第一回!チキチキ私争奪!イテーツク山脈ハイキング その①
207 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/24(木)18:00:00.00 ID:1399336
【イテーツク山脈 麓】
(^ω^ )「え~~、というワケでやって参りました。時刻は午前9時、イテーツク山脈の麓までやってきました」
(^ω^ )「修道女ちゃん。イテーツク山脈というのは?」
( ФωФ)「はい!イテーツク山脈は、大陸最高峰の山でして、なんと標高一万メートル!その高さから別名"世界の壁"とも呼ばれる霊峰です!」
( ФωФ)「そして僕達が目指す【風の天使神殿】は、このイテーツク山頂に建立されていると専らの噂!」
(^ω^ )「なるほどぉ」
( ФωФ)「さて、今回、僕達には山頂に導いてくれる登山ガイドさんがいます!」
( ^ω^)「ほう!それでは呼んでみましょう!」
(ФωФ )「登山ガイドさーん!」(^ω^ )
( ´ハ`)「はーい」
ξ;゜⊿゜)ξ「セバスチャンッ!!」
(’A` )「セバスチャンさんって登山するんですか?」
( ´ハ`)「ええ。この辺りに故郷がありまして、若い頃はよく登っていました。まぁ、故郷は魔王の軍勢によってなくなってしまいましたが」
( ´ハ`)「ところでイテーツク登山で注意すべきは天候ですね。吹雪はもちろん、急な突風、吹き下ろしにも警戒しないといけません」
(・∀・ )「さらっと重い話を流しましたね」
(ФωФ )「……!」
( ´ハ`)「これから登山というのに、気分を落ち込ませるのもどうかと思いましてね」
(゜、゜*)「まぁ暗い話をされてもね」
ξ ゜⊿゜)ξ「ところで、求婚者の皆様はついて来られてます?」
(’A` )「まだ登山する前だからいるだろ」
( ´ハ`)「モラク様とミノベア様の2名が脱落しました」
エントリーNo2:判事のモラク君
( ラ∀`)
趣味:筋トレ
好物:カレー
【脱落】
エントリーNo3:会計局官僚のミノベア君
( ´∀ミ)
趣味:家庭菜園
好物:カレー
【脱落】
ξ;゜⊿゜)ξ「早すぎません?なにゆえっ!?」
( ´ハ`)「モラク様は途中で魔物と戦った際に大胸筋が傷ついてしまい、戦意喪失しました」
(;ラ∀`)『へへっ……俺の最愛の人は筋肉だったみてぇだ』
ξ;゜⊿゜)ξ「心が弱ぇ!」
( ´ハ`)「ミノベア様は仕事があるのでパスだそうです」
( ´∀ミ)『そこまでの熱意はないです』
ξ ゜⊿゜)ξ「そんな理由で?」
ξ ゜⊿゜)ξ「……」
ξ;゜⊿゜)ξ「いや妥当すぎる理由!」
(イ∀` )「はっはっは。軟弱な者達だ。勝ってお嬢様と結婚するのは僕です!」
(ノ∀` )「いや、僕だ!」
(ロ∀ロ-)「このハイキング。僕が勝つ可能性……約33%」
(’A` )「拮抗しとる」
( ´ハ`)「さてさて、それでは早速登山開始しましょうか。ここからは誰が脱落してもおかしくない、峻険な獣道となります」
( ´ハ`)「……冒険者様達もご覚悟を」
(^ω^;)「っ……ビビらせるじゃねぇか」
(ФωФ;)「しかしイテーツク山脈は魔物も強力、大げさではありません!」
(イ∀`(ノ∀`;)ゴクリ……
( ´ハ`)「それではロープウェイのチケットを配りますので、無くさないように」
(・∀・ )「バッチリ舗装されとるやないかい」
208 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/24(木)18:00:00.00 ID:1399336
【イテーツク山脈 ロープウェイ】
ロープウェイ乗車30分後
( ´ハ`)「皆様、山を背に右側をご覧ください。あちらがお嬢様の故郷、フィオレ王国の王都でございます」
(゜、゜*)「きれいな景色ねぇ」
(^ω^ )「はぇ~~」
(・∀・ )「あそこがフィオレだとすると、向こうの方に小~~さく見えるのが帝都ドナドかな?」
(イ∀` )「多分そうですね。結構長いこと旅したんですけど、なんかここから見ると、短かかったように錯覚しますね」
(・∀・ )「旅ってのは不思議ですよね」
(ノ∀`;)「流石に僕の故郷の西ゼリヤ王国は見えませんね……」
(’A` )「中間にカッカ火山があるしな」
( ノ∀`)「おや、ご存知なんですか?」
(’A` )「あぁ、俺達西ゼリヤ王国から来たんだよ」
( ノ∀`)「それはそれは、同郷でしたか!」
(ФωФ )「あっ西ゼリヤは見えませんが、タービンタワーは見えますよ!」
(^ω^ )「あれもでけぇよなぁ」
(イ∀`;)「早く再稼働して欲しいですね。スミスクラブが取引してる工房からの仕入れ値も右肩上がりで」
( ФωФ)「ログマジア・ファミリーが居なくなったのに、まだ稼働していないんですか?」
(イ∀` )「年内に再稼働とは言われてるけどねぇ。物や場所は揃ってるけど、人や法律が追いついてないんだ」
(’A` )「難しい問題だな」
209 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/24(木)18:00:00.00 ID:1399336
【イテーツク山脈 ロープウェイ】
ロープウェイ乗車1時間後
( ´ハ`)「皆様、山を背に左側をご覧ください。魔界です」
( ^ω^)「なんで魔界って地面が紫色なんだろうな」
( ・∀・)「地面どころか湖とかも紫なんだけど」
(-ロ∀ロ)「あれは毒沼ですね」
( ’A`)「なんで魔界の沼って毒で冒されてんだろうな」
(゜、゜*)「あとなんか天気悪くない?雲が黒いんだけど」
( ФωФ)「天気予報によると、昨晩から今夜にかけて魔界は大雨だそうです」
(゜、゜*)「それは特有のものじゃないのね」
210 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/24(木)18:00:00.00 ID:1399336
【イテーツク山脈 ロープウェイ】
ロープウェイ乗車 数時間後
( ´ハ`)「さて、そろそろ終点ですね。皆様、下車の準備を」
(^ω^;)「ようやくか……今どのくらいよ?」
( ´ハ`)「9合目です」
(^ω^ )「登りすぎだろ」
(・∀・ )「ほぼゴールじゃねぇか」
( ´ハ`)「しかし、そこから1000メートルは登る必要がありますから」
(’A`;)「それ聞くと9合目からも十分長いな」
(゜、゜*)「……というか高山病って大丈夫なの?」
(・∀・ )「あ」
ξ ゜⊿゜)ξ「問題ありませんわ。登山者の身体を急速に高地順応させる魔法が、このロープウェイには施されていますわ」
(^ω^ )「果たして俺達は登山者なのだろうか」
(’A` )「登山とは何か、深く考えさせられるな」
( ・∀・)「でも、こんな簡単に山頂近くまでいけるなんて、あんまり最果て感ないね」
ξ ゜⊿゜)ξ「簡単ではありませんわ。お金の力ですわ!」
( ´ハ`)「今回はお嬢様のご厚意にて皆様をお乗せしましたが、こちら超高額ロープウェイとなっております」
(^ω^ )「おいくら万円?」
ξ ゜⊿゜)ξ「片道料金で庶民の家が建ちますわ」
(^ω^;)「……寒くなってきた」
身震いする戦士に呼応するように、ロープウェイが大きく揺れた。
( ´ハ`)「到着しました。終点、イテーツク9合目でございます」
( ´ハ`)「空は快晴、風は穏やか、周辺に魔物もなし……」
( ´ハ`)「絶好のアタック日和でございます」