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次話から本編に戻るそうです

241 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/06(火) 18:00:00.00 ID:1399336



 番外編:勇者達は本の虫を退治するようです その②



242 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/06(火) 18:00:00.00 ID:1399336



【アロスティ城下町 ブービリオ図書館 書庫】



 書庫の奥、魔導書の書架。そこでは巨大なドラゴンがとぐろを巻き、獲物を品定めするかのような冷たい眼光で、道化師と司書を見下ろしていた。



 このドラゴンはどこから現れたのか。書庫の壁を破壊して侵入したわけではない。魔法による瞬間移動でも、ましてや誰かに召喚されたでもない──ドラゴンは、最初からそこ(・・)にいたのだ──魔導書に挟まって。




(´、`;川「あぁ……やはり成体が生まれてしまったのですね」



(・∀・;)「し、ししっ司書さん!?これは一体!?」





 (’A`;)「おい!ドラゴンっていったいどういう……ってなんだこりゃあ!!?」



(ФωФ;)「竜なんて、伝説だと思ってました……」



(^ω^*)「かっけぇ……」



(´、`;川「本の虫(ブックワーム)は、大量の魔導書を食べて成長すると、ワーム・ドラゴンへと変態を遂げるのです……っ!」



(´、`;川「その名も『司書竜(ドラコノミコン)』っ!!」



(´、`;川「討伐ランクはA級です!!」



(・∀・#)「クソっ!やっぱりロクでもない依頼だった!!」





243 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/06(火) 18:00:00.00 ID:1399336




(゜、゜*)「いや、なんで虫が竜になるのよ」



 ( ’A`)「ワームはワームでもドラゴンの方のワームってことだろ」



(゜、゜*)「本の()つってるじゃない」



( ・∀・)「鯉だって龍になるじゃん」



(゜、゜*)「それで私を丸め込めると思ってんの?」





243 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/06(火) 18:00:00.00 ID:1399336



【アロスティ城下町 ブービリオ図書館 書庫】



(#゜∋゜)「ギャオオオオス!」



(^ω^#)「オラァ!騎士団長直伝の剣技を食らえ」



(#゜∋゜)「キカァァァァンヌ!」



(^ω^;)「ちィッ!鱗が硬すぎて刃が通らねぇ!」



 (’A`;)「それなら魔法はどうだ!」



(´、`;川「あ!高威力の炎魔法は避けて下さい!他の本が燃えてしまいます!」



 (’A`;)「う……練習中の分野が……」



 (’A` )「仕方ねぇ!『光魔法:破魔矢』!」



(#゜∋゜)「キカァァァァンヌ!」



 (’A`;)「クソ!コイツもダメだ、防御力が高すぎる!」



(´、`;川「この辺りは身体能力強化の魔導書が置いてある棚。恐らくは、防御力強化の書を食べたのではないかと……」



(゜、゜*)「……」パァンッ!パァンッ!



(゜、゜*)「たしかに。ハンドガン程度は弾くみたいね」



 (;’A`)「無言で発泡すんなよ!」



(゜、゜*)「こうなったらロケットランチャーを使うしか……」



 (;’A`)「絶対やめろ!」



(ФωФ;)「しかしこうなると、どうやって司書竜(ドラコノミコン)を倒せば……」



(;・∀・)「司書さん。司書竜(ドラコノミコン)の弱点とか知らないですか?」



(´、`;川「弱点……弱点は……!」



 司書は、いつの間にか棚から取り出してきていたドラゴン図鑑を大急ぎでめくる!



(´、`;川「!……あ、ありました、弱点!」



(;・∀・)「ありがとうございます!なんですか!?」



(´、`;川「高レベル放射性物質です!」



( ・∀・)「全生物の弱点だよ」



(゜、゜*)「やっぱりロケットランチャーしかない……?」



 (;’A`)「最終手段だよそれは!」



(´、`;川「本が……本が……!」





244 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/06(火) 18:00:00.00 ID:1399336



(ФωФ;)「剣も魔法も効かない……ど、どうしたら……」



(#゜∋゜)「ギャオオオオス!」



(^ω^ )「……」



(^ω^ )「っていうか、あのドラゴン……襲ってきてなくね?」



(ФωФ;)「え?」



(´、`;川「そんなことが……?」



(゜、゜*)「たしかに、最初の位置から全く動いてないし……攻撃もしてきてないわね」



( ^ω^)「それにドラゴンだったら普通、ブレスとか吹くよな?」



 (’A`;)「……」



 (’A` )「あっもしかして、アイツ攻撃魔法なにも使えないんじゃね?」



( ^ω^)「ドラゴンなのに?」



 (’A` )「受付嬢さんが言ってただろ?魔導書を餌にした本の虫(ブックワーム)は、その魔導書に書かれた魔法を使えるって。つまり、逆に言えば餌にした魔導書に書かれてない魔法は使えないってことだ」



 (’A` )「だから、あの司書竜(ドラコノミコン)は防御強化しかできない」



(ФωФ;)「動いてないのはなんでですか?」



(´、`;川「あっ!……魔導書のしおり紐に引っかかってます!」



(・∀・ )「ザコすぎる」



(゜、゜*)「じゃあ、あの司書竜(ドラコノミコン)は、攻撃もできないし、動けない、ただの置物ってワケ?」



(^ω^ )「……退治しなくてよくね?」



(´、`;川「ダメです!邪魔です!」



(;゜∋゜)「ギャ、ギャオオオオス!」





245 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/06(火) 18:00:00.00 ID:1399336



(ФωФ;)「まぁ、他の魔導書を食べて攻撃魔法を覚える可能性もありますし、討伐は必須かと思います!」



 (’A` )「しかし無駄に硬いし、どうすりゃいいのか……」



(・∀・ )「……」



(・∀・ )「……そういや、結局は本の虫(ブックワーム)の進化系みたいなモンなんだから、殺虫スプレーが効くんじゃない?」



(ФωФ;)「えぇ!?」



 (’A`;)「いや、そんなまさか……」



(・∀・ )プシューーー



(;゜∋゜)「ギャァァァァァァァッ!」



 司書竜(ドラコノミコン)が轟音を立てて床に崩れ落ちる!



(・∀・ )「死んだわ」



(^ω^ )「ザコすぎる」



 (’A` )「討伐ランクA級とは」





246 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/05/06(火) 18:00:00.00 ID:1399336



(´、`;川「そ、そんな……司書竜(ドラコノミコン)、こんな簡単に倒せるなんて」



(ФωФ )「……あ、もしかして高等呪文が載ってる魔導書を食べた司書竜(ドラコノミコン)の討伐ランクがA級相当なのでは?」



( ・∀・)「それだわ」



(´、` 川「なるほど。であれば、この図書館に高等攻撃系の魔導書は置いていませんので、残りの作業で司書竜(ドラコノミコン)が現れても、それほど危険はありませんね」



 (’A` )「残りの冊数ってどれくらいだっけ?」



(´、` 川「30万冊ですね」



 (’A`;)「げ……まだそんなにあるのか」



(;・∀・)「言っただろ?『ラクして稼げる』なんて、旨い話はないんだよ」



(^ω^ )「それでも本にスプレー吹きかけるだけの仕事だから、ラクはラクだよな」



(;ー∀ー)「時間はかかるけどね……」



(ФωФ*)「それでも、報酬から考えれば十分おいしい話ですよ!なんたって、これだけでコボルト解放クエストの倍の金額を貰えるんですから!」



 (’A` )「そうだな!まだまだ長いが、残りも頑張るか!」



( ・∀・)「おーっ!」(^ω^ )



(゜、゜*)「……」



 『司書竜(ドラコノミコン)の弱点:高レベル放射性物質』



(゜、゜*)「ねぇ、このスプレー本当に大丈夫?」




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