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勇者達はひとときの休息をとるようです

363 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/03(火)18:00:00.00 ID:1399336



【西ゼリヤ王国 アディボラ温泉郷】



爪●皿●)「いやぁ、アンタらには世話になったが、ここでお別れだナ」



(゜、゜*)「残念ね。エルフの戦力がこちらにつけば心強いんだけど」



爪●皿●)「"契約"だから仕方ねぇサ。文句はアンタらのスポンサーに言ってくんナ」



(・∀・ )「ド級のクレームつけとくよ」



 エルフのボブは勇者達にサムズアップを向けると、ボギーに乗って平和になった原生林の中へと帰っていった。



 ( ’A`)「さて、これからどうする?」



(ФωФ )「魔王をぶっ殺しましょう!」



 (;’A`)「いや、まぁその意気込みは大事だけども……まだ日が落ちるまで時間はあるし、少しは進めるんじゃないかって話だ」



(゜、゜*)「せっかく温泉地に寄ったんだし、今日はここで一泊しない?」



(・∀・ )「そうだね。明日の朝にアロスティへ向かえばいいんじゃないかな」



( ノ∀`)「ここからなら、特急馬車に乗れば一日でアロスティに着きますね」



 ( ’A`)「それはそれで全然いいけど……もう戦いは始まってんだよなぁ」



 (;’A`)「こんな呑気しててもいいのかって不安になるな」



(^ω^ )「運動会の前の日みたいな?」



(゜、゜*)「アンタ戦争と運動会を同レベルで見てんの?」



( ^ω^)「根本的には同じじゃね?」



(゜、゜*)「芯食うタイプのバカじゃないでしょアンタ」



(・∀・ )「逸る気持ちは分かる。戦争経験とかないし、どんな心境でいればいいのか分かんないしね」



(・ω・`)「だけど、こんなときこそ保養地で英気を養うのは大事だよ。帝都ドナドから海底遺跡へ行って、とんぼ返りでエルフの街まで向かって、ゴブリンと戦った……」



(・ω・`)「途中に目立った休息もなしに、僕達は強行軍で世界を駆け回ったんだ。体力は思っている以上に消耗しているはずだよ。戦いに加わる前に、少しでも回復しておくべきだ」



( ФωФ)「言われてみれば、たしかにその通りですね」



 ( ’A`)「でもよ……」



(・∀・ )「今日はサウナのある温泉宿に泊まろうか」



 (*’A`)「っしゃ!了解!」



 (’A`*)「実は前に寄った時に、よさげな宿をリサーチしておいたんだよ!戦士、ちょっときてくれ!」



(^ω^ )「そこスチームサウナある?」



(・ω・`)「……彼はもっと理性的な人物だと思ってたけど」



(・∀・ )「趣味になると人って変わるよねぇ」





364 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/03(火)18:00:00.00 ID:1399336



【アディボラ温泉郷 四季の宿リゾート別館】



 かっぽーん……



 (*’A`)「あ゛あ゛あ゛~~疲れがとろけ出るぅぅ~~」



(*^ω^)「よきかなぁ~~~」



(*ノ∀`)「ずっと浸かってたいですねぇ~~」



(・ω・`)「猫みたいに溶けてる」



(ー∀ー )「やっぱり疲れたときの温泉はいいねぇ」



 (*’A`)「……さて、俺はサウナに行くけど。お前らどうする?」



(*^ω^)「んなら俺も行こうかな」



(*ノ∀`)「僕はこのまま浸かってます~」



(ー∀・ )「俺も。もう少し入ってたいな」



 ( ’A`)「おっけー、アンタは?」



(・ω・`)「それじゃ僕も、行こうかな。サウナ」



( ^ω^)「……おっ?」





365 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/03(火)18:00:00.00 ID:1399336



【サウナ】



 (;‐A‐)「ッフゥー……スゥー……」



(;´ーωー)「……」



(;^ω^)「……なぁオメェよぉ」



(;´・ωー)「?なんだい」



(;^ω^)「なんかもう皆、違和感なくなったのか知らねぇけどよ」



(;^ω^)「俺はまだお前の事を信用しちゃいねぇからな」



(;´・ωー)「……」



(;´ーωー)「構わないよ。そういう立場の勇者も必要だ。せっかく4人もいるんだしね」



(;´・ω・)「もしも仕事が来れば、僕は躊躇なく君達の敵になる。初対面の洞窟の時みたいにね」



( ・∀・)「ちゃーす、うわ熱」



(;^ω^)「『仕事と私、どっちが大事か』で迷わず仕事を選ぶタイプか」



(;´・ω・)「もちろん。ノータイムで答えてやるね」



(;^ω^)「……ん、ちょっと待てよ?いまお前変なこと言わなかったか?」



(;´・ω・)「発言には常に気を遣ってるはずだけど」



(;^ω^)「仕事が来れば……って言ってたけどさ。お前ってマルク帝国の人間だろ?マルク帝国は俺達の味方だろ?」



(;^ω^)「なんでそれで敵になることがあるんだ?そんな仕事来なくないか?」



(;^ω^)「まさか!お前もしかして魔王の……!」



(;´ーωー)「……はぁ」



(;´・ω・)「マルク帝国が君達の味方だって、本当にそう思ってるのなら、君の頭はお花畑だ」



(;^ω^)「えっ違うの?」



(;´ーωー)「彼らは君達を駒として利用してるだけさ。魔王から帝国を守るためにね。そして、その為に君達の支援は惜しまないだろう」



(;´・ω・)「けど……魔王から帝国を守るという目的が達成されたら、その為の駒はどうすると思う?」



(;^ω^)「勲章を授与されて、一生暮らす分には困らない程度の年金を保証されて、領地を貰えるんじゃないの?」



(;´・ω・)「セカンドライフへの皮算用が狂ってるね」



(;´・ω・)「まぁ僕も、やんごとなき身分の方がどう考えてるなんて分からないけどね。魔王を倒せる程の力を持った個人なんて危険な駒を、帝国が生かしておくと思うのかい?」



(;^ω^)「……」



(;^ω^)「……たしかに!?」



(^ω^;)「おい!聞いたか魔法使い、今の話!帝国が敵になるかもだって!」



 (;’A`)「百万回は見たわ、そんな展開」



 (;’A`)「んなもんな、考えたって仕方ねぇんだよ。昨日まで仲間だった奴が明日は敵になるなんて、よくある話だ」



(^ω^;)「……そうかも」



 (;’A`)「だろ?だから、こういう時はな……」



 やおら立ち上がった魔王使いは、そのケツにタオルを叩きつける。



 ( ’A`)「水風呂と外気浴で、頭スッキリさせんだよ!」



(;^ω^)「!」



(;^ω^)「……」



( ^ω^)「なに言ってんだアイツ」



(´・ω・)「うまいコト言おうとして言えてない一番恥ずかしい展開から逃げるように外に出たね」



( ・∀・)「のぼせてたんじゃない?」



(´・ω・)「ああ……なるほど」



(・ω・`;)「あれっ!?いつから!?」



( ・∀・)「仕事と私、どっちが大事か話し合ってた時から」



(・ω・`;)「ほぼ全て聞いてらっしゃった!」



( ^ω^)「お前はどっちが大事だと思う?」



( ・∀・)「そんな二択を押し付けてくる"お前"は嫌いだし、そんな二択に追い込んだ"仕事"も嫌い」



( ・∀・)「ゆえに沈黙!!それが正しい答えなんだ!!」



( ^ω^)「全ての選択を間違える男」



(;ノ∀`)「あの……皆さん、サウナ内は黙浴ですので……」




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