生きる
フィクションです。
初めて小説を書くので拙い文章になるとは思いますが、どうぞご観覧ください。
これは、ごく普通にいる男性のお話
彼の名前はKとしよう
彼には弟と妹がいて家族5人暮らしの長男である。年は19歳大学1年生である。
Kの母は子ども思いの優しい母親だがやや精神が不安定で時々ヒステリックになる
対して父親は自分にも他人にも厳しい完璧主義者である。
こんな両親のもとに産まれたKの子供の時の話から始めよう
第一章 こども
「ほら、K早く置きなさい何時だと思ってるの。もう7時よ、保育園に遅れちゃうじゃない」
Kは寝起きはいいのだが自分でおきるのは苦手だ。毎日母に起こされている
「さっさと、朝ご飯食べちゃいなさい」
2階にある寝室から母に抱っこされて1階のリビングへと降りていく。
もう3歳になるとはいえ、甘えん坊である。
食卓に用意されていた食パンを食べ終え、保育園に行く準備をして両親と一緒に車に乗り込む。
両親は同じ職場で働いており、保育園は自宅と職場の間に存在するためである。
Kは毎朝の日課であるトーマスのラムネを母からもらい、もぐもぐと食べている。
彼は、保育園が嫌いだ。先生が嫌だとか、友達が嫌いというわけではなく、母と別れるのが寂しくて嫌なのだ
毎朝、車が見えなくなるまで窓から精いっぱい背伸びをして手を振り続けている。
目に大粒の涙を浮かべながら登園するので先生も一苦労である。
園では、どう足掻いたところで母が迎えに来ないということはわかっているので、登園後は悠然とすごすのだった。
Kのクラスの担任であった鈴木先生は毎日ラムネの匂いを纏いながら来て、親が見えなくなるまで健気に手を振るKのことがかわいかった。もちろん保育士である以上、どの子供もかわいいのだが彼とは不思議なご縁がある。
毎日、18時になると、母が迎えに来る。父は忙しく行くときは一緒だが、帰ってくるのは深夜だ。
彼は、そのお迎えの時間が毎日楽しみで楽しみでしょうがなった。たまに、母が仕事が早く終わり迎えの時間が早く友達がお昼寝をしている中、自分だけ帰れるのは優越感さえあった。
当時は、子供は絶対にみんな保育園に行かなくてはならないと思っていたが、彼は成長して幼稚園の存在やましてやそういったところに預けられていない子供がいることを知る。