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いつも通りのはずだった午前3時

 、、、朝だ、、、だが午前3時、なぜだと思う?普通の人なら大抵は6時とか7時とか、太陽が昇ってから起きるだろう。だが私は違う、半年前ぐらいからだろうか、とあるアプリを入れた、なんと予知をできるという優れものだ。

 しかし、毎晩このスマホが震えるおかげで私の睡眠サイクルは完全に狂ってしまったわけだが、、、まあ文句はない。なぜならこのアプリのおかげで人生がイージーモードなのだから。

 例えば、この前、雨に降られる自分の写真が届いた、大人しく私が傘を持って出かけたところ、結果的中。このような写真がたくさん送られてくるおかげで私の人生はイージーモードと言う訳だ。私にとって欠かせない最高のライフハックツールとなりつつある。

 ――そう、、、これが私の「人生」だったはずなのに、、、――

 ピコン。

 そう枕元でいつも通り聞き慣れた通知音が部屋の静寂を跳ね飛ばす。ディスプレイには白くメッセージが浮かび上がり、ロック画面には【画像が届きました】と文字が表示される。

「、、、さて、、、今日の予知は何かな?そろそろ衣替えの時期だし、冬服を着てる私の写真かな」

寝ぼけ眼をこすりながら、軽い気持ちで画面をタップする。しかし、読み込まれた画像が目に飛び込んできた瞬間に、私の思考は完全にフリーズした。

「、、、何、、、これ、、、」

 いつもなら、私の姿や、街の風景が写っているはずだ、だが今回は違った、画面に映し出されていたのは、見覚えのある私の時計だった、、、

 だが決定的に目を見開く部分はそこじゃない、、、その色だ。白い文字盤は、赤黒い液体で汚れている、、、時計のガラス面には、激しい衝撃で入ったような蜘蛛の巣状のヒビ割れ、、、

 そして、その文字盤を汚す血の隙間から覗く長針と短針は、ぴったりと「3時15分」を指していた、、、

「、、、は、、、?」

 心臓が、ドクンと嫌な音を立てて跳ね上がった。背筋を冷たい汗が、すうっと流れ落ちていく。

アプリが送ってくるのは、未来の予知写真だ。だとしたら、この血は、一体誰のものだ?いや、考えるまでもない。私の時計が血に染まっているなら、これは――。

 ガタッ、と窓の外で小さな音がした。

私は弾かれたように、自分の部屋の時計を見る。現在の時刻、「午前3時02分」。写真の時計が指す運命の時刻まで、あと13分

 私の、本当の意味での長い「午前3時」が、ここから始まった。

 「いや!は!?待って、、、!血、、、!?」

 一気に目が冴え渡り、ベッドから飛び起きる。自分は死ぬのだろうか?そう頭の中で疑問がよぎる。パニックになりながらも私は必死に頭を回転させた、、、とにかくこの部屋から出た方が安全かもしれない。私はスマホと財布をひったくり、服を着替えて、急いでスニーカーを履いて玄関を飛び出した。

 外はしんとした住宅街。静まり返った夜道を、私は歩き出す。

よく分からないまま私は歩きながら考える、、、

 まず、なぜ血なのか、よく分からない、、、そして、時計、、、私が今つけてるものだ。

ハァ、、、ハァ、と荒い息を吐きながらスマホの画面に目を落とす、、、「3時14分」、、、あと1分――。

 その時だった。カッ、と横から、夜の闇を真昼のように照らす強烈な光が差し込んだ。

「え――」

 振り返る暇すらなかった。凄まじいエンジン音と、空気を引き裂くような急ブレーキの金属音。住宅街の細い路地にはおよそ似つかわしくない、大型トラックがコントロールを失い、横滑りしながら私に向かって突っ込んできていた。視界が、ヘッドライトの白一色に染まる。逃げる時間なんて、1秒も残されていなかった。

 ――ドンッ!!!

 身体に受けた衝撃を認識するよりも早く、私の意識は暗転した。


「……はっ!?」

勢いよく上半身を跳ね起こした。

心臓が破裂しそうなほどバクバクと脈打っている。全身を冷たい汗が伝い、さっきまで感じていたハズの、身体がバラバラになるような衝撃の残像に手足が震えた。

 「夢、、、? いや、でも、、、」

 慌てて自分の身体を触る。血は出ていない。骨も折れていない。呆然としながら周囲を見回すと、そこは見慣れた自分の部屋だった。

 ピコン。

 心臓が止まるかと思った。枕元で、あの聞き慣れた通知音が部屋の静寂を跳ね飛ばす。

ディスプレイにメッセージが白く浮かび上がり、ロック画面に【画像が届きました】の文字が表示されている。

 震える指でスマホを取り、画面を見る。表示されている現在時刻は――「午前3時02分」そして届いた画像は、やはり、あの赤黒い液体で文字盤が汚れた、私の時計の写真

 針はぴったりと、「3時15分」を指している。

 「嘘、、、でしょ、、、?、、、戻っ、、、てる、、、」

 私は先程部屋から逃げ出した、なぜか「私の時計が血に染まる」という写真の通りに、私はトラックに轢かれて死んだ。そして、写真が届いた直後の時間に巻き戻されたのだ。

 あと13分。

 今度は、一体どうすれば生き延びられる?私の、終わらない「午前3時」との戦いが、本格的に幕を開けた。

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