勇者達はエルフの長老に謁見するようです その①
343 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/28(水)18:00:00.00 ID:1399336
( ●ハ●)「……来るか、アガメマスの勇者よ」
344 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/28(水)18:00:00.00 ID:1399336
【エルフの都 エルゴ】
爪●皿●)「到着ダ、ここがエルフの都、原生林の摩天楼エルゴだ」
(ФωФ;)「おお……高いですね」
(^ω^ )「ひゃーでっけぇ!ラクシズよりよっぽど都会的じゃねぇか!?」
(・∀・ )「異世界を俺達の世界の価値観に当てはめて形容するのはナンセンスだけど、マルク帝国の帝都よりも近代的な高層ビル群って感じだね」
(・ω・`)「実際、エルフは科学技術力だけなら帝国の数段上と言っていいよ。僕も初めてここを訪れた際には度肝を抜かれたよ」
(ノ∀`;)「たしかに……建造物の洗練さも大通りの賑いも、西ゼリヤの都アロスティなんて足元にも及びませんね」
(’A` )「俺はアロスティのザ・中世ファンタジーな風景も好きだぞ?」
(゜、゜*)「私も。昔を思い出すから、ここはあんまり好きになれそうにないわね」
( ФωФ)「盗賊さんは、こういう街に住んでたんですか?」
(゜、゜*)「ええ。科学が発展すると、どこもこういう景色に収斂するのかしら?」
(^ω^ )「そんで、俺達の目的地はどのビル?」
爪●皿●)「長老様の官邸はビルじゃなくて平屋だ」
(・∀・ )「やっぱり偉い人って一周回って地上に近い所に住むんだ」
(’A` )「人は土から離れては生きられないのよ」
345 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/28(水)18:00:00.00 ID:1399336
【エルフの都 エルゴ 長老の官邸】
从●A● 从「長老様。ボブが勇者達を連れて参りました」
( ●ハ●)「分かっておる。しかしまさか、こんなにも早くこの時が来るとはのう……」
爪●Д●)「しょせん人間共など、その程度ということですよ」
( ●ハ●)「……」
(●皿●爪「ただいま参上いたしました、長老様。こちらが"契約の"勇者でス」
(^ω^ )「オッス」
(’A` )「メッス」
(・∀・ )「サース」
(゜、゜*)「どうも」
爪#●Д●)「ハァ!?おいボブ!勇者はひとりのハズだろ!」
(^ω^ )「あ、はじめてツッコまれた」
(’A` )「まぁ四人も勇者が居るとか正直意味分かんねぇもんな」
(;●ハ●)「ハモンよ。少しは外の情勢や情報にも触れておけ……此度の勇者は、アガメマス四大天使により四人召喚されたのだ」
爪;●Д●)「そうなのですか!?し、しかし人間共は、そんな異常事態を受け入れたのですか?」
( ●ハ●)「まぁ多い分には困らないし、という理由で受け入れたようだ」
爪;●Д●)「バッカじゃねぇの!?」
(・∀・ )「やっとそこツッコんでくれる人が現れたな」
(゜、゜*)「この人は信用できそうね」
(;ФωФ)「なんか……すみません」
345 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/28(水)18:00:00.00 ID:1399336
【エルフの都 エルゴ 長老の官邸】
( ●ハ●)「えー、アイスブレイクも済んだトコロで……勇者諸君」
( ●ハ●)「ワシがエルフの長老"マナグム"じゃ」
( ●ハ●)「後ろの二人は側近、兼護衛と言ったところだな」
从 ●A●从「……ペトラ」
爪 ●Д●)「ハモンだ。長老様に無礼を働いたら斬るぞ、人間共」
(^ω^ )「しゃす」
( ●ハ●)「諸君がここへ来た理由は分かっておる。【土の天使神殿】へ行きたいのだろう?」
(゜、゜*)「話が早くて助かるわ」
( ●ハ●)「アガメマスの預言書の類には目を通しておるからの。勇者であれば【土の天使神殿】を参拝する資格は十分だし、拒否する明確な理由も特にない」
( ●ハ●)「だが一応、参拝の目的を聞いておこうかの」
(^ω^ )「オデ……もっと力が欲しいだ」
(’A` )「力をあり余してる奴の喋り方だ」
(・∀・ )「シャー芯感覚で背骨へし折れそう」
( ●ハ●)「力が欲しい……?ふむ、妙じゃのう」
(ФωФ )「妙?なにか変なところでも?」
( ●ハ●)「いや、勇者というのは"魔王をも倒せる力を秘めている"ハズだろう。たしかに預言書には『召喚されたばかりの勇者は、まだ戦いに慣れておらず弱い』と書かれておるが、旅をしていれば魔王並の力を手にできる」
( ●ハ●)「わざわざ天使神殿で、それを望む理由もないのでは?」
(・∀・ )「それは全くその通りなんですが、もはや時間もないのです」
( ●ハ●)「ほう。それは魔王の再侵攻のことかな?」
(・∀・ )「さすがは情報が早い。その通りです」
( ●ハ●)「……ふむ。やはり悠長に修行する暇などないか」
( ●ハ●)「いいだろう。勇者に【土の天使神殿】への参拝を認めよう」
(^ω^ )「よっしゃ」
(’A` )「最後はかなりあっさりだったな」
(;・∀・)「ここに来るまでのゴブリンとの鬼ごっこは忘れたの?」
(’A` )「喉元過ぎれば全部忘れるんだよ」
( ●ハ●)「……ただし!」
(・∀・ )「え?」
( ●ハ●)「神殿に参拝できるのは、勇者と、側仕えの聖女ひとりずつのみ!」
( ●ハ●)「それ以外の者はここで待機してもらおう!」
(^ω^;)「えぇ~~~!?なんでぇ!?」
(ФωФ;)「なんでみんな一緒に行っちゃダメなんですか?」
( ●ハ●)「そういう契約だからだ。そもそも勇者が四人でワシの所に来ることが異常事態なのだ」
(^ω^;)「くそう、また契約かよ……どうなってんだまったく」
(;^ω^)「おい、みんなどうする?」
(・∀・ )「どうするもなにも、お前と修道女で行ってこればいいじゃん」
(’A` )「俺達の中で天使に力を貰ってないの、あとはお前だけなんだし」
( ^ω^)「…………」(ФωФ )
( ^ω^)「たしかに!」(ФωФ )
(・ω・`)「アホなの?」
(’A`;)「こいつらだけでお参りできんのか?」
(゜、゜;)「少し心配ね……」