ屁
命中 風3≧水2 威力 火3/土4
イーグルの戦術カード
巨大蜻蛉メガネウラ 属性:風2 技:横開きの顎門
命中 風4>水2 威力 火2/土1
海の召喚モンスター
人鳥コウテイペンギン 属性:水4 技:水中飛行
命中 風3≧火3 威力 土4/水5
死の顎門イリエワニ 属性:水4 技:デスロール
命中 火3≧風2 威力 水6/土4
リビアタンメルビレイ 属性:水5 技:デスファング
命中 土4≧風3 威力 水6/火5
コウテイペンギンの戦術カード
抉りの牙ホオジロザメ 属性:水4 技:シャークバイト
命中 火4≧土1 威力 水6/風4
イリエワニの戦術カード
八本足のマダコ 属性:水3 技:毒の牙
命中 火3≧風2 威力 水4/土3
リビアタンメルビレイの戦術カード
ジェンツーペンギン 属性:水3 技:水中高速飛行
命中 風2≧火2 威力 土3/水5
コウテイペンギンのダメージ 風1
陣の召喚モンスター
海の殺し屋シャチ 属性:水4 技:オルカアタック
命中 火4≧土2 威力 水6/風3
古代翼竜プテラ 属性:風4 技:裂空の顎門
命中 風5>土2 威力 水4/火4
シャチの戦術カード
凶暴針毛獣ヤマアラシ属性:火3 技:毛針
命中 火5>水2 威力 土3/風2
プテラの戦術カード
闇に眼光るヤマネコ 属性:火2 技:ダークスラッシュ
命中 風2≧水2 威力 火3/土2
「半分近くがウェイト3以下です、だけでは
未だ説明不充分ですわねw?
説明の続きは頂けるのかしらw?」
美羽は言うが。
陣が山札の構築の話をしていたのである。
「分かったから
ゲームを進めながら話さんか?」
陣は若干嫌そうながらも
訊かれれば答えていた。
「「「第三ターンドロウ!!」」」
プレイヤー全員が宣言し
「行動カード」を出す。
行動カードは
召喚したモンスターを実際に動かす為のカードだ。
が。
行動、というか攻撃をするには
戦術カードとのウェイトの合計値が
モンスターの能力値、以下。 でなくては成らない。
モンスターの能力値を超えると
「行動無し」とは成るが
相手の攻撃判定にも関わるので
相手の攻撃を失敗させる事を考えるのも重要だ。
行動カードは
先ず裏返しで出す。
皆が揃う前に知れてしまうと
ゲーム上拙いからだ。
其れぞれのカードは。
陣は全て縦表示。
美羽はワイバーンが横表示。
海は全て横表示であった。
行動カードを横表示で出すのは。
戦術カードと交換する、という意思表示である。
因って
今迄戦術カードだったものが
行動カードに変更と成る。
「……ルール上は問題無いのだが。
毎回戦術カードを全部取り替えるのは
いい加減なんじゃあないか?」
陣は海に苦言を呈するが。
「おー? 文句有るのか? 陣!」
海はもう陣を呼び捨てだった。
「いや。
相手に対策させないという
効果は有るかも知れんが。
モンスター三体だと抑も
手札を毎回使い切り、だからなあ……!」
陣はぼやく。
相手が対策するには
既に開示されているカードで、
であろうから。
毎回開示したカードを取り替えられては
やり難かろうが。
抑も
自身がもっとやり難かろうという事だ。
召喚モンスター、戦術カード、行動カードも合わせて
手札は九枚なのである。
だから三体モンスターを使役するならば
山札から引いたカードを
毎回全部場に出してしまうのだ。
「まあまあw!
まるで怒濤の様な攻撃ではありませんかw!
海さんにピッタリですわw!」
美羽の陣を宥めるかの様な言葉に。
「どとー」
海はオウム返しをする。
正しく
意味は分からないで繰り返しているだけ、
といったオウム返しであった。
「荒れ狂う大波の事だ!」
陣が頭を抱えるかの様に……
否実際にこめかみを押さえながら言う。
と。
「おー♪
サスガ美羽♪ ソレカッコいーw! 採用w♪」
海ははしゃぐのだが。
「未だ一回も
攻撃出来ていねえじゃねえか!」
陣は益々頭を抱える。
「其れでw?
三十四枚はどう決定するのかしらw?」
美羽は飽くまで
己が知りたい事を訊く。
「だからな?
先ずはウェイト1のカードを入れたいよな?
其の内八枚は!
能力値が一つだけ6!
後は全部0!!
のカードにする!!」
陣が力んで言うと。
「有んのか? 其んなの?」
海がボケた感じに突っ込む。
抑も自己申告に拠ると
海はウェイト1のカードを持っていない様なのだが。
「有るだろう!」
なので陣が力を入れて言い返すと。
「レアカード、と迄は言いませんが。
少々珍しいカードですわね」
と美羽が口を挟み。
「其うなのか?!」
陣が驚いてしまう。
「少々でも珍しいカードだと。
八枚集めるのは難しいですわね?
主にお金の問題で」
美羽が言うのだが。
笑みが消えて
少々恐ろしい。
「おっおう!
なら珍しくないウェイト1のカードで!」
陣もドギマギしてしまうが。
「陣さんはどちらで揃えたのです?」
美羽は容赦なく追求する。
「……
神威から貰ったんだが……?」
陣は。
別に隠す事でもない故
言った。 のだが。
「「ええええええええええ?!」」
美羽、海は殊の外な反応をする。
陣が疑問視していると。
海が叫ぶ。
「二人はやっぱり
イケないカンケイ?!」
「何ほざいてんだっ?!」
陣は即反発せずにはいられない。
「神威は
大会で勝てる人材を
集めているんだろう?!
カード貰ったからって
其んなにおかしいかよ?!」
陣は反論するが。
「おかしいですわ?」
美羽に直ぐ撃沈される。
「おっ……おう……!
其うか……!
……俺が自力じゃあ
カードの一枚も持てないから、
特別措置、なんかな?」
陣は美羽の言った事も含めた解釈を
即座に弾き出すが。
「「えっ?」」
美羽と海はまたしても驚く。
「じ……陣は自力じゃ
カード一枚も買えないのか……?」
海は愕然と訊くが。
「悪いかよ!」
陣は憤然とする。
しかし。
海は涙目で席を立ち
陣の所へ行き。
頭を撫でようとする。
「可哀想になあ……?
ビンボーなんだなあ……?」
「うるせえよっ!!」
陣は海の手を。
払い迄はしないものの抵抗して
撫でさせないが。
美羽は。
冷たい目線で問う。
「陣さん。
カードゲーム歴はどれ位ですの?」
「んあ?
此れで二回目だな!」
陣は海に気を取られて
上の空気味に答える。
と。
美羽の目の冷気が増す。
其して言う。
「海さん。
わたくし達二人して
陣さんからはカードを巻き上げなくては成りませんわ!」
「えええええ?!」
海は単純に驚き。
「何言ってんだあああああああ?!」
陣は即反発する。
「約束が違うだろうっっ!!」
「ソレはヒドいんじゃない?」
流石に海も異を唱えるが。
美羽はしれっと。
「ええ! でも男性は!
どん底に叩き落とされて育つものと
相場が決まっているのですわ!」
「昭和のスポ根かああああああああ?!」
陣は盛大に突っ込んだ。
のだが。
「口が滑りましたわw?」
美羽は白々しく言い。
「最早口が滑ったなんて次元じゃあねえっっ!!」
陣は当然とばかりに猛抗議する。
と。
「けど陣さんにも覚えが有るお話なのですわねw?」
美羽はさらりと揚げ足取りを始め。
「令和じゃあ
実際にやったら大問題だろう!!
……いや家じゃあ
本当に其んなモンだったが!!」
陣は何とか美羽を改めさせようとする。
美羽は笑みを浮かべている様でいて
本気だ! と。
陣は察した様子だった。
「カードが減ったら俺も困るから!
交換だったら
或る程度の枚数は応じてやるよ!!」
「陣はビンボーなんだもんなあ?
可哀想になあ……?」
海は未だ陣を撫でようとしていて。
「煩えっての!!
席に戻れよ!!」
陣も未だ抵抗していた。
何より陣には場に出していない手札が有り
対戦相手に近寄られては
困ってしまうのだった。
海は海で
本気で撫でようとしているのだが。
「ふふふw!
では練習をしながら
手取り足取り教えて頂きましょうかw!」
美羽は。
やはり油断ならない光を
目に湛えていた。
2021/10/19
修正が発生致しました!
「海の殺し屋シャチ」の能力配分が間違っておりました!
2021/10/26
修正が発生致しました!
「人鳥コウテイペンギン」の能力配分が間違っておりました!
伴って
「ジェンツーペンギン」の能力配分も修正しております!
訂正してお詫び申し上げます!
2022/03/10 23:07
訂正が発生致しました!
「シャチ」を修正した結果
「ホオジロザメ」の「シャークバイト」と同値に成ってしまい
「シャークバイト」を変更して個性を表す事に致しました!
訂正してお詫び申し上げます!