勇者達は負けたそうです その②
222 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/29(火)18:00:00.00 ID:1399336
【イテーツク 洞窟の奥】
(天二ω二)「は~い。深呼吸してね~」
(天二ω二)「今から注入しますよ~」
(天二ω二)「……はい、終わり!」
(天二ω二)「指とかに痺れはない?なら大丈夫ね!」
223 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/29(火)18:00:00.00 ID:1399336
【イテーツク 祠】
(゜、゜*)「終わったわ」
(’A` )「どうだ、天使に力を授けられた感覚は?」
(゜、゜*)「う~ん……あんまり何かが変わったって感じはないわね」
( ・∀・)「力を授けられるってどんな感じなの?」
(゜、゜*)「授けるってより……注入?」
( ・∀・)「力って液体なんだ(疑問)」
(^ω(#)「こう、光の塊みたいなのを腹にズムッってされるんじゃないの?」
(天二ω二)「あ~光子状にすると力の成分が拡散しちゃうから。液状の方がロスが少なくて効率がいいのよ」
( ・∀・)「力って液体なんだ(承服)」
(ФωФ;)「あのぉ……こう言ってはなんですが、風の天使様は神殿が壊れても平気なんですか?」
(天二ω二)「平気なワケないじゃない。明日からどこで寝ればいいのよ」
(^ω(#)「ここじゃダメなん?」
(天二ω二)「居心地が悪いわ」
(’A` )「洞窟だしな……」
(天二ω二)「はぁ。面倒くさいけどドナド総本山に帰ろうかしら。アンタ達もドナドまで戻るなら一緒に行かない?」
(゜、゜*)「あら、天使ならひとっ飛びじゃないの?」
(天二ω二)「できるけど、そんなに早く帰りたくないのよ」
(天二ω二)「里帰りってそんなもんでしょ?」
(ー、ー;)「ああ……まぁ、そうね」
(’A` )「受付嬢さんもそうだったな」
( ・∀・)「それじゃあ早速ドナドに向かおうか」
( ´ハ`)「お待ち下され!その前にフィオレ領に寄らねばなりません!」
( ´ハ`)「領主様に事の顛末を報告するために!」
( ・∀・)「……あー、セバスチャンさん、やっといてくれません?」
(;´ハ`)「アナタ達は勇者である前に、お嬢様の護衛として領主様に説明しているのですぞ!?」
(’A` )「あっコレ土下座案件だ」
224 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/29(火)18:00:00.00 ID:1399336
【フィオレ王国 領主館】
(;^⊿^)「ゆっゆゆゆゆゆゆ誘拐ぃぃぃぃッ!?娘がぁぁぁッ!?」
(^ω(#)「すみませんでしたぁぁぁぁぁッ!!私共がついていながら、こんな大失態をぉぉぉぉぉッ!!」
(^ω(#)「申し開きのしようもございませんんん!!」
(’A`;)「ただこれ関しましては、魔王の精鋭である四天王が、卑怯にも不意打ちを仕掛けてきてですね!」
(;^⊿^)「し、四天王が!?」
(’A`;)「はい!四天王ほどの強者が相手では、私共ではもうどうしようもなく、キュミノー様をお守りするので手一杯で!」
(^ω(#)「敵の爆裂魔法の威力は凄まじく……私もこのような大怪我を!」
(^ω(#)「重ね重ね申し訳ございませんんん!!」
(;^⊿^)「だ、だが……そこにはハッシュ王国騎士団のマロリタ君もいたのだろう!?彼は、彼は無事なのか!?」
(’A`;)「そのマロリタ様に、四天王が化けていたのであります!!」
(;^⊿^)「なっ!?なんだとぉぉぉぉ!?」
(・∀・ )「つきましては今回の誘拐事件にはハッシュ騎士団にも一定の過失割合があると……」
(ノ∀`;)「情報の切り抜きが酷すぎる」
(ФωФ;)「領主様も怒りよりも困惑が勝ってますね……」
(´ハ`;)「顔面に大怪我を負いつつ土下座してくる者に、怒りをぶつけられる人は多くないでしょう」
(゜、゜*)「というか戦士はいつになったら反省するのよ」
225 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/29(火)18:00:00.00 ID:1399336
【フィオレ王国 領主館】
( ・∀・)「最終的にフィオレ王国とハッシュ王国の騎士団が合同して受付嬢さんの救出作戦を行うことに決まりました」
(゜、゜*)「私達は?」
( ・∀・)「特にお咎めなし」
( ’A`)「日本社会で荒波に揉まれた経験が活きたな」
(゜、゜*)「どういう交渉したのよ」
(#)ω(#)「俺の土下座が効いたようだな」
(゜、゜*)「どこまで頭下げたらそうなるのよ」
226 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/29(火)18:00:00.00 ID:1399336
【???】
ξ;=⊿゜)ξ「ん……んん……ここは?」
川゜-゜)「目覚めたかな、お嬢さん?」
ξ;゜⊿゜)ξ「あ、アナタは!?ここは、ここはどこ?」
川゜-゜)「魔城パンデモニウム」
川゜-゜)「我らの……いや、魔王様の居城だ」
ξ;゜⊿゜)ξ「ま、魔王っ!?」
川*゜-゜)「ふふ。怯えた顔も可憐だ……」
ξ;゜⊿゜)ξ「あ、アナタ!私なんか攫って、どうするつもりですわ?」
ξ;゜⊿゜)ξ「末娘の私に、人質の価値なんてありませんわよ!?」
川*゜-゜)「そんなに自分を卑下するな。この私のお眼鏡に叶ったのだ、誇りに思いたまえ」
ξ;゜⊿゜)ξ「はぁ?お眼鏡?」
川*゜-゜)「そうだ。君は私と結婚するのだ」
川*゜-゜)「明日、早速ドレスを選びに行こう」
ξ;゜⊿゜)ξ「けっけけけけけけ結婚んんんんッ!?私がぁぁぁッ!?」
川*゜-゜)「ふふ、結婚式までには帝国を滅ぼさないとな」