勇者達は極北イテーツク山脈を目指すようです その③
204 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/23(水)18:00:00.00 ID:1399336
【フィオレ王国 領主館】
( ^⊿^)「おお!無事帰ってきてくれたのだな!愛しのプリンセス!」
( ^ω^)「プリンセス?受付嬢ってお姫様なん?」
(・∀・ )「領主の娘はお姫様でしょ」
( ^⊿^)「おや、後ろの方々は護衛の方ですかな?」
ξ;゜⊿゜)ξ「えぇ、まぁ。そんなトコロですわ」
(’A` )「そんなところです」
( ^⊿^)「娘の為にご苦労様でした。長旅はお疲れでしたでしょう。今夜は泊まっていって下さい」
(ФωФ )「いいんですか!?」
(゜、゜*)「それじゃ、お言葉に甘えさせてもらうわ」
ξ ゜⊿゜)ξ「それよりお父様、勝手に私のお見合いを決めたってどういうことですか」
( ^⊿^)「そのままの意味だ。5人のお見合い相手は既に屋敷に到着しておる。早速だがお見合いしてもらう」
ξ;゜⊿゜)ξ「ハァ、5人!?いつ!?」
( ^⊿^)「今から」
ξ;゜⊿゜)ξ「今からぁ!?」
(・∀・ )「スピード感」
ξ;゜⊿゜)ξ「なんでそんな急なのよ!」
( ^⊿^)「また家出されたら堪らんからな」
(’A` )「信頼感」
ξ;゜⊿゜)ξ「ぐっ……そもそも私はまだ結婚する気はありませんわよ!」
( ^⊿^)「そう言っていつまで独り身でいる気だ?する気になるのを待っていては遅いのだ!さぁ、皆が待っている!迎賓館へついてこい!」
ξ;゜⊿゜)ξ「ちょっとお父様!話はまだ……っ!」
ξ;゜⊿゜)ξ「アナタ達も何か言ってやって下さいまし!」
(’A` )「領主の館に泊まるって、なんだかんだ初めてだよな」
( ^ω^)「晩ごはんとか何が出んだろうな?」
(・∀・ )「よく分からない煮凝りとかテリーヌが出てきそう」
ξ;゜⊿゜)ξ「クソ役に立たねぇ!!」
205 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/23(水)18:00:00.00 ID:1399336
【フィオレ王国 迎賓館】
ξ;゜⊿゜)ξ「……結局来てしまいましたわ」
( ^⊿^)「さて、それでは早速お見合いだ!お前好みに合わせた相手を選んでやったから、きっと気に入る方もいるだろう!」
( ^⊿^)「イカれたメンバーを紹介するぜッ!」
(^ω^ )「好みの相手がイカれてんのは嫌だな」
( ^⊿^)「エントリーNo1、武具商社スミスクラブの御曹司!イシヅ君!」
( イ∀`)「よろしくお願いします」
( ^⊿^)「趣味は石集め、好物はカレーだァ!」
(’A` )「石集めって河原とかでやるの?」
( イ∀`)「鉱山ですね。ツルハシでガンガン掘ります」
ξ;゜⊿゜)ξ「ガチ勢ですわ!」
( ^⊿^)「エントリーNo2、ハッシュ一等侯の御子息!判事のモラク君!」
( ラ∀`)「よろしくお願いします」
( ^⊿^)「趣味は筋トレ、好物はカレーだァ!」
(^ω^ )「いいねぇ筋肉ガッチムチだね。得意技とかあるの?」
( ラ∀`)「黒魔術です」
ξ;゜⊿゜)ξ「身も心も黒光りですわ!」
( ^⊿^)「エントリーNo3、マルク皇帝の遠い親戚、会計局官僚のミノベア君!」
( ´∀ミ)「よろしくお願いします」
( ^⊿^)「趣味は家庭菜園、好物はカレーだァ!」
(ФωФ )「今は何を育てているんですか?」
( ´∀ミ)「ツクシ、セリ、ナズナとヨモギ」
(ФωФ )「のどかですねぇ」
ξ;゜⊿゜)ξ「ただ庭に生えてるだけじゃなくて?」
( ^⊿^)「エントリーNo4、西ゼリヤ王国貴族のご子息、考古学者のキュミノー君!」
( ノ∀`)「よろしくお願いします」
( ^⊿^)「趣味は音楽鑑賞、好物はカレーだァ!」
ξ ゜⊿゜)ξ「どういった音楽をお聴きなさるの?」
( ノ∀`)「ヴェントホーブやハインドなどの古典音楽をよく聴きますね」
ξ ゜⊿゜)ξ「あぁ、演奏会でよく聴きますわね!」
ξ ゜⊿゜)ξ「……」
( ノ∀`)「……」
(^ω^ )「他人が好きなアーティストって別に知らんよな」
( ・∀・)「そこから自分の好きを伝えるのが大事なんだよ」
( ^⊿^)「エントリーNo5、ハッシュ王国騎士団参謀長のマロリタ君!」
( ロ∀ロ)「よろしくお願いします」
( ^⊿^)「趣味は料理、好物はカレーだァ!」
ξ ゜⊿゜)ξ「それじゃあ得意な料理も……」
( ロ∀ロ)「はい。味噌作りです」
ξ ゜⊿゜)ξ「カレーを作れ」
(’A` )「そもそも醸造を料理に括っていいの?」
206 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/23(水)18:00:00.00 ID:1399336
【フィオレ王国 迎賓館】
( ^⊿^)「以上がお見合い相手だ!」
( ^⊿^)「どうだ!?気に入った相手はいたかな、マイ・プリンセス!」
ξ#゜⊿゜)ξ「いませんわよ!」
(゜、゜*)「まぁ、簡単な自己紹介だけじゃ何も判断できないわよね」
(;^⊿^)「そうか?お前好みに合わせたんだがなぁ」
ξ;゜⊿゜)ξ「いや、皆様素敵な方だとは思いますが、まぁ……」
ξ ゜⊿゜)ξ「そもそも、なにをもって私好みだと?」
( ^⊿^)「お前はカレーが好きだろ?」
(^ω^ )「イカれてんのかテメェ」
ξ;゜⊿゜)ξ「そんな理由で……?」
ξ;-⊿-)ξ「ああ皆様、お父様の勝手に付き合わせてしまって……本当に申し訳ありませんわ」
(イ∀`;)「待って下さい、お嬢様!」
(ラ∀`;)「僕達は皆、アナタの事を愛しているのです!」
(´∀ミ;)「お見合い写真を見て一目惚れしてしまったのです!」
(ノ∀`;)「だからどうか、僕達にチャンスを下さい!」
(ロ∀ロ )「今年はいい味噌が仕上がりました」
ξ;゜⊿゜)ξ「い、いや……そんな。なんで私なんかに」
( ^⊿^)「そりゃあお前が可愛いからだろう!流石は私の娘だ!」
ξ;゜⊿゜)ξ「えぇ、そうかしら?」
ξ;゜⊿゜)ξ「盗賊さん、修道女さん。どう思います?」
(ФωФ )「お人形さんみたいで可愛いと思います」
(゜、゜*)「羨ましいわね」
ξ*゜⊿゜)ξ「なんか照れますわね。まぁ、そうなのだとしたら、皆様が本気っぽいのは分かりました」
ξ;゜⊿゜)ξ「でも、私が選ぶなんて……」
(’A` )「……」
(’A` )「なぁ道化師。そう言えば、俺達ってここからイテーツク山脈までは、徒歩か馬車で行かんとならんよな?」
(・∀・ )「うん。もう彼女の馬車を借りられる理由がないし」
(’A` )「なるほど。修道女、ここから次の神殿までの旅費って結構カツカツな感じ?」
(ФωФ )「えっ……まぁ、たしかに節約しないとですが」
(’A` )「そうか、ありがとう」
魔法使いはニヤリと笑うと、受付嬢に耳打ちした。
(’A` )「受付嬢さん、俺に良い考えがあるんだが」
ξ;゜⊿゜)ξ「えっなに?」
(’A` )「カクカクシカジカ……」
ξ;゜⊿゜)ξ「うん、うん……なるほど、たしかに」
( ^⊿^)「どうした?結婚相手は決まったか?」
ξ ゜⊿゜)ξ「いいえ!結婚相手を決める方法を考えましたわ!」
( ^⊿^)「ほう?」
ξ ゜⊿゜)ξ「求婚者の皆様には、これから私達と共に【風の天使神殿】まで来てもらいます!無事、最後までついて来られた方と結婚しますわ!」
ξ ゜⊿゜)ξ「名付けて、第一回!チキチキ私争奪!イテーツク山脈ハイキングぅぅぅッッッ!!」
(イ∀`;)「チ、チキチキ……」
(ラ∀`;)「イテーツク山脈ハイキング!!?」
(´∀ミ;)「いや、あそこガチ登山じゃない?」
(ノ∀`;)「い、いつ出発?」
ξ ゜⊿゜)ξ「明日から」
(ノ∀`;)「明日ァッ!?」
(・∀・ )「スピード感って遺伝するんだ」
(’A` )「……よし。これで高性能な馬車に乗れるし、路銀の心配もなくなったな」
(^ω^ )「悪いやっちゃなぁ」