勇者達は修道女を元気づけるようです
281 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/12(月)18:00:00.00 ID:1399336
【海賊船ジョリー号 甲板】
(ФωФ;)「はぁ……」
从∀゜;从「なんだぁ、あの嬢ちゃん。船に帰ってきてからため息ばっかりじゃねぇか」
从;゜∀从「なんか悪いもんでも食ったか?」
(・∀・ )「都合の悪い情報を耳にしちゃった感じかな」
从*゜∀从「『あの子、アンタのこと嫌いって言ってたよ』って友達に言われたか?」
(’A` )「あれ何の為に伝えてくるんだろうな」
(゜、゜*)「どっちかというと嫌いなアイツと好きな人が同じだったみたいな感じね」
从*ー∀从「あ~……それはちょっとショックだな」
(゜、゜*)「どうにかして元気づけてあげたいんだけどねぇ……」
(・∀・ )「信仰が絡んでくるから下手なこと言えないんだよなぁ」
(^ω^ )「俺が一肌脱いでやろうか?」
( ・∀・)「下手なことしか言わないからダメ」
(´・ω・)「記憶処理の魔法でも使おうか?」
(゜、゜*)「字面が既に危険なんだけど」
(´・ω・)「6割の確率で脳がパーンってなるくらいかな」
(゜、゜*)「それはただ命中率が悪いだけの人を殺す魔法よ」
(゜、゜*)「死んでちょうだい」
(’A`;)「俺達がここでまごついてても、どうにもならねぇだろ。とりあえず俺ちょっと行ってくるわ」
从∀゜*从「……アイツこういうの苦手そうだけど大丈夫か?」
(^ω^ )「大丈夫じゃないと思う」
282 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/12(月)18:00:00.00 ID:1399336
【魔法使いの場合】
(ФωФ;)「はぁ……」
(’A` )「修道女、ちょっといいか?」
( ФωФ)「あっ魔法使いさん」
(’A` )「元気なさそうだけど、やっぱり原因は女王に言われた事か?」
(;ФωФ)「うっ」
(;ФωФ)「はい……まさか魔王も僕と同じ、女神様を信じる者だとは思っていなくて」
(;ФωФ)「教会では、魔王は不道徳を司る女神様の敵であり、悪逆非道な魔族の王だと、そう教えられてきました」
(;ФωФ)「そしてまた、女神様を信じる者は皆、平等であり仲間であると」
(;ФωФ)「いったいどちらが正しいのか。僕は、分からなくなっちゃって」
(’A`;)「……」
(’A` )「あー」
(’A` )「俺達が来る前、魔王は女神を倒したんだろ?つまり、魔王は女神を信じてたかもしれないけど、けっきょく女神を裏切ったんだ」
(’A` )「なら変わらず、魔王は敵ってことで……いいんじゃない?」
( ФωФ)「でも女神様は裏切られた相手をも赦します!」
(’A`;)「女神が赦すかといって、修道女が赦さなくてもよくないか?」
( ФωФ)「しかし預言書には『ひとの罪を赦しなさい』という教えがありましてですね」
(’A` )「赦さなかったらどうなるんだ?」
( ФωФ)「教えに背くことになります」
(’A` )「それってつまり、女神への裏切りってコトか?」
( ФωФ)「えぇ、そうなります」
(’A` )「ん?でも裏切りって女神様は赦してくれるんだよな?」
( ФωФ)「そう、ですね……」
(;ФωФ)「ん?」
(’A`;)「……じゃあ魔王を赦さなくても赦されるんじゃないか?」
(;ФωФ)「いやでも、そうなると教えに……」
(;ФωФ)「んんっ?」(’A`;)
( ’A`)「この事件は迷宮入りだ」
(゜、゜*)「事件性は皆無なのよ」
(^ω^ )「まったく……こういう時はスパッと言ってやるのがいいんだよ」
283 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/12(月)18:00:00.00 ID:1399336
【戦士の場合】
(ФωФ;)「はぁ……」
(^ω^ )「修道女、ちょっといいか?」
( ФωФ)「あっ戦士さん」
(^ω^ )「色々あるだろうけどよ。こういう時は飯食って酒飲んで寝ちまうのが一番だ!!」
(^ω^ )「元気出せ!なッッッッ!」
( ФωФ)「無理です」
( ^ω^)「無理だって」
(・∀・ )「バカがよ」
(゜、゜*)「元気出せって言われて元気出せるなら、あんなに落ち込んでないわよ」
(’A` )「誰もお前流の元気の出し方なんて求めてねぇんだよ。酒飲んで寝てろ」
( ^ω^)「俺だって落ち込んじゃうぜ?」
(・∀・ )「はぁ……こういうのは相手に寄り添うのが大事なんだよ。見てな」
284 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/12(月)18:00:00.00 ID:1399336
【道化師の場合】
(ФωФ;)「はぁ……」
(・∀・ )「修道女、ちょっといいかな?」
( ФωФ)「あっ道化師さん」
(・∀・ )「魔王の件なんだけど、修道女が落ち込む必要なんてなくて。なんでかというと、修道女と魔王は同じ女神を信じている、そこは間違いないんだけど、女神に対する信仰の実践内容は大きく乖離していると思うんだ。それは魔王が女神を倒したことから明らかなんだけど、魔王側としてそれは信仰上において是とされる行為なんだよね。同じ神を信じながら信仰のあり方、立場が違うというのは、俺達の世界でも普遍的に見られる行為であるけれど、それらは別の宗教と言えるのではないかな?宗教というのは"宗の教え"という単語の意味通り、重要なのは神それそのものではなく、神を中心として、神をどう捉えるか、自己をどこに置くか、そういった教えにあるんだよね。つまりなにが言いたいのかというと、修道女と魔王は別に同じ宗教じゃないし普通に魔王は殺せばいいと……」
( ФωФ)「道化師さん」
(・∀・ )「ん?どうしたんだい?
( ФωФ)「少し静かにしてもらえます?」
( ・∀・)「気分が悪いみたい」
( ・∀・)「船酔いかな?」
(^ω^ )「クソボケカスがよ」
(゜、゜*)「念仏で人は救えないのよ」
(’A` )「お前はなにに寄り添ってたんだよ」
( ・∀・)「修道女に決まってるだろ」
(’A` )「サイコパスの目だ」
285 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/12(月)18:00:00.00 ID:1399336
【盗賊の場合】
(ФωФ;)「はぁ……」
(゜、゜*)「修道女ちゃん」
( ФωФ)「あっお姉……」
(*ФωФ)「……盗賊さん」
(゜、゜*)「……」
(゜ヮ゜*)「ふふ」
(*ФωФ)「へへ……」
(゜、゜*)「ちょっと気分良くなったみたい」
( ^ω^)「どういうこったよ」
( ’A`)「流石は元教職志望なだけあるな」
( ・∀・)「ぜったい関係ねぇって」