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勇者達から熱が失われたようです

352 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/31(土)18:00:00.00 ID:1399336



【エルフの都 長老の官邸】



(ー∀ー )「でも、こうやって長老の話を聞くと……なんだかなぁ……」



( ●ハ●)「どうかしたか?」



(・∀・ )「オリジナリティがない」



( ●ハ●)「知ったことか」



 (’A` )「しかし俺も道化師の気持ちは分かるぞ。『四大信仰』の話もマルク帝国の話も、まぁ理解も納得もできるんだけど……」



 (’A` )「リアリティにこだわりすぎて面白味がない」



( ●ハ●)「いやワシずっと現実の話しかしてないから」



(゜、゜*)「ゴブリン軍団が帝国襲った部分はリアリティあるって言えるの?」



(・∀・ )「なんというか異世界にはさ、もっと荒唐無稽な歴史が欲しいわけよ。分かる?」



(・∀・ )「実は聖アガメマス教が悪の教団で、裏ではマルク帝国を使って世界征服を企んでいたとか、それくらいの大どんでん返しが欲しかったのよ」



 (’A` )「そしたら俺達が『あぁ、勇者とか言われて……ただ利用されていただけだったのか』つって存在理由に悩む展開が生まれるだろうが」



( ●ハ●)「その展開も別にオリジナリティなくないか?」



(゜、゜*)「私は悩みなんか増やしたくないんだけど」





( ^ω^)「うーっす。ただいま帰ったぞぉい」





 (’A` )「しかし……知識を広げれば広げるほど……夢が覚めていくなぁ」



(・∀・ )「俺はもっとファンタジーに浸かってたかったな」





( ^ω^)「ん?なんの話してんの?」



(゜、゜*)「あら、もう帰ってきたの。早いわね」



( ФωФ)「はい!土の天使様は話が早く、戦士さんのパワーアップもすぐに終わりました!」





353 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/31(土)18:00:00.00 ID:1399336



【回想:土の天使神殿】



( ^ω^)「たのもうぅ!」



(´4`天)「委細承知」



( ^ω^)「なにを?」





354 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/31(土)18:00:00.00 ID:1399336



【エルフの都 長老の官邸】



( ФωФ)「それで、お待たせしてる間、皆様はなにを?」



(●ハ● )「なに、少々ワシの長話をな」



( ФωФ)「へぇ~、エルフの長老様の話ですか。僕も興味あります!」



 (’A`;)「あ~いや、後で話すよ」



( ФωФ)「?そうですか」



( ^ω^)──ピキーンッ



( ^ω^)「魔法使いのこの感じ……なにか隠してるな?」



( ^ω^)「もしかして長老の話って、修道女には聞かれたくない系?」



 (’A`;)「なぅ!?そんなワケないであろう!?」



(・∀・ )「そんなワケない動揺をするな」



(゜、゜*)「戦士もなんでこんな時に限って察しが良いのよ」



( ФωФ)「えっ!なんですか、僕に聞かれたくない話って」



( ^ω^)「そりゃあ……アレだよ。男がお子様に聞かれたくない話ってのは相場が決まってんだ」



( ^ω^)「エルフの里の風俗情報だろ?」



(・∀・ )「んなワケねぇだろカス」



 (’A` )「お子様の前で口に出すな」



(゜、゜*)「察しセンス×」



(●ハ● )「無料案内所は四つ先のビルを左に曲がった先だ」





( ФωФ)「風俗情報……あっエルフの文化について学んでいたということですね!」



(・∀・;)「えっ?あ、そう。部分的にそう」



 (’A`;)「やっぱり人間とエルフの友好の為には、互いの文化に対する知識と配慮が必要だからな」



(゜、゜*)「さすが修道女ちゃんは物わかりがいいわね」



(●ハ● )「民俗資料館は三つ先のビルを左に曲がった先だ。どれ、案内してやろうか?」



( ФωФ)「わぁ!いいんですか!?」





355 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/31(土)18:00:00.00 ID:1399336



【エルフの都】



(゜、゜*)「……というワケで、何故か民俗資料館に向かってるんだけど」



( ・∀・)「どういう展開だよ」



( ^ω^)「なんか勘違いの連鎖が発生してたな」



 (’A` )「お前のせいでな」



(゜、゜*)「まぁ修道女ちゃんが乗り気だから、それはまぁいいとして……ちょっと私、気になった所があるんだけど」



( ^ω^)「なんじゃい」



(゜、゜*)「アンタらって性欲処理とかどうしてるの?」



( ・∀・)「……」



( ^ω^)「……」



 ( ’A`)「セクハラ?」



(゜、゜*)「いや、知識欲」



(゜、゜*)「いままでの街でも風俗街とかあったけど、そこに行ってる様子はなかったし。どうしてるのかなって」



 ( ’A`)「……言っちまうと、この世界に来てから全く性欲が湧かないんだよな」



(゜、゜*)「!ふぅん」



( ^ω^)「おう。俺達も来たばっかの時に話し合ったんだよ。EDになっちまったって魔法使いが騒いで」



 ( ’A`)「結局、全員そうだったわけだがな」



(゜、゜*)「どうやって確かめたのかは聞かないでおくわ」



( ・∀・)「……この際だから聞くけど、姐さんも同じじゃないの?」



(゜、゜*)「まぁ。そうなると……なにか理由がありそうね」



( ・∀・)「いちおう俺達男は異世界に召喚した時に天使がそういう機能を奪ったんじゃないかと仮説を立ててるけど」



(゜、゜*)「そうだとして、何のために?」



 ( ’A`)「宗教って性的なアレコレを忌避しがちじゃん?」



(゜、゜*)「安直だけど、ありそうね」



( ・∀・)「俺も最初そう思ってたけど、今は別の理由が思い浮かぶな」



 (’A` )「なんだ?」



( ・∀・)「俺達勇者に子孫ができたら……マルク帝国として、めちゃくちゃ厄介な存在になるだろ?」



( ・∀・)「だったら争いの火種は、元から絶っといた方が都合が良い」



(゜、゜*)「……嫌なリアリティね」



 ( ’A`)「最初はハーレムとか少しは期待してたんだけどなぁ……」



( ^ω^)「もはや全く羨ましくもないもんな」



 失われた性欲について勇者が考察していると、前方から女性のエルフがひとり、逃げるように駆けてきた。



ξ;●⊿●)ξ「きゃぁぁぁっ!」



(^ω^ )「おっ」



 (’A` )「あっ」



(・∀・ )「なるほど」



 何者かに裂かれ、露出してしまった彼女の胸部をガン見する勇者達。



(゜、゜*)「おい、性欲」



( ^ω^)「違うんだって、これは習性みたいなもんでな」



 ( ’A`)「でっけぇモンがあると目が追っちまうんだよ」



( ・∀・)「好奇心と言ったほうが適切なんだよね」





356 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/31(土)18:00:00.00 ID:1399336



爪;●Д●)「そっそこのお主!そんな姿で、いったい何があったのだ!?」



ξ;●⊿●)ξ「ちょ、長老様!たいへんです!」



ξ;●⊿●)ξ「森からゴブリンの大群が攻めてきたんです!」



爪;●Д●)「なんだとォォォォォっ!?」



(;●ハ●)「ゆ、勇者よ!こんな状況で申し訳ないが……助太刀をお願いしたい!」



(;ФωФ)「勇者様!ここはエルフとの友好のため、一肌脱ぎましょう!」



(^ω^ )「え?あ、うん」



(・∀・ )「なんだこの展開」



 (’A` )「サプライズゴブリンか?」





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