勇者達は海底遺跡の謎を解くようです
306 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/18(日)18:00:00.00 ID:1399336
【マラック海溝 海底遺跡 深層】
『6面サイコロを2回振る。1から6までの各出目が出る確率が等しくない場合、1回目と2回目に同じ目が出る確率が1/6以上であることを示しなさい。
<鍵No2008 水の天使神殿>』
(;゜∀゜)「くそっ!なんだこの問題は!?」
(;ノ∀`)「6面サイコロの出る確率……?何を言っているんです!?」
(;´・ω・)「凡人が習うような算術じゃあ解けそうにないな……厄介な謎じゃあないか」
『この神殿に入る資格があるのは数的処理能力と論理的思考能力を併せ持つ者。それを確かめる試練の一つである』
(;ФωФ)「くっ……しかし、皆さんの力なら……!」
( ^ω^)「そうだ!こっちには大学を出てる奴が3人もいるんだ!」
(;´・ω・)「なっ……大学なんてマルク帝国じゃあ最高学府じゃないか!」
(;゜∀゜)「それ程の学力を持つ者が3人も?」
(*ノ∀`)「それは大変心強いですね!」
(*^ω^)「おうよ!やってやらぁ!」
(;・∀・)「……俺は哲学科卒だけど、皆はなんだっけ?」
(゜、゜;)「教育学部ね、専攻は英語」
(’A`;)「社会学科」
(;・∀・)「見事に文系しかいねぇッ!?」
(’A`;)「やべぇよやべぇよ……数学なんてセンター試験までしかやってねぇよ」
(゜、゜;)「私も。公式とか全部忘れたんだけど」
(;・∀・)「まさか大人になってから数学試験を受けるハメになるなんて……!」
( ^ω^)「どうした、なんか眉間に皺が寄ってんだけど?」
( ФωФ)「武者震いですか?」
(’A`;)「くそッ!コイツら完全に俺達に頼りきってやがる!」
(゜、゜;)「どうする?一回陸に上がって図書館で勉強する?」
(;’A`)「図書館で勉強なんて何年ぶりに聞いた言葉だよ」
( ^ω^)「俺は生涯で一度も聞いたことも発したこともないが」
(;・∀・)「い、いや。まだだ……まだ慌てる時間じゃない!」
( ・∀・)「たしかに数学なんて久しく触れていないけど、俺達には何千もの演習問題を繰り返し解いてきた歴史がある!」
( ・∀・)「その時の経験を頼りに、なんとか解き明かすんだ!3人寄れば文殊の知恵だ!」
(;’A`)「……やるしか」
(゜、゜;)「……ないようね」
──かくして勇者達、異世界転移後、初めての試練が幕を開けた!
( ^ω^)「がんばえー!」
307 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/18(日)18:00:00.00 ID:1399336
( ゜∀゜)「……で、俺達はどうする?」
( ノ∀`)「まぁ、全く役には立ちませんからねぇ」
(^ω^ )「それなら麻雀するか?」
( ゜∀゜)「麻雀?なんだそりゃ」
(´・ω・)「彼の故郷のテーブルゲームだよ。僕もやらせてもらったけど、結構面白いね」
( ゜∀゜)「へぇー。なら、他にやれることもないしルールを教えてくれるか?」
(^ω^ )「いいぜ、まずは牌の種類から……」
( ФωФ)(この世界で着実に雀士が増えていますね……)
308 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/18(日)18:00:00.00 ID:1399336
『6面サイコロを2回振る。1から6までの各出目が出る確率が等しくない場合、1回目と2回目に同じ目が出る確率が1/6以上であることを示しなさい。
<鍵No2008 水の天使神殿>』
( ・∀・)「さて、まず考えたいのは、この謎が確率の問題だということだよね」
(’A` )「まぁサイコロが出てきたら確率問題だよな」
( ・∀・)「うん。それでさ、確率って全ての場合を足すと1になるってのは覚えてるんだよね」
(゜、゜*)「あー……たしかに、それなら分かるわね」
( ・∀・)「つーことは、6面サイコロの各出目が出る確率は6パターンあって、それをすべて足すと1になる」
( ・∀・)「これを数式っぽくすると以下になる」
①:A+B+C+D+E+F=1
(’A` )「Aは1の目が出る確率、Bは2の目が出る確率って感じか」
( ・∀・)「うん。それで……」
( ・∀・)「それで?」
(’A`;)「つまるのが早いな」
(゜、゜*)「この『1から6までの各出目が出る確率が等しくない場合』って部分が厄介なのよね」
(゜、゜*)「消えればいいのに」
(’A` )「そりゃ全受験生は全問題文に抱く感想だな」
( ・∀・)「……ん?姐さんはなんで、そこが厄介だと?」
(゜、゜*)「だって、これがなきゃサイコロの出目の確率なんてそれぞれ1/6なんだから。後は力ずくでなんとかなりそうじゃない」
( ・∀・)「あっなるほど……だったら」
①:A+B+C+D+E+F=1
②:1/6+1/6+1/6+1/6+1/6+1/6=1
( ・∀・)「こうなって……」
③:A+B+C+D+E+F=1/6+1/6+1/6+1/6+1/6+1/6
( ・∀・)「こうなるんじゃない?」
④:(A-1/6)+(B-1/6)+(C-1/6)+(D-1/6)+(E-1/6)+(F-1/6)=0
(’A` )「カッコでくくったのは?」
( ・∀・)「数学ってキレイめに整理すると解きやすいじゃん?」
(’A` )「そうか?」
( ・∀・)「で、コイツが……」
( ・∀・)「コイツが……」
( ・∀・)「なんだコイツ」
(゜、゜*)「もう一生解ける気がしないわ」