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勇者達は極北イテーツク山脈を目指すようです その②

【登場人物紹介】


( ^ω^)【戦士(ウォリアー)】:レスラー体型の勇者。


 ( ’A`)【魔法使い(ウィザード)】:ヒョロガリ勇者。


(゜、゜*)【盗賊(シーフ)】:スタイルグンバツ勇者。


( ・∀・)【道化師(クラウン)】:イケメンハイスペ勇者。


( ФωФ)【修道女】:勇者を導く僕っ娘。


ξ ゜⊿゜)ξ【受付嬢】冒険者ギルド・ランクエスの窓口の人。


从*゜ワ゜从【獣王ガッデム】:魔王四天王の人狼アイドル。


ミ◎Д◎ 彡【会員No1】:私設ファンクラブ、ガッデム親衛隊隊長。


(゜-゜川【鉄王ブルシット】:魔王四天王の軍人。


(´<_` )【霊王ネギシ】:魔王四天王の死霊術師。



204 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/22(火)18:00:00.00 ID:1399336



【マルク帝国 帝都ドナド】



ξ ゜⊿゜)ξ「それではセバスチャン。出発して頂戴」



( ´ハ`)「承知いたしましたお嬢様」



 勇者達を乗せた最新の高性能サスペンション付き魔導馬車は、マルク帝国北方領へと続く石畳の大街道を、やおら走り出した。



( ФωФ)「まさか受付嬢さんが、ご貴族のお嬢様だったとは」



(^ω^ )「受付嬢の嬢って令嬢の嬢だったんだ」



( ´ハ`)「お嬢様のお父上は、マルク帝国北方に広がるフィオレ地方を治めており、皇帝陛下より一等侯に叙せられております」



( ´ハ`)「古くはマルク帝国建国以前から続く由緒正しき名門貴族。お嬢様は、その末裔にあたります」



(^ω^ )「@道化師」



( ・∀・)「やんごとない人」



(゜、゜*)「そんな子がどうして、西ゼリヤ王国のギルドで受付嬢なんてしてたのよ」



ξ ゜⊿゜)ξ「名門貴族の末裔とはいえ、私は12人兄妹の末っ子。継承権も何にもありませんの。大きくなれば他の貴族の男子との政略結婚が運命づけられた、政治の駒に過ぎませんわ」



ξ ゜⊿゜)ξ「10歳の時には、顔も見たことない許嫁もいましたのよ?10歳年上でしたが」



(゜、゜*)「うわっ」



 (’A`;)「……まぁ、貴族も貴族で大変なんだな」



ξ ゜⊿゜)ξ「しかし、そんな時に魔王の侵攻が始まりましたの」



ξ ゜⊿゜)ξ「そして許嫁は名誉の戦死を遂げましたわ」



( ´ハ`)「孤軍になった味方の退路を作る為、腹に爆弾を巻き単身で敵軍に突撃。その命と引換えに300の兵と2人の将を救ったと聞き及んでおります」



(・∀・ )「これは稀代の猛将」



(^ω^ )「ガチの英雄じゃん」



ξ ゜⊿゜)ξ「そう。英雄ですの。ただ、その代わり私は結婚相手を失ってしまいましたわ」



(・∀・;)「あ、ごめん……」



ξ ゜⊿゜)ξ「お気になさらず。そして彼の死後、戦況はさらに激化。結婚どうこうなどと言っている余裕はなくなり、私は身の安全の為に西ゼリヤ王国の親戚へ預けられ……」



ξ ゜⊿゜)ξ「親戚の家からこっそり家出やりましたわ!」



(・∀・ )「迷惑」



(゜、゜*)「親族間の信頼関係に亀裂が入るから止めなさい」



ξ ゜⊿゜)ξ「やっちまったもんはしょうがねぇですわ!」



ξ ゜⊿゜)ξ「貴族社会のしがらみ、しきたりにはウンザリしてたんですわ!晴れて私は自由の身、勢いそのままに冒険者になってやりましたわ!」



 (’A` )「行動力の化身じゃん」



ξ;゜⊿゜)ξ「ただ冒険者になったは良いものの、仲間もいない実力もない私は全く稼げず、冒険者ギルドの受付嬢として働くことにしたのですわ」



ξ;ー⊿ー)ξ「生活をする、お金を稼ぐ、それらがこんなに厳しいとは知りませんでしたわ……」



(^ω^ )「いい経験だな」



ξ ゜⊿゜)ξ「ですわね」



ξ ゜⊿゜)ξ「……そして、いよいよ家出がバレて、今まさに実家に連れ戻されているという訳ですわ」



(ФωФ;)「えっ?じゃあ、この馬車って……」



(゜、゜*)「護送車ね」



(・∀・ )「字面的には合ってるけど意味的には違うね」



(^ω^ )「まぁ親御さんとしちゃ不安だろうしな」



( ´ハ`)「それもありますが、一番の理由は"お見合い"でございます」



ξ ゜⊿゜)ξ「……」



ξ;゜⊿゜)ξ「……えっ、ちょっと。聞いていませんわよ!」



( ´ハ`)「言っておりませんので」



 (’A`;)「何故このタイミングで暴露したんだ」



( ´ハ`)「帝都からは十分に離れましたから。ここまで離れれば、お嬢様独りでは街に戻ることは叶いません」



ξ;゜⊿゜)ξ「セバスチャンの鬼!悪魔!白ブリーフ派!」



( ´ハ`)「尿もれ防止にございます」



(^ω^ )「男はな、成長するにつれトランクス、ボクサーパンツと脱皮を繰り返すけど、結局は白ブリーフに戻るんだよ」



(^ω^ )「父ちゃんの遺してくれた言葉の一つだ」



 ( ’A`)「遺言に中身が入ってないことってあるんだ」



ξ;゜⊿゜)ξ「み、皆さん!助けてくださいまし!"指名クエスト"ですわ!アナタ方を一流冒険者として依頼しますわ!」



ξ;゜⊿゜)ξ「今すぐ私をこの馬車から連れ出して下さいまし!私はまだお見合いなんてしたくありませんわ!」



(^ω^ )「えー……」



( ^ω^)「どうする?」



(ФωФ )「親御さんはきっと心配してるので、お顔を見せてあげた方がいいと思います!」



(゜、゜*)「私も修道女ちゃんに賛成」



 (’A` )「俺も」



(・∀・ )「一回話し合ったほうがいいんじゃない?その時には味方するからさ」



(^ω^ )「受付嬢さん、報酬はいかほど?」



ξ;゜⊿゜)ξ「……これくらいで……あの、今ちょっと手持ちがなくて」



(^ω^ )「全会一致で依頼を辞退させて頂きます」



ξ*T⊿T)ξ「世知辛いですわー……」





205 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/22(火)18:00:00.00 ID:1399336



【魔城パンデモニウム 第13会議室】



从*゜ワ゜从「ごめんごめん、負けちゃった」



(゜-゜川「フン。私は刺し違えてでも殺してこいと言ったはずだが?」



(゜-゜川「勇者に負けて、おめおめと帰ってくるとは。獣王としてプライドはないのか?」



从*゜ワ゜从「よく考えたら、別にアンタ私の上司でもなんでもないし、言う事を聞く必要もないかなって」



(゜-゜#川「貴様……っ!」



(´<_` )「はっはっは。たしかに四天王はそれぞれ独自に行動できる権限を魔王様より与えられている。ガッデムの言うことも(もっと)もだ」



从*゜ワ゜从「でっしょお!?あそこは退却するのが一番って判断したのよ、私は!」



(´<_` )「……ただ、その行動が失敗した時には相応の責任を取ってもらう。そういう契約だが?」



从;゜ワ゜从「!?」



从;゜ワ゜从(な、なによこのプレッシャー……霊王にこんな力が……?)



ミ;◎Д◎彡「れ、霊王様、鉄王様!」



ミ;◎Д◎彡「勇者達の討伐には失敗しましたが、ガッデム様指揮の下"マグダ・マリマ"を調査した結果、かなり有益な情報が手に入りました!」



ミ;◎Д◎彡「こちらがその報告書になります!何卒、ご一読頂いた後にご判断を!」



(゜-゜#川「ふんっ見せてみろ」



(´<_` )「どれどれ」



(´<_` )「……ほう。たしかに、コレは面白い」



(゜-゜川「なるほどな。この情報が事実ならば……もはや我々の勝ちは同然」



(゜-゜川「有能な部下をもって幸いだったな、ガッデム」



从;゜ワ゜从「ぐ……」



ミ;◎Д◎彡「あっあの!ひとつよろしいでしょうか!」



(゜-゜川「ふん、褒美だ。許してやる」



ミ ◎Д◎彡「自分はガッデム様の"部下"ではなく、あくまで"ファン"であって。そういう前提で作戦に付き合っているんですよね。そこは理解して頂きたいですね。あっ、ここでいう"付き合っている"というのは、男女の関係ではなく行動を共にするという意味でして。というか自分の場合ぃガッデム様は妹としか思えないというか……w」



从 ゜ワ゜从「ガチでキショい」



ミ◎Д◎ 彡「やれやれ、口の減らないアイドルだ」



从 ゜ワ゜从「その口こそぎ落としてやろうか」



(゜-゜川(何故ガッデムはコイツの存在を許しているんだ……?)



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