なんでやねん
「タカシ 人生ってさ限りある時間をどれだけ有意義に過ごせるかで、幸せを感じるんだよ」
「ふーん」
そんなロクでもない事を昼休憩で熱く語りだしたマコト、僕の有意義な時間の過ごし方は昼食べたら寝る事なんだ。
「そしてオレは幸せになりたい]
「がんばれー」
僕の顔を見てめんどくさい事いってんなぁこいつと言っている事を誰か教えてくれ、たぶんこいつ気づいてないはずだ。
「そのためにはタカシ お前の協力が不可欠なんだ」
はいキター めんどくさいパターンだよ、だからあれ程顔に書いてあっただろめんどくさいって書いただろよ、誰かこいつに通訳してくれよと愚痴を言っても多分こいつ結構しつこいから適当にあしらうか。
「わかったよ めんどくさいけどやるよ」
「ありがとう お前ならそういうと思ったぜこのツンデレ」
「野郎にツンデレはいないというのが僕の持論だ」
野郎のツンデレは僕には需要がない、ただしこの国の二次元の男の娘と呼ばれる存在は認めてもいいかもしれない。
「それで僕は何をすればいいんだ? 」
「あぁ オレ なんでやねんという一言を使いたいんだ」
「なんでやねん」
今のなんでやねんは、7割の出来だな手首で突っ込みができればさらに完成度は高まっただろうな。
「いや タカシ僕が使いたいんだ」
「今のなんでやねんはお前が使いたい理由を聞いているんだ」
「そうなのか、いやほら関西人じゃないけど、いや関西人じゃないからこそ使ってみたいそういった気持ちが芽生えて人生で一度は言ってみたくなった」
とてもしょうもない事だが、それですべて終わるならお安い御用だ、僕はこの日一番の笑顔で答えをあげた。
「バーカ」
「えっなんだよ急に」
「いや お前今なんでやねんをつかえよ」
「あっそうか ごめん」
面と向かってバーカとなかなか素直にいえないからな、いいストレス解消になった。
「じゃあもう一回だけな いやー夏は暑いな」
「えっ うん」
「いやそこは、なんでやねんでいいだろ」
「よくないよ」
「お前なんでやねんのポテンシャルなめるなよ なんでやねんは冠婚葬祭すべてに使える」
「そこまでのポテンシャルはないよ」
「おいおいそこで、なんでやねんだろ」
頭を抱えたくなる、全くなんでやねんを使いたい癖に反応が遅いんだよな、すぐに終わるかと思ったが時間がかかってしまうのでしょうがないから僕が手本をみせる事を提案した。
「ほれボケてみろ」
「えぇとアルミ缶の上にあるみかん」
「なんでやねん」
「ふとんがふっとんだ」
「なんでやねん」
「ごめんもうボケ思いつかない」
今のはただの駄洒落だと思うんだが、思いつかないならしょうがない、初心に帰ってこっちがボケてやるとしよう、こんなに優しくする友人をマコトは誇りに思うべきだ。
「なぁ お前になんでやねんを使いこなすことは無理だよ」
「えっ出来るって やれば出来るって」
「だって僕ら関西人じゃない 関西人じゃないなんでやねんは所詮まがい物なんだよ」
「うっ確かに」
「いや納得するなよ 今 なんでやねんの使いどころだから」
本当にこいつには、なんでやねんを使いこなせない呪いでもかかっているんじゃないかってぐらい無理な気がしてきた。
「もう一回 もう一回だけ頼む次こそ次こそオレは、なんでやねんを使いこなしてみせる」
「いやもう無理だよ」
「何故だ」
「もうお昼休みが終わるからな 諦めろ」
時計を指差すと昼休憩が終わる時間になっていた、可哀想にやはりマコトにはなんでやねんを使いこなす事はできないのだろう。
「くそっならばまた放課後に頼む」
「なんでやねん」
放課後もこのテンドンを繰り返すのかと思うとすごく憂鬱な気分からもう一度なんでやねんとマコトには聞こえぬように呟いた。




