勇者達は極北で鉄王と戦うようです
217 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/27(日)18:00:00.00 ID:1399336
【イテーツク山脈 山頂】
川゜-゜)「我が名は"鉄王"ブルシット……ッ!」
(・∀・;)「ブルシット……だと?」
( ^ω^)「どちら様だっけ?ブルボンゴ君の彼女?」
(’A`;)「馬鹿!魔王の四天王だよ!」
(^ω^ )「なんと」
(´ハ`;)「い、いつからすり替わって……?ほ、本物のマロリタ様は……!?」
川゜-゜)「彼なら、ミノベアという男と共に帰ったぞ」
( ロ∀ロ)『味噌樽の様子が心配なので帰ります』
エントリーNo5:ハッシュ王国騎士団参謀長のマロリタ君
( ロ∀ロ)
趣味:料理
好物:カレー
【人知れず──脱落】
ξ;゜⊿゜)ξ「ちゃんとホストに一言かけて帰りなさいよ!」
(゜、゜*)「あら、もう正体バラしちゃうの?」
川゜-゜)「ああ。貴様に感づかれた時点であの姿は用済みだからな」
川゜-゜)「それに……」
ξ;>⊿゜)ξ「きゃっ!」
ブルシットは受付嬢の腰を抱え、力ずくで引き寄せた。
川゜-゜)「フィオレの姫は我が手中にある。どうせ攻撃できないだろう?」
(゜、゜*)「ちっ」
(’A`;)(なんとか隙をついて魔法で……)
川゜-゜)「そこの魔法使い。炎の天使から力を授かっているからと、妙な気を起こすなよ」
川゜-゜)「その程度の杖を介した魔法など、我が敵ではない」
(’A`;)「……くそ」(ありゃハッタリじゃねぇな)
(・∀・;)「!……四天王ってのは情報共有が早いんだね。ガッデムから聞いたの?」
川゜-゜)「あの小娘に報告ができる程の知能はない。側近の人狼から聞いただけだ、仔細にな」
(・∀・;)「目的はなんだ?ここで俺達を殺そうってワケじゃなさそうだけど」
川゜-゜)「ん?」
(・∀・ )「だって殺したいなら、寝てる時とかロープウェイとか、結構チャンスがあっただろ?」
川゜-゜)「……考えるべきは、何故今まで殺されなかったのか」
川゜-゜)「敵に目的を訊ねる前に、自分の脳で考えるべきだったな」
(・∀・;)「!?」
川゜-゜)「"気の旱、空の洪。管理された神罰を信じ抜くは荊"」
辺りが光で満ちる。超高密度の真空が破裂する際、衝撃波よりも早く閃光が放たれるのだ。寝起きに真夏の太陽を直視するが如き白さに、全員の目が眩む……ッ!
川゜-゜)「『爆裂魔法:渇驥奔泉』」
(ー、゜;)「ッ!!」
(;うω^)「まぶッ!」
(つA`;)「っち!『嚮壁……」
光の衝撃に唯一反応できたのは、炎の天使を注入され、動体視力、反射神経と魔力が大幅にパワーアップしていた魔法使いだけだった。
今の彼の力を以てすれば、ブルシットの魔法から身を防ぐ"防護魔法"を、衝撃波が届くまでに展開することも可能ッ!
川゜-゜)「"春霞、夏雨、秋月"」
(’A`;)「……虚』
川゜-゜)「『対抗魔法:終色』」
(’A`;)「ッ!?!?」
だがしかし、ブルシットはそれすらお見通しであった。無情にも彼の防護魔法は霧散してゆく……ッ
川゜-゜)「貴様らは用済みだ。もう死んでもらって構わない」
(’A`;)「ち……」
(’A`;)「ちくしょぉぉぉぉ!!」
魔法使いの慟哭が山々にこだまする。この日、イテーツクは標高を少し下げた。
218 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/27(日)18:00:00.00 ID:1399336
【イテーツク山脈 山頂】
从*゜ワ゜从「うわー……木っ端微塵だぁ」
ミ ◎Д◎彡「流石は鉄王様の魔法ですね」
少し経ち、離れて様子を見ていたガッデムとその側近が山頂までやってきた。そこで彼女達が見たのは瓦礫の山と、ただひとり立っているブルシットだった。
川゜-゜)「ふん。この程度、造作もない」
从゜ワ゜*从「勇者が扉を開けなきゃ壊せなかったクセに」
川#゜-゜)「ぁん?なにか言ったか?」
从゜ワ゜*从「別にぃ?」
ミ ◎Д◎彡「まぁまぁ、喧嘩はそこまでに」
ミ ◎Д◎彡「それよりも、やはり見立ては間違っていませんでしたね」
川゜-゜)「ああ。四大天使の神殿、それは決して門戸を開けず、壊すことの出来ない不壊不可侵の聖域だった……」
川゜-゜)「しかし!選ばれし者が来訪した時にだけは、それを招き入れる為に聖域は開放される!」
川゜-゜)「故に、そのタイミングを狙えば神殿は破壊できるッ!」
从゜ワ゜*从「破壊してどうすんの?腹いせ?」
川゜-゜)「馬鹿めが。そんな非合理的なことをするワケないだろう……まぁ、一応は伝えておこう。貴様の矮小な脳みそで理解できるとは思わんがな」
从゜ワ゜*从「いちいち余計な一言が長いんだよ」
川゜-゜)「四大天使の神殿は我らのいる世界の囲むように築かれている。ここは極北。貴様が行ったマグダ・マリマは南の果て。残りは東西の端……何故か分かるかな?」
从゜ワ゜*从「馬鹿にしてるの?分かるわけないじゃない」
ミ◎Д◎ 彡「馬鹿晒してます」
川゜-゜)「女神による結界だ。人々から信仰を集め、そして我ら魔族の力を抑える為のな」
从゜ワ゜;从「そうなの……!?じゃあ私も弱くなってるってこと?」
川゜-゜)「獣人は対象外だ」
从゜ワ゜;从「あ、そう。よかったぁ」
川*゜-゜)「つまり貴様は素の実力で勇者に負けたというワケだ!私が瞬殺した勇者になぁッ!!」
从゜ワ゜#从「キィ~~~~ッ!!」
ミ◎Д◎;彡「ステイ!ガッデム様ステイ!」
川゜-゜)「ま、貴様のコトなどどうでもいい。大事なのは……これで魔王様が完全復活を阻む枷が無くなったということだ!」
川#゜-゜)「あの女神……魔王様に負けた売女如きが!妙な保険をかけてくれていたものだ!」
川゜-゜)「だがそれも、ここまで!枷は壊れ、勇者は死んだ!」
ミ◎Д◎ 彡「……神殿はあと3つあるのでは?」
川゜-゜)「結界は、境界を示す四つの点から構成される。この場合は天使神殿がそれだ」
川゜-゜)「一つの点を壊せば結界の領域は狭まり、力は弱まる」
川゜-゜)「二つの点を壊せば結界は領域を成せなくなり、崩壊する」
川゜-゜)「つまり、4つの神殿のうち2つを壊せばよいというだけだ」
川゜-゜)「そして南のマグダ・マリマの神殿には霊王を派遣し……つい先ほど、破壊に成功したとの報告を受けた」
ミ◎Д◎ 彡「!!」
川゜-゜)「運良く、貴様らが開けた穴の修繕が間に合っていなかったようでな。そこ突き、破壊は完了したと」
川゜-゜)「つまり、これで結界は破られ、勇者達が他の神殿を訪れるのを待つ必要もなくなった。というわけだ」
川*゜-゜)「……ふふ……」
川*゜-゜)「ふふふ……ははははっ」
川*゜-゜)「あーっはっはっはっ!人間共めっ!これで貴様らを守るモノは全て失くなった!魔王様が目覚めれば、貴様らは終わりだ!」
从゜ワ゜*从「それ、ホントに大丈夫なの?女神に変な魔法かけられたんでしょ?」
川゜-゜)「あぁ。既に快復の兆しは表れている。後は……目覚めるのを待つのみ!」
从゜ワ゜*从「ふぅん。それで、さっきから気になってんだけど……その女はなに」
ξ;ー⊿ー)ξ「う……うぅ……」
川*゜-゜)「ふふ。可愛らしいだろう?」
从゜ワ゜*从「アンタの感覚は知らないけど、なんで生かしてんの?」
川*゜-゜)「これだけの大仕事に成功したのだ。戦利品くらいよかろう?」
从゜ワ゜;从「趣味悪っ!」
川゜-゜)「なんとでも言うがいい!さぁ、作戦が終われば、こんな僻地に用はない!私は帰るぞ!」
从゜ワ゜;从「はぁ!?じゃあなんの為に私達呼んだのよ!」
川゜-゜)「あぁ、お前たちの鼻で勇者達の死亡を確認させようと思ったのだが……崖崩れと雪崩で、全てひっくり返ってしまった」
川*゜-゜)「これでは鼻も効かぬし、そもそもこれで生きてられるワケがない!貴様らも用済みだったな!はっはっは!」
从゜ワ゜#从「なによそれ!無駄足じゃない!」
川*゜-゜)「すまないすまない!貴様らも用済みということだな!はっはっは!」
从゜ワ゜#从「ウキャ~~~~ッ!!」
ミ◎Д◎;彡「ガッデム様、猿になってます」
219 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/27(日)18:00:00.00 ID:1399336
ミ◎Д◎ 彡(それより、この臭い……"まだ生きてる"って正直に言います?)
从゜ワ゜#从(ぜったい言わない!クソババァに後悔させてやる!)