事の発端は
ブイオは、闇の中を飛んでいた。
「Hell」を発ってからどれ位経ったのだろう。もはや時間の感覚は存在していなかった。
夜の刺すように冷え切った空気が心地よい。魔界の風だ。冷たく、弱った命を容赦なく奪っていく。腕から漂う血の匂いは、体を流れる血を煮えたぎらせ、生命力の源となる。
時折、顔の横を銃弾が掠める。体を回転させ、寸前でかわす。ただでさえ腕が使い物にならなくなっているのに、これ以上ダメージを受けたら飛ぶどころではない。即死だ。
腕の鈍い痛みが遠くなる。同時に意識が薄れる。出血多量による貧血だ。連中に腕を切られたのは大分前だが、腕を割いたような傷は、深く、大きかった。腕を触ると、血のぬるりとした感触があった。目をやると、赤く染まった肉の隙間から、白い骨が見える。普段なら血が騒ぎ、肉が躍る、という所だが、今は、ただ辛かった。
―何故、血が固まらない―
動脈を切られたのかもしれない。だとしたら、血など固まる訳もない。体の奥底から血が流れ出ている感覚がする。搾り取られている様だ。
遥か下方に、沢山の明かりが見える。懲りない奴らが追いかけてきているのだ。皆手に手に武器を持ち、こちらを見上げて並走している。
悪魔の血は、全ての病の特効薬として重宝される。今まで何人もの仲間がそれ目当てで殺されてきた。ブイオも、その目的で追われているに違いなかった。
頭上には丸い月が見える。満月だ。魔界にはこんなに綺麗な物が無い。あっても、常に厚い雲に遮られ、見えない。満月には運命の魔力があると、昔何かの本で読んだ。その時は月という物が何だか分からなかったが、今は良く分かる。こんなに明るいのに光は冷たく、美しい。確かに魔力がある様にも思えてくる。つまり、死ぬのも生きるのも月任せ、運命だという事だ。
―それにしても、遠いな―
今目指しているのは「Sun」。神の領域と呼ばれている地域だ。もう着いても良い筈だった。それとも、方向を間違えたのか…。
スパイとして送り込まれたのは、初めてじゃない。今まで何度も送り出され、その度に瀕死の重傷を負ってHellに帰る、その繰り返しだった。それは今回も同じだった。だが、引き返す気は無い。此処で進むのを見限ってしまったら、二度と来れないのが分かっている。「五回失敗したら終わり。次は無い。」それが魔界の掟だった。そんな屈辱を受ける位なら、なんとしてもSunに辿り着きたい。たとえその先が命の破滅に繋がっているとしても。
前方に影が見えた。それは直ぐに大きな山の形となり、そびえ立つ。その山は、神山と呼ばれ、恐れられている聖域だった。それならば、もうSunは目の前だ。束の間の安堵。でも、それは腕の痛みを忘れさせてはくれなかった。むしろ、痛みが増しているようにも感じる。
本来なら人気のない場所に降りて調査するのが目的なのだが、それを行う気力も体力も、もはや残っていなかった。ただ着けば良い。それが目的だったのだから、もうどうする事も無い。此処に降りた所で助かる訳でもないし、運よくどこかの家に飛び込んだとしても、銃で直ぐに撃ち殺されるか、超硬質ガラスに頭をぶつけて死ぬのが落ちだ。だったらもう命を捨ててしまおう。どこかの家の窓に飛び込み、せめて生きた悪魔の存在を此処の奴らに見せつけてから死ねば良い。それ以上の事はしなくて良い。悪魔の姿を人間どもが見つけてあたふたするのなら、本望だ。
でも、もしかしたら生き延びるかもしれない。
窓が超硬質ガラスじゃ無ければ―
住む人が悪魔を敵と思わない人なら―
いや、止めよう。そんな事有り得ない。万に…いや、億に一つも無い可能性の事なんて考えても仕方が無い。月だってブイオを殺すだろう。
視界がぼやけ、遠くなる意識の中、ブイオは徐々に高度を下げていった。
この日は妙に寒い日だった。夏だというのに、寒気がする。僕は、布団を頭まで被った。冬の寒い日は、それですぐ眠くなるのに、今日は違った。目がさえて、ちっとも眠れない。なんだか、恐ろしかった。
―何か来る―
決して霊感が強い方ではない僕にも、それは感じられた。とにかく眠ってしまいたい。頭上に伸ばした手が止まった。布団から這い出して掴みかけた機械を見つめる。それは、母―紗蘭が、僕の十歳の誕生日にくれたものだった。ボタンを押すと、催眠音波が出て、どんな人でも眠りにつけるという優れものだが、それから三年経った今まで一度も使った事は無い。銀色に輝くその小箱は、便利な機械というより異世界との通信機にも思えてくる。僕はこの機械が苦手だった。
何か飲もうと寝室を出てキッチンに向かう。その途中にリビングを通るのだが、いつもきっちり閉まっている筈のカーテンが、今日は開いていた。窓に近づき、カーテンに手を伸ばす。その時、月の光に手が止まった。振り仰ぐと、黄金に輝く満月が見えた。鱗雲に取り囲まれ、虹の光を身に纏っている様だ。窓ガラスを通して、その冷たさが伝わってくる。この地域―Sunの家の窓には、どこの家にも超硬質ガラスがはまっている。防音機能、ヒート機能も兼ね備えた、最近開発されたばかりの「便利グッズ」だ。しかし、この家にはそれが無い。普通のガラスがはまっているだけだ。
この星は、「Sun」、「Sky」、「Earth」、「Death」の四つの地域に分かれている。僕の住むSunは、その中でも最高級ランクの都市だった。設備が良く、物に不自由しない。望む物はほとんど手に入る。超硬質ガラスだって、無償で取り付ける事が出来た。しかし、僕はそれを望まなかった。人工造形物に囲まれ、保護された生活を送るよりは、山の中に放り出されて自然の中で生きる方を選ぶ。Sunに住んでいるのも祖先が代々住んできていたからで、望んでいる訳じゃない。この地域の真ん中には神山がそびえ立ち、その山を多くの人が信仰していた。だが、僕はその山が嫌いだった。抜け殻になった人形の様な人々を目にする。残酷で非情だ。どこからともなく死んだ悪魔を担いできては、血を抜き取り、薬として調合する。皆有難がっているのだが、それなら残された悪魔はどうなるのだろう。殺された悪魔にも仲間や家族がいた筈だ。自分達の事しか考えず、他の物はどうだっていい。それが、この星の人民の考える事なのだ。家の窓から見えるこの山から目を背ける為に、カーテンは昼夜問わず閉め切っていた。それがどうして開いているのだろう。昼間、無意識に開け放っていたのかもしれない。今までもそういう事が何度かあった。気が付くと、僕はカーテンに手を伸ばし、開け放とうとしているのだ。
―現実を見ろ。目を背けるな。立ち向かえ―
ああ、また聞こえた。最近、自分の中で魂を揺さぶる様に声がする。何かに捕らわれているみたいに手が、声が、荒れ狂っている。家に置いてある剣で手が喉を掻き裂こうとした。心臓を衝こうとした。まるで、僕を苛み、苦しめようとするかのように…
満月を見るのは、久しぶりだった。いつも閉ざされた世界に居るせいなのか、特に意識もしていなかった。僕は手を休め、見事な程に煌めく満月に見入った。
思えば、偶然という物を初めて感じたのはこの時だったのかもしれない。「偶然」カーテンが開き、「偶然」超硬質ガラスじゃなくて、「偶然」満月に見入った。それだけの事だが、そのおかげで僕は自分の本当の姿を知る事が出来た。父を、母を、そして自分を、「嘘」のケースから解き放ち、経験を与えてくれた、3つの偶然。僕はこの日の事を決して忘れないだろう。僕を光から闇へと突き落とした、いや、連れて行ってくれたこの時を。
この時ばかりは、忌み嫌っている筈の神山にさえ、感謝したい気分になった。
満月の中央―丁度兎の搗く臼の辺り―に、黒い点の様なものが見えた。それは一瞬の間に人の姿になり、しかもこちらに向かってくる。両手を振って合図をしたが無駄だった。慌てて傍に在った戸棚の裏に身を隠し、剣の柄を握りしめるのと、激しい音と共にそいつが窓を突き破って飛び込んできたのが同時だった。
床一面に散らばるガラスを踏まないようにそっとそいつに近寄る。剣はまだ握りしめたままだ。
「…大丈夫か?」
返事は無い。気を失っている様だ。そいつの体に乗ったガラスを払いのけ、抱き上げる。手に持っていた剣は、口に銜えた。その時、背中を支える左腕に違和感があるのに気付いた。背中の感触とは違う、硬い感触。不思議に思い、寝室のベッドに寝かせると、僕は電気をつけた。
そして、驚いた。
そいつには、羽があった。それも、絵本なんかでよく見る鳥のような羽ではなく、蝙蝠に近い羽。それと、頭の角に尻尾。間違いない。こいつは悪魔だ。
僕が唖然としている間に、そいつは目を覚ました。右目がうっすらと開き、漆黒の瞳がのぞく。その視線はしばらく宙を彷徨った後、僕の所で止まった。
「…なぜ殺さない」
そいつの口から呟きが漏れた。
「殺す?何故」
そいつは上半身を起こし、右手で体を支えた。横になっていた時には気付かなかった傷が露になる。その傷は、左の肩口から手首まで、ぱっくりと割れ、血が流れ出していた。突っ込んで来た時に切ったのか、額からも血が流れ、そのせいで左目は開けていなかった。そいつの口から、嘲笑的な言葉が飛び出る。
「何故って、悪魔の血が薬として重宝されてるってのはあんただって知ってるだろ。俺を殺せば、軽く2,3ℓは手に入る」
確かにそうだ。傷ついた悪魔を殺すのは訳ない。しかし、実際に口をついて出たのは、
「手当してやる」
という言葉だった。
腕と額の傷を洗浄する。額の傷は、それで十分だったが、腕の傷は深く、縫い合わせる事が必要だった。
「あんた…変わってるな」
横を向いたまま、そいつが言った。僕のすることを受け入れ、抗おうとしない。悪魔にしては意外だった。
改めて、そいつを観察する。歳は、僕と同じ位だろうか。褐色の肌に、漆黒の髪。尻尾の先は赤くなっている。僕が想像していた悪魔の姿とは遥かにかけ離れている。
「名前も名乗らない、しかも悪魔の傷を治し、保護している。人間として良いのか、この行動」
「そんな事決まってないさ。それに、名乗ってないのはお互い様だろ。名前なんてどうでも良い。僕は、君を助けたい。それだけだ」
そいつは、僕の言った事を黙って考えているようだった。そして僕の方へ顔を向ける。まだ、左目は閉じたままだった。
「…俺の名前はブイオだ。あんたは」
「僕は、來だ」
「來…か」
ブイオは、何か考え込んだ風だった。しばらくしてこっちを向くと、僕に向かって閉じていた左目を開ける。
そこには、燃えるルビーの眼があった。
「俺は、スパイだ。魔界のな。Sunの情報を出来る限り集めて来るように言われた。俺は街に出て、此処の情報を魔界に伝える。…でも、あんたの事は言わない。だから…だから、あんたも俺の事を誰にも言わないでくれ。俺を助けた事はあんたにとって人間の恥、あんたに助けられた事は俺にとって魔界の恥だ。分かるな」
そうか…そうなんだ。僕にとってブイオを助けた事は…
傷は縫い終わった。ブイオはそっと腕を引き、体の横に置いた。
「誓え。俺も誓うから」
「誓うよ」
突然、頭の中を閃光が走った。剣の柄を握りしめる。ブイオがたじろいだ。
「何だ、今更になって俺を殺すつもりか」
違う。
そう言いたかった。だが、言葉が出てこない。また、手が暴れだしている。
―現実を見ろ。目を背けるな。立ち向かえ―
肉体が精神に負けている。気が遠くなり、手が喉を掻き裂こうとする…
「止めろ!」
耳を劈く様な大声で、僕は我に返った。剣が弾き飛ばされる。捕えていたものが逃げていく。僕は驚き、ブイオを見た。
「來、何を考えてる。何故、死のうとする。一体何があった」
ブイオが眉根を寄せる。肩で大きく息をしていた。紅い瞳が覗き込む。怯えと不安が読み取れたが、答える気にはならなかった。
「何でもない。それより君は、どうやって僕を助けた」
「大した事じゃない。空気の弾を撃ち込んだだけさ」
ブイオはまだ疑うような視線を向けていたが、答えてくれた。
「ただ、これはけっこう力を使うんでね、体力の消耗が激しくなるんだ。出来れば、こんな状況の時に使いたくなかったんだけど」
ああ、すまなかったな、と思った。こんなに大怪我を負っているのに、悪い事をした。
不意に、ブイオが黙り込んだ。その尖った耳がピクリと動く。何かを聞き取っているかのようだ。
「何か来る」
ブイオが呟くと同時に、それは僕の耳にも聞き取れる音となった。荒々しい足音。真っ直ぐこっちへ向かってくる。僕は手を伸ばし、部屋の電気を消した。
ドアが勢いよく開いた。
僕もブイオも、身を固くする。こんな夜中に家の中を歩くなんて…誰だ。
「來、どうしたの?」
聞こえてきたのは、紗蘭の声だった。僕は肩の力を抜いた。
「ごめん、母さん。起こしちゃった?」
紗蘭が寝室を覗き込む。ブイオを、そしてリビングに散らばったガラスの破片を見て訝しげな表情を浮かべる。
「ガラス、どうやったらあんなに盛大に割れるのよ?」
「突風が吹いたんだ。他の家は超硬質ガラスだったからよかったけど、ほら、家は普通のガラスだろ。だから割れちゃって。」
「そうだったかしら。後、その子は誰?」
「と、友達の子だよ。この前Skyに遊びに行ったときに会ったんだ」
「そう。早く寝るのよ」
咄嗟に思い付いた答えだったが、紗蘭は納得してくれたらしい。なおも首を傾げながら、ドアを開け、出ていった。
ドアがカチャリとしまる音がして、僕とブイオは大きく息を吐いた。辺りに安堵の空気が漂う。僕は電気を点けようとして、スイッチに手を伸ばした。
「電気を点けるな」
横から伸びてきた手が、僕の手を止める。暗闇の中、見えるのはブイオの紅い瞳だけだ。
「俺は悪魔だ。闇の世界で生きてきて、光には慣れていない。頭が痛くなるんだ」
「でも、僕は闇に慣れてない。君の紅い瞳しか、僕には見えない」
紅い眼が瞬いた。
「それで十分だろう」
十分?そんな訳無い。相手に見えたかは分からないが、僕は首を横に振った。
「それだけじゃ、君の居場所を掴むことは出来ない。君の、此処の全てが見えなければ僕は怖くて動けない」
紅い瞳に残忍な光が宿った。声に苛立ちがこもる。細い物が喉に絡みつく。
「泣き言を吐くな。見えないなら見える様にしろ」
「だから、電気を点けようとしてるじゃないか」
「違う。周りを変えるんじゃない。自分を変えるんだ。闇に眼を慣らせ。俺の姿がはっきり見えるまでな」
そんな事出来る訳が無い。
そう思った。しかし、やってみなければ分からない。大きく息を吸い、目を閉じた。瞼の裏に、寝室の情景がありありと浮かんでくる。部屋の隅に置かれたベッド、その枕元に置かれた銀色の小箱、目の前に立つブイオ、僕の首に巻き付いているのはブイオの尻尾だ。
「見えた」
そう呟いていた。ブイオが身じろぎして、ベッドに腰掛ける。目を瞑っているのに、全てが手に取るように分かる。今僕は、体の全てで空間を感じ取っていた。
「來、目を瞑ったままで答えろ。今、あんたの首に巻き付いているのは」
「君の尻尾」
「俺は今、どうしてる」
「ベッドに腰掛けて、僕を見ている。尻尾が僕の首に巻き付いていて、…あっ、違うな、今足を組んだ。左足が上。違うか?」
ブイオが息を呑むのが分かった。
「目を開けろ」
かすかな声が鼓膜を震わせた。尻尾が首から離れる。
今僕には何も見えない。手探りでベッドを探し、ブイオの隣に腰掛けた。
「何か食べるか?」
ブイオがこっちを見た。
「持ってきてやるよ。何が欲しい」
「何でも良い」
キッチンに向かい、電気を点ける。何か持ってきてやるとは言ったものの、僕に作れるのはスープ位だ。
鍋に水を入れてだしを取り、大量の野菜を突っ込む。鶏肉を切っていたら紗蘭が顔を出した。
「來、どうしたの?スープなら作ってあげるけど…」
「いや、良いよ。母さんは寝てて」
そう言う間にも切った鶏肉を鍋に落とし、掻き回す。鶏肉が煮えたら完成だ。後は…
冷蔵庫の中をごそごそし始めた僕を見ながら、紗蘭が眠そうに欠伸をする。
「一番下の段に夕食の残りのサラダが残ってるわよ。持って行ってあげたら」
図星をつかれた。紗蘭の顔をまじまじと見つめる。ブイオに持って行く事など一言も言って無いのに…
「どうして分かったんだ?」
「親の勘よ。長年一緒にいるとね」
紗蘭がそう言ってウインクする。皿にスープとサラダを盛り付けると、僕は足早に寝室へと向かった。
僕が作ったスープを一口飲んでブイオは一言、美味いと言った。
「こんなに暖かい物は初めてだ。なかなか良いもんだな」
喜んでもらえて良かった。ふと気になった事を訊いてみる。
「ブイオ、さっき君はスパイだって言ってたけど、何の目的があったんだ?」
ブイオは答えない。サラダをつかんだ箸が止まり、紅い眼が黙って中空を見つめている。
「來」
振り絞るような声だった。
「目的は知らない方が良い。知ったら、間違いなくあんたは俺の敵になる」
そして、全て食べ尽すとベッドに潜り込んだ。
「今更だけど…ベッド借りて良い?物凄く眠たい」
「もちろんさ。ぐっすり眠ると良い」
「有難う」
ブイオが笑みを見せた。礼の言葉も、笑顔も、初めて見せた物だった。
「どっちにしろ」
ブイオが呟いた。紅い眼が真っ直ぐ僕を射すくめる。
「次に会った時は敵だ」
何それ、どういう意味だよ。
訪ねようとしたが、ブイオは既に寝息を立てていた。
僕はブイオの隣に潜り込むと、目を閉じた。
次の日、僕の横からブイオは消えていた。窓は治っており、紙が一枚貼り付けられている。そこには、明らかに字を書き馴れていない者が書いた読みにくい字が綴られていた。
窓は治しておいた。礼のつもりだが、満足していないのは分かる。借りはいつか返す。だが、俺とあんたは敵同士だ。相容れることは出来ない。覚えておけ。
胸がはち切れそうになった。どうして人間と悪魔は敵にならなければいけないのだろう。ブイオは一体何の目的があってこの街に来たのだろう。まだ訊きたい事が沢山あったのに…




