勇者達も色々と手に入れるようです
315 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/21(水)18:00:00.00 ID:1399336
【水の天使神殿】
[天㊤皿㊤]『ステータス:準備完了』
[天㊤皿㊤]『これより"投与"を開始します』
「あっ あっ あっ」
[天㊤皿㊤]『40%……60%……85%……90%……』
[天㊤皿㊤]『ステータス:処理済』
[天㊤皿㊤]『受容者の状態確認……異常なし』
316 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/21(水)18:00:00.00 ID:1399336
【水の天使神殿】
( ・∀・)「っふぅ~~~なかなか……」
( ・∀・)「いいものだな……"力"を手に入れるということは」肩コキッ
(^ω^ )「なんかイキりだしたぞコイツ」
(’A` )「でも気持ちは分かるぞ。俺も炎の天使に注入された時は万能感あったし」
( ФωФ)「実際、魔法使いさんは獣王ガッデムに殆ど勝ってましたからね」
(’A` )「イテーツクの敵には負けたけどな……なんて名前だっけ?」
(゜、゜*)「鉄王ブルシットだったかしら」
( ^ω^)「まぁでもあんな不意打ちは卑怯でしょ」
(’A` )「いやぁ……不意打ちでなくとも勝てなかっただろうな。あの時、俺もバリアを張ろうとしたけどかき消されたし」
(´・ω・)「それは相性の問題だろうね。鉄王ブルシットは魔界一の魔法使いと名高い人物だ。詠唱速度と精度においては魔王をも上回ると言う」
(’A`;)「そりゃまた厄介な敵だな」
( ・∀・)「まぁまぁ、でもでも、これで俺も強くなったし、力を合わせれば次は勝てるさ!」
( ^ω^)「ちなみに道化師は何が強化されたの?」
[㊤皿㊤天]『自尊心と信仰心』
( ’A`)「化け物が誕生するぞ」
(・∀・ )「神に愛されし我には最早敵はない……いや、最初からか」
( ’A`)「してたぞ」
( ^ω^)「叩きゃ直るか?」
317 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/21(水)18:00:00.00 ID:1399336
【水の天使神殿】
( ・∀・)「冗談は置いといて、これで僕らも目的は果たしたワケだけど……」
(・∀・ )「考古学者のキュミノー先生は、どう?」
(;ノ∀`)「えっ!?僕ですか?」
(・∀・ )「考古学者として聞きたいこととか、あるんじゃない?」
(;ノ∀`)「え、えぇ……まぁ」
[㊤皿㊤天]『なんでも答えますよ』
(;ノ∀`)「なら、一つだけ聞きたいことがあります……この海底遺跡と【水の天使神殿】のご関係は、なんなのでしょうか?」
(;ノ∀`)「というか、この海底遺跡って何の遺跡なのでしょう?その構造から太古の王墓や要塞とも言われていますが……なぜ、その中に【水の天使神殿】が?」
[㊤皿㊤天]『答えは簡単です。海底遺跡はアガメマスの神を称える神殿……』
[㊤皿㊤天]『【水の天使神殿】は女神様が作った僕のワークスペースです』
[㊤皿㊤天]『つまり、元々あったアガメマス教の神殿をリノベしたということですね』
( ノ∀`)「海底遺跡も古き神殿だったのですか!なるほど!」
[㊤皿㊤天]『ええ。かつてはアガメマスの聖地として、多くの人間で賑わいました……神の給仕として働いていた時の光景は今でもまぶたに焼き付いています』
( ノ∀`)「そ、それが何故、こんな海の下に?」
[㊤皿㊤天]『元々は陸の上にありましたが、【水の天使神殿】を作るにあたり女神様が移築したのです。"退魔結界"を展開する位置としての考慮もありましたが、できるだけ人間が来にくいところが良いかと』
( ノ∀`)「なるほど……」
( ノ∀`)「あはは、考古学的発見が、こんな簡単に……!」
( ノ∀`)「あと一ついいですか!?」
[㊤皿㊤天]『いいですよ』
(・∀・ )「質疑応答が終わらなそう」
(^ω^ )「合唱練習のあと一回と同じだな」
(’A` )「次から次に気になっちゃう所が見つかるんだよな」
318 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/21(水)18:00:00.00 ID:1399336
【水の天使神殿】
(゜、゜*)「そう言えばアナタは女神様に質問しなくていいの?」
(´・ω・)「僕?なんで?」
(゜、゜*)「情報屋が情報を欲しくないワケないでしょ」
(´・ω・)「ははっ確かに、そりゃあそうだ」
(´・ω・)「でも、ここで天使様に色々と教えてもらっても、その情報は売れそうにないしね」
(’A` )「売れない?」
(´・ω・)「海底遺跡に乗り込む前に、考古学者先生が言ってただろう?聖アガメマス教会以外が研究することは禁忌なのだと」
(゜、゜*)「ああ、たしかにね……それで?」
(´・ω・)「僕が、教会の定める規律に従う敬虔な信徒であるとは考えないのかい?」
(゜ー゜*)「はっアンタが?」
(´・ω・)「……聞きたい情報はやまほどあるけど、それを知って僕自身が消されたら元も子もないからね」
(´・ω・)「それに、そもそもそう言う情報って売れないし」
(゜、゜*)「ふぅん……」
( ノ∀`)「何故この【水の天使神殿】だけ、こんなにセキュリティが堅牢なのですか!?」
[㊤皿㊤天]『僕の身体の中には女神様の霊魂が眠っているからです。女神様が眠りついて幾星霜……僕はその魂の器として、守り続けているのです』
( ノ∀`)「……ん?女神様が魔王に倒されてしまったのは、それほど昔ではありませんが」
( ФωФ)「それに女神様の御霊はドナド総本山に安置されているはずです」
[㊤皿㊤天]『魔王に倒されたのは、その役目を引き継いだ"形代の女神様"です。女神様の御本尊はワンオペに疲れ、長い休みをとっています。その為に使わされたのが、四大天使なのです』
(;ノ∀`)「ええっ!?」(ФωФ;)
(´・ω・)「ふむふむ、これまたヤバそうな情報を」カキカキ
(゜、゜*)「……そのメモはなに?」
(´・ω・)「僕自身は聖アガメマス教の規律は守っているけど、たまたま偶然、耳に情報が入ってきちゃったのは仕方がないだろう?」
(゜、゜*)「普通に消されるわよ。私もそうだったし」
[㊤皿㊤天]『あっそう言えば、僕からも勇者様に一つ伝えることがありました』
( ^ω^)「昨日の夢とか?」
(’A` )「この世で一番いらない情報」
[㊤皿㊤天]『炎と風の天使神殿が破壊され、"退魔結界"が解除されたそうです』
[㊤皿㊤天]『魔王軍が本格的にマルク帝国への侵攻を開始したので、可及的速やかに帰国するのが良いかと』
( ・∀・)「"そう言えば"の枕詞で伝える内容じゃねぇんだよ」