第19札 陣の山札構築論
宙宇基陣と美羽、海の三つ巴戦。
第二ターンが終了した。
海の召喚モンスターコウテイペンギンのみが
「風」属性ダメージ1が残留した状態だ。
残留ダメージとは
ターンが変わっても残るダメージという事だ。
「ではw! お話を聞かせて頂こうかしらw?」
美羽が嬉々として言う。
「何をだよ?」
対して陣は嫌そうだが。
美羽の召喚モンスター
幻想巨鳥ロック 属性:風5 技:蹂躙の爪
命中 土5≧水3 威力 風6/火4
飛空怪獣ワイバーン 属性:風4 技:毒針の尾
命中 土4≧風5 威力 火4/水2
猛禽の王者イーグル 属性:風3 技:荒鷲の爪
命中 風5>水2 威力 土3/火2
ロックの戦術カード
鉄拳爬虫人類キーパ 属性:土4 技:正拳逆突き
命中 火4≧水3 威力 土5/風3
ワイバーンの戦術カード
陸のイタチ 属性:土3 技:イタチの最後っ屁
命中 風3≧水2 威力 火3/土4
イーグルの戦術カード
巨大蜻蛉メガネウラ 属性:風2 技:横開きの顎門
命中 風4>水2 威力 火2/土1
海の召喚モンスター
人鳥コウテイペンギン 属性:水4 技:水中飛行
命中 風3≧火3 威力 土4/水5
死の顎門イリエワニ 属性:水4 技:デスロール
命中 火3≧風2 威力 水6/土4
リビアタンメルビレイ 属性:水5 技:デスファング
命中 土4≧風3 威力 水6/火5
コウテイペンギンの戦術カード
抉りの牙ホオジロザメ 属性:水4 技:シャークバイト
命中 火4≧土1 威力 水6/風4
イリエワニの戦術カード
八本足のマダコ 属性:水3 技:毒の牙
命中 火3≧風2 威力 水4/土3
リビアタンメルビレイの戦術カード
ジェンツーペンギン 属性:水3 技:水中高速飛行
命中 風2≧火2 威力 土3/水5
コウテイペンギンのダメージ 風1
「其うですわねw? 出来れば山札の構築からお一つw!」
美羽はもう遠慮無しに訊いて。
「最終的に細かい所は結局其れぞれの好みだぞ?」
等と断りつつ。 やはり陣は解説を始めるのであった。
陣の召喚モンスター
海の殺し屋シャチ 属性:水4 技:オルカアタック
命中 火4≧土2 威力 水6/風3
古代翼竜プテラ 属性:風4 技:裂空の顎門
命中 風5>土2 威力 水4/火4
シャチの戦術カード
凶暴針毛獣ヤマアラシ属性:火3 技:毛針
命中 火5>水2 威力 土3/風2
プテラの戦術カード
闇に眼光るヤマネコ 属性:火2 技:ダークスラッシュ
命中 風2≧水2 威力 火3/土2
「山札は六十九枚、手札は九枚引くな?」
陣が先ず確定事項を確認すると。
「どうして六十九枚なのかしらw?」
美羽は早速疑問を呈する。
「モンスターを三体召喚した場合。
二十一回ずつ攻撃出来る計算だな」
陣はさらりと答えるのだが。
「にじゅーいっかい?」
今度は海が疑問顔だ。
「属性が四つ有って
能力値は其れぞれ6迄だよな?
と成れば!
各属性5ダメージずつ与えたとすれば
後もう一回の攻撃で
どのモンスターでも倒れるだろう? って事だな!」
やはり陣はさらりと答えるのだが。
「成る程w!」
美羽が納得するのに対して。
「どういうこと?」
海は疑問顔のままだった。
「四つの属性掛ける五回攻撃!! 掛け算だ!
算数だぞ?!」
陣はもう疲れた様子で念を押す。
「おう! 算数は大丈夫に決まっているぞ!」
海は平然と言ってのけるが。
「だったら!
手札で引くのは二十三分の三!!
七分の一より小さく八分の一よりは大きい!
拠って!
手札に入っていて欲しいカードは
山札に九枚は組み込みたい! って所だな!
飽くまで九枚では
入っている、かも知れない! 位のものだが!」
陣は
美羽、海共に了解したものとして
話を進めるが。
「どゆことお?!」
海は了解していなかった。
「「分数」だって算数だぞっ?!」
陣はもう心底嫌そうであった。
海に「分数」を分からせる事しばし。
「……其れで!
俺はモンスターは二体召喚したいから!
十八枚! モンスターとして使いたいカードを
入れているんだな!
此れでもやっぱり
九枚引けば多分二枚は有るだろう! ってものだが!」
陣はやっと此処迄言い切った!
という様子だが。
「何で二体なんだ?」
海はやはりのほほんと尋ねる。
「手札はモンスターカード、戦術カード、行動カード!
全部合わせて九枚なんだ!
三体喚んだら!
毎ターン手札を使い切っちゃうだろ?」
「おー!」
海の返事では
分かっているのかどうか定かではないが。
「毎回手札を使い切らなきゃいけないと!
選択肢が狭まるって事だ!
此れは避けなければいけない事だ!!
実は何事も! だぞ?」
陣の説明には熱が入ってきたのだが。
「ほーん?」
やはり海はのほほんと。
分かったのかは定かではなかった。
「で!
モンスターとして使いたいカードは
ウェイト4! と意識している!」
と陣が言えば。
「確かにw!
シャチさんもプテラさんもウェイト4ですわねw?」
と美羽は合の手を入れ。
「何で?」
海は疑問を呈する。
「モンスターはウェイトが大きい方が
ダメージに耐えられるが!
若しカードをモンスターとして使えなかったら!
行動カードとしては使えない!
手札に有っても邪魔なカードに成ってしまう!
其う思えば
ウェイトは4が良い所だ! って計算だ!」
「ウェイト5のカードで行動出来るのは
能力値6のモンスターさんだけですものねw!」
やはり美羽は陣に合の手を入れるが。
「じゃーゼンブ能力値6にすれば良いじゃん?」
海は納得せず反論する。
「あー……うん!
其れも一つの答えだろうな?
けどな!
能力値はどれかを高くすれば
他のどれかは低く成る!!
俺は!
属性四つを満遍なく揃えているから
其れじゃ不味いんだ!
今回は……!」
「陣さんは
「土」属性のカードがほぼ
行動カードとして使えない! ですわねw?」
美羽は合の手を入れる分。
陣の不味い所も突いてくるのだった。
「其ういう事だ!」
陣は苦々しくも
認めざるを得ない。
海の様に
極端に「水」属性カードばかりならば
困らない所だったであろう。
なので陣も
「一つの答え」と認めざるを得ないのだ。
其れにしては
海は未だ一度も攻撃出来ていないが。
「で、だな!」
取り敢えず陣は続ける。
「モンスターとして使いたいカードは
十八枚入れる! にしても
全然手札には無い可能性も高いよな?
結局は手札に二枚欲しいなら
半分は入れないと安心出来ない!」
「大体三十五枚とすれば。
十八枚はウェイト4。
残り十七枚はどうするのかしらw?」
すると美羽は
実際の枚数を計算してくれてしまう。
「ウェイト3! 其れでいて
能力値に5が有るカードで補う! だな!
かなり偏ったカードに成ってしまうが!
代わりに……
速く動ける、という利点も有るな!」
陣が答えると。
「速いのか?」
海が突っ込んでくる。
「行動順番は
モンスターカードと行動カードのウェイトの合計が
少ない順! だ!
軽い方が速い! って事だろう?」
陣が答えれば。
「イーグルさん、
残留ダメージはペンギンさんだけですけど
取り敢えず全体に攻撃成功でしたものねw?
弱いって事はないのかしらw?」
美羽は微笑んで言うが。
「ああ!
嫌な敵だな!」
陣は苦々しく評する。
「あら敵だなんてw!」
美羽は微笑んだままだが。
動じてもいない、という事だ。
「では後三十四枚はどうするのかしらw!」
其して遠慮なく最後迄訊く。
「だから!
戦術カードは成るべく
ウェイトが少ない方が良いから!
後は全部3以下! って事だろ!
此れはもうどんな構築をしても! だぞ?」
陣は堂々と答える。
どんな構築をしようとも、ならば
隠す事ではないからだ。
「戦術カードは寧ろ
1が最良! だな!
けど途中でも取り替えられる!
モンスターカードは一度決めたら
替えられない!
だから……!
ウェイトが小さいカードでも
何とかモンスターとして使えそう、
というのが優先か」
陣は熱心に解説し切るが。
「あたしうえいと1のカードなんか
持ってないぞw?」
海があっけらかんと言い。
「構築からやり直せええええ!!」
陣は絶叫した。
2021/10/26
修正が発生致しました!
「人鳥コウテイペンギン」の能力配分が間違っておりました!
伴って
「ジェンツーペンギン」の能力配分も修正しております!
訂正してお詫び申し上げます!
2022/03/10 23:13
訂正が発生致しました!
「シャチ」の能力配分が大分初期から間違っていた為
修正した結果、今度は
「ホオジロザメ」「シャークバイト」と
数値がダブってしまい
個性を出す為「シャークバイト」を変更せざるを得ませんでした。
訂正してお詫び申し上げます!




