勇者達はパトロンを得たようです
227 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/30(水)18:00:00.00 ID:1399336
【マルク帝国 帝都ドナド】
( ^ω^)「帰ってきました」
(天二ω二)「帰ってきちゃったわね」
(二ω二天)「じゃあ私はドナド教会へ行くけど、アンタらはどうするの?」
(ФωФ )「僕も天使さんと一緒に行きます。祭司様に色々と伝えることがあるので」
( ・∀・)「俺達は冒険者ギルドに寄るよ。受付嬢さんの件はギルドにも報告した方がいいし」
(ФωФ )「分かりました。その後はどこで落ち合います?」
( ・∀・)「そうだね……」
(’A` )「ギルドに酒場が併設されてただろ?あそこでいいんじゃね?」
(ノ∀`;)「あ、あの……勇者殿、僕もご一緒していいでしょうか?」
(’A` )「ん?別にいいけど、国に帰らなくてもいいのか?」
(ノ∀` )「ええ!それより僕は、お嬢様を救う為にできることをしたいのです!」
( ^ω^)「おっなかなか気概があるじゃねぇか。流石、最後までハイキングについて来られただけあるな」
(ノ∀` )「考古学者として知識面からサポートできればと思うよ」
(゜、゜*)「……ねぇアナタって、受付嬢さんとは今回のお見合いが初対面なのよね?」
(゜、゜*)「それなのに、もう、ここまでする程好きになったの?」
( ノ∀`)「ええ、もちろん!少しの間ですが、一緒に旅をしてますます好きになりました!」
(゜、゜*)「あら、いいわね。どこを好きになったの?」
(*ノ∀`)「えっとぉ、あのぉ……です」
(゜、゜*)「ん?ごめんなさい、聞こえなかったわ。もう少しはっきり」
( ノ∀`)「顔」
(゜、゜*)「濁せ」
( ^ω^)「いや、しかしこれ以上に信用できる言葉が他にあろうか」
(’A` )「うむ。清流の如き純粋さよ」
227 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/30(水)18:00:00.00 ID:1399336
【帝都ドナド 冒険者ギルド・ランクエス】
( ^ω^)「さてイテーツクでの諸々を報告しにギルドにやってきた訳だけど」
( ^ω^)「そう言えば受付嬢さん攫われたんだから受付嬢さんいないじゃん」
(’A` )「いや受付嬢さんは受付嬢さん以外にもいるし、よしんば受付嬢さん以外に受付嬢さんがいないワンオペ体制だったとしても、受付嬢さんが帰省するタイミングで新しい受付嬢さんが補充されるだろ」
( ・∀・)「うるせぇな」
( ・∀・)「すみませーん、受付嬢さんいますかー?」
从∀゜*从「あいあい、聞こえてるよ。今日はどうし……お」
( ^ω^)「お」
从∀゜*从「おう。久しぶりだな」
( ^ω^)「なにやってんスか船長」
从∀゜*从「なにって受付嬢だよ。ギルドの」
( ^ω^)「なんで?」
从∀゜*从「金稼ぎ……と、仲間集めを兼ねてだな。ここにいりゃ仕事がほしい冒険者と沢山会えるだろ?」
( ^ω^)「ほうほう。そりゃあ一石二鳥という奴ですな」
从∀゜*从「だろ?」
( ・∀・)「進捗は?」
从∀゜*从「金も仲間も集まらねぇ」
( ・∀・)「ダメじゃん」
从∀ー;从「見通しが甘かったなぁ。船長としての実績は評価してくれる奴もいるんだが、給料が払えなきゃ船には乗ってもらえねぇ」
( ・∀・)「残当」
从∀゜*从「かと言って運転資金を稼ごうとすると、船員集めの時間がとれない。ギルドにも船員募集の貼り紙は掲示してるんだが……」
从∀ー*从「……」
(’A` )「虻蜂取らずって奴だな」
(゜、゜*)「やっぱ問題はお金なのね」
从∀゜*从「まぁ、世の中の問題の8割は金だからな」
( ^ω^)「5千兆円あれば大抵の個人の悩みは解決するしな」
从∀ー*从「あ~~パトロン欲しいなぁ~~~金持ちが資金提供してくれねぇかな~~」
(;ノ∀`)「……あの、皆さん。この方は一体……?」
(・∀・ )「あ、いた。お金持ち」
(;ノ∀`)「……はい?」
228 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/30(水)18:00:00.00 ID:1399336
【帝都ドナド 冒険者ギルド・ランクエス】
(・∀・ )「かくかくしかじか」
( ノ∀`)「なんと!次の目的地の一つがマラック海溝の海底遺跡なのですか!」
( ノ∀`)「実は僕も、考古学者の端くれとして一度は行ってみたかったんですよ!」
从∀゜*从「ん?そういやコイツは……?新しいお仲間か?」
( ’A`)「西ゼリヤ王国貴族で考古学者のキュミノー殿だ」
从∀゜;从「きっ……!?ガチ貴族ッッッッ!?」
从∀゜;从「なんでお前ら、貴族と一緒に居るんだよ!」
( ^ω^)「勇者だしな」
从∀゜*从「あっそうか。お前ら勇者だったしな」
从∀゜*从「……」
从∀゜;从「勇者だからなんだってんだ!」
( ^ω^)「たしかに勇者だからなんなんだろうな」
( ’A`)「自分の口から出た言葉で遭難するの止めてくれない?」
( ・∀・)「かくかくしかじか……ということでね」
从∀゜;从「……なるほど。アタシと離れてから、そんなことがあったとはな」
( ・∀・)「というか、そもそもはこれを報告しにギルドに来たんだよ」
( ノ∀`)「勇者様達のパワーアップの為にも、早急に神殿へと向かわねばなりません!」
( ノ∀`)「船長殿、お金は惜しみませんので、できるだけ早く出航準備を整えてくれませんか!?」
从∀゜;从「えっ!マジで……すか!?いいの……ですか!?」
( ノ∀`)「ええ、もちろん!僕も考古学者の伝手を辿って、探検経験豊富な者を集めますよ!」
从∀゜*从「お……おぉ!こりゃ、光明が見えてきたぜ!」
从*゜∀从「こうなりゃ善は急げだ!」
船長は受付業務をほっぽりだし、船員集めに飛び出していった。
( ^ω^)「やはりお金……金はすべてを解決する……!」
(゜、゜*)「このまま魔王の件もお金で解決できればいいのにね」
( ・∀・)「それは5千兆円あっても無理だね」
( ^ω^)「つまり魔王の悩みは5千兆円あっても解決しないってコト?」
(’A` )「魔王の悩みってなんだよ」
( ^ω^)「知らん。つーか魔王ってなんで人間と敵対してんの?」
( ・∀・)「……」(’A` )
(;・∀・)「たしかに、なんでだ?」(’A`;)
(;ノ∀`)「えっ?知らないでここまで!?」